2002/3/18号

今週は3本の新作を見ました。でも、これら以外に2回目の
「オーシャンズ11」と「ロード・オブ・ザ・リング」を観ました。今回のイチ押しはやっぱりこれ!

アザーズ  監督:アレハンドロ・アメナバール  出演:ニコール・キッドマン、フィオヌラ・フラナガン
The Others  2001年 アメリカ映画
今週のイチ押し : 1945年、イギリス・ジャージー島の霧深い洋館に、母親のグレース、そして娘のアンと息子のニコラスの3人の親子が暮らしていた。子どもたちは光アレルギーのため、彼らのため洋館はいつも分厚いカーテンで外界を遮られ、暗闇が支配していた。ある日,彼らの元に3人の召使い希望者が訪れる。なんと、以前にこの屋敷で働いた事があるのだそうだ。グレースはさっそく、彼らを雇い入れた。しかし、その日を境に屋敷の中で不可解な現象が起こり始める。アンが見たという少年、誰もいないはずの部屋から聞こえる話し声。超現実的な考えしか持たないグレースの目の前でも、不可思議な現象が起き始める。果たしてアザーズの正体とは??・・・・・
私評:この家にはルールあるの。開けたドアは必ずその都度、鍵を掛けてから次のドアを開ける事。・・・トム・クルーズが惚れ込んだ,スペインの若き映画監督アレハンドロ・アメナバール。23歳の時に「テシス・次に私が殺される」を発表し,スペインでは大ヒット(この映画もめちゃ面白いです!)そして次に発表した「オープン・ユア・アイズ」は日本でも大ヒット。最近ではトム・クルーズ主演で「バニラ・スカイ」というタイトルでリメイクされましたね。そのアレハンドロ監督が新作を作ると言う事で、名乗りをあげたのがトム・クルーズと当時はまだ、彼の妻だったニコール・キッドマンだったのですね。この映画はいわゆるホラー映画なのですが、最近流行りのスプラッター&バイオレンスとは違い、とてもにハイソでインテリジェンスな映画になっていました。見たくないものを見せ恐がらせるホラーが横行する中、見えない物を観客が想像力をフルに働かせるように仕向ける演出がすごく面白いです。まさに、古典的なゴシックホラーのノリですね。主演のニコール・キッドマンは本当に美しいです。今回はグレース・ケリーを意識したのか(役名もグレースだし・・)、彼女を髣髴させる佇まい。恐怖の演技も最高でした。二人の子どもたち、アラキナ・マン&ジェームズ・ベントレーも初映画とは思えない存在感。召使の3人がイギリスの名脇役フィオヌラ・フラナガン、エリック・サイクス、そして「フェリシアの旅」のエレーン・キャシディ。最後のオチは・…,私は好きです。
陽だまりのグラウンド  監督:ブライアン・ロビンス  主演:キアヌ・リーブス、ダイアン・レイン
Hardball  2001年 アメリカ映画
飲んだくれのチンピラ、コナー・オニールは博打で借金を抱え、取り立てに追われる毎日。そこで彼が訪ねたのは幼なじみのエリート,ジミーだった。借金を申し込むコナーに対し、彼が出した条件とは少年野球チームのコーチだった。その仕事と引き換えに週500ドルを支払うという。背に腹は変えられないコナーは渋々その仕事を請け負う。低所得住宅で暮らし、死と隣り合わせの生活を送る少年たちにとって,野球はかけがえのない楽しみ。それを身を持って知るコナーの中で、何かが変わり始めた・・・・。

私評:私はその瞬間だけでも、必要とされる人間になれた・・・・。ダメチームに、ダメコーチが付いて、チームが連勝して・・・。「なんだよ、これじゃ「がんばれベアーズ!」と同じかよ〜」。ところがこの映画はちょっと違うんです。貧しく、そして日々の生活にも不安がいっぱいの子どもたち(それはスラムに住む子供たちのチームだからなんです)が、唯一広々と羽を伸ばせる、そして思いきり打ち込めるのがベースボール・グラウンドの上。だから、子供たちの笑顔は何倍も輝いて見える。しかし、コナーがチームの子供の一人を家に送りに行き、みんながソファーに座らず床に座っているのを見て、その理由を聞くシーンがあるのですが(予告編でもあったかな??)、この辺りはすごくリアルでした。この映画の主役はキアヌだけど、やっぱりメインは子どもたちです。彼らが目一杯の感動をくれました。キアヌ・リーブスって「ギフト」「ウォッチャー」で悪役をやって、この映画でも飲んだくれのチンピラ役なのですが、全然似合わないのは彼が善人顔だからでしょうね。相変わらず演技は下手だね・・・。彼が目を付ける美人先生役がダイアン・レイン。なんか,ますます美しくなったような気がする。最近は母親役とかが多かったけど、こういう役も良いね〜!音楽がまた,良いんです! ヒップ・ホップ調の曲と、がメインです。
折り梅  監督: 松井久子  主演:原田美枝子、吉行和子、トミーズ雅、加藤登紀子
Oriume  2002年 日本映画
一人暮らしの老人、政子は彼女の3男の裕三に引き取られる事になった。しかし、まもなく彼女はアルツハイマーになってしまう。裕三の妻、巴はそんな母親に苛立ちを隠し切れない。そして静かに家族のバランスが崩れて行く。そんな生活の中でも巴はパートタイマーの仕事だけは続けていた。家に縛られる事を嫌っていたからだ。介護の相談員から勧められ、ヘルパーを雇い入れたり、老人ホームの視察に行ったりと、巴は忙しい毎日を送っていた。ところがある日、政子は忽然と姿を消してしまう・・・・・。

私評:この梅、中身は空っぽなのにこんなにきれいに花を咲かせている!まるで,おばあちゃんみたいだね・・・老人問題を取り上げたこの作品を観て,他人事とは思えない人たちもたくさんいる事だと思いました。実際、昨年亡くなった私の祖母と私の母がこんな感じだったので、私も思いの他,この映画に没頭してしまった。ウチの場合も,母は何度も看病に音を上げそうになり、その都度キレていたけど、祖母が死んだとき一番泣いたのは母だった。この映画の政子も自分が姑ゆえに巴に心から頼れない。でも、自分の弱い所も、恐れている事もすべて見せて心を通わせたかったんですね。昔のように大家族であれば、家族のみんなが老人をケアーする事ができたけど、今のこのご時世では本当に難しいですよね。この映画のキーワードである「梅」は、すごく強い木で生け花で枝を折り曲げても花を付けているという。(これを折り梅というのだそうです)それは梅という字が持つ、母の強さでもあるのですね。そして幹が空洞になってもきれいな花をたくさんつけるのです。母と嫁を演じるのは吉池和子と原田美枝子。二人は本当の母娘のようでした。苦労をし続けて,母の心情にどうやって辿りつくかがこの映画の見所です。夫役は関西弁を使わないトミーズ雅。脇役も加藤登紀子、リリィ、金井克子、乾貴美子、岡本麗など、曲者揃いです。主人公たちを自分や自分の家族に置き換えてみた時,果たして私たちはこんなケアーができるのでしょうか?


前回の記事も読んでね〜!



I Love Movieに戻る