2004/4/4

新しい映画がどんどん公開されているけど、良かった映画の
リピートに走っている私・・・。新作映画3つです。

N.Y.式ハッピー・セラピー  監督:ピーター・シーガル  出演:ジャック・ニコルソン、アダム・サンドラー
Anger Management  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ニューヨーク育ちのデイブは、気持ちは優しいが子供の頃からいじめられっ子。大人になった今、彼にはリンダという素晴らしい恋人がいるが、優柔不断な彼は肝心な事がいつも言えずにいた。そんなある日、彼は仕事で飛行機に乗ることに。ところが自分の席は横柄な男が占領していた。何も言い返すことができないデイブに救いの手を差し伸べたのは見知らぬ男。隣の席が空いているとデイブに声を掛けてくれたのだ。しかし、それが間違いの発端だった・・訳のわからないうちにデイブは次々と罪を着せられ、なんと逮捕されてしまう。裁判の結果、デイブは判事から「怒り抑制セミナー=Anger Management」をうけるよう言い渡される。しかし、このセラピーに集う患者たちはとんでもないヤツらばかり。デイブの「怒りのパートナー」になったのは暴力の権化のような男チャック。彼と一緒に出かけたバーでチャックは大暴れ。それを止めようとしたデイブは勢いで盲目の男の鼻を・・。再び、裁判に出向いたデイブはなんと、飛行機の中で彼に事件の印籠を渡した男バディの治療を受けることに。ところが、彼はとんでもなくアブナイ男だった・・・・
私評:「本当の自分をさらけ出せ!」「本当にいいんだな・・?」・・・・日本ではまったくと言っていいほど人気がないアダム・サンドラーですが、私はけっこう好きなんです。というか、彼の作品はほとんど劇場で観ています。そんなアダム・サンドラーが、今回相手にするのは、あの"ジャック・ニコルソン"!!これを見ずしていられるものか!!映画のほうは私の期待以上の面白さでした。とにかく超過激なセラピーの数々に大爆笑。そしてあの癖のあるアダム・サンドラーが、普通の人に見えてしまうくらい変人のジャック・ニコルソンがとにかくすごい。先日観た「恋愛適齢期」と見比べてみるのもすごく面白いかも??そしてめちゃキュートなヒロインはマリサ・トメイ。この映画の彼女を見たら、みんな好きになるんじゃないかな??そしてハリウッド・スターたちがとんでもない役でチョイ役で登場!オカマのウディ・ハレルソン、凶暴なジョン・タトゥーロ、ヘザー・グラハム、ジョン・C・ライリーなどなど・・。彼らを探すのも面白いかも?? そして最後は飛び切りの感動が待っています。笑って、泣いて、そして映画館を出る時にはしっかり、笑顔になれる映画です。
エレファント  監督 :ガス・ヴァン・サント  出演:ジョン・ロビンソン、アレックス・フロスト
Elephant  2003年 アメリカ映画
オレゴン州のポートランド。どこにでもありそうな朝の風景。1台の車が道路を迷走していた。酒に酔った男が運転していたのだ。彼の息子ジョンは運転を交代し学校に着くと、ここでじっとしているように父に命じた。兄に迎えを頼むため電話をしていると、後ろで校長が聞いている・・・。写真好きのイーライは公園のカップルの写真をとり、学校へ。美大へ進むためのポートフォリオの作成に励む。アメフト部のネイサンはGFのキャリーと待ち合わせ。彼に目をつけていた3人組の女子高生たちは、ダイエットの話に花が咲く。クラスルームでは同性・異性愛会の討論が行われている。自意識過剰な女の子ミシェルは自分の容姿にコンプレックスをもっているのか、短パンを穿かず、しかもシャワーもクラスメートと一緒には入れない。ある教室では濡れたティッシュをアレックスに投げつける生徒がいた。アレックスはピアノが好きな少年。しかし、彼はある計画を友人のエリックと進めていた。そして彼らの元に宅急便が届く・・・・・・
私評:俺たち今日死ぬんだろ? まだ、キスもしたことないんだ・・・コロンバイン高校の無差別乱射事件がベースになっている映画です。しかし、上映時間82分の70分までは、この学校の生徒の日常を、まるでドキュメンタリーのように追いかけていく。それはごく普通の学校の風景であり、ある者は青春を謳歌し、ある者はコンプレックスに悩み・・・。そして彼らは、廊下ですれ違ったり、声を掛け合ったり同じ時を共有している事を強調されている。しかし、個々の話に急に終止符を打つかのように事件は起こる。それ学校にいるというだけの理由で同じ枠に括られ、そして事件に遭遇したのだ。それまでの彼らの物語は急速なまでに否定され、そして無に葬り去られる。この辺りの映画の作り方は実に上手い。しかし、一人一人の描き方がちょっと長い。しかも、ワンカットでとっているため、ダラダラとカメラが少年たちを追いかけるだけというシーンがけっこうあるんです。途中でかなり眠くなってしまった。ところが、事件が始まると学校はあっというまに修羅場。前置きが長かった分、このシーンが実にリアルに描かれている。そして私はすごいショックを受けました。この映画の少年たちは、この映画のためにオーディションで選ばれたので有名人は出ていません。しかも、役名は本名なのでよけいにリアル???
花とアリス  監督 :岩井俊二  出演:鈴木杏、蒼井優、宮本雅志
Hana and Alice  2004年 日本映画
花と宮本先輩の出会いは、元はといえばアリスが目を付けた外人っぽい男だった。彼を見るためにアリスは早起きして、花を連れて彼の乗っている電車に乗り合わせたのだ。その外人っぽい男といつも一緒にいたのが宮本先輩だった。花とアリスは高校生になった。花は迷わず宮本先輩のいる落語研究会に入部した。そんなある日、宮本先輩は家のシャッターに頭をぶつけて失神してしまう。彼の後を追っていた花は自分が宮本先輩の彼女だと嘘をつき、彼を記憶喪失だと信じ込ませてしまう。しかも、ある事件を隠蔽するために彼の元カノはアリスということに。自分の記憶を辿る宮本は、アリスともデートを重ねるが彼は本当にアリスの事が好きなってしまう。しかも、アリスも彼のデートと、父親との思い出を重ねるうちに、ほのかな気持ちが・・。しかし、一途に愛情を注ぎ込む花の姿を見ていると・・・・。・・・・
私評:勝手にそんなこと決め付けるなよ。ちゃんと責任をとってくれよな・・・・岩井俊二らしさが良く出ている映画でした。しかし、今回の作品は「リリィ・シュシュ・・」のような重いテーマではなく、女子高校生のピュアな純愛物語。でも、この映画の中に出てくる恋愛って、きっと男が女性に対してこうであって欲しいという願望が作り上げた寓話のような気がしました。それゆえ、私はこの物語にどっぷり浸かってしまいました。キャラ的に鈴木杏がちょっと可愛すぎかな?という気はしたのですが・・(本来、もっとブスな女の子の設定でしょう??)それは置いといて・・・、主演の二人はすごく良かったです。この映画はきっと「生のふたりの青春」を映画という形で残した、そんなアルバムのような作品かもしれません。鈴木杏はいつも良い演技をするので、安心マークだったせいか、今回は蒼井優ちゃんに注目してしまいました。クライマックスのバレエのシーンは彼女の真骨頂ですね。本当に美しかったです・・・。そしてこの映画も意外な大物スターが脇役で登場します。吉岡秀隆に至っては声だけ・・(それでも分かるんだからすごいけど)。インパクトが強かったのはテリー伊藤!グッドでしたよ。映画の終わり方も爽やかで、この季節にはピッタリの映画かもしれません?? 


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