3月17日版

 全然映画を見に行けない。 禁断症状を通り越してちょっと、危険区域に突入しています。
 今回は3作品を紹介します。

 クッキー・フォーチュン(Cookie's Fortune)

 1999年 :  アメリカ映画
 監督  : ロバート・アルトマン
 主演  : グレン・クローズ、チャールズ・S・ダットン、ジュリアン・ムーア
       リヴ・タイラー、クリス・オドネルネッド・ビーティ

 亭主に先立たれ、一人暮しをしているクッキー。 離れには無二の親友
 ウィリスが住んでいる。 復活祭を目前に控えたある日、クッキーは死んだ亭主の
 元に旅立つため、静かに引き金を引いた。彼女を発見したのはクッキーの姪のカ
 ミール。クッキーの残したウィリスへの手紙を葬り去ると、一緒にいた妹のコーラに
 「これは殺人事件よ!」と嘘をつく。そして大雑把に強盗事件に見せかけた。
 重要参考人として検挙されたのはウィリス。 偶然街に戻っていたコーラの娘
 エマは、家族同然のウィリスと一緒に牢に入ってしまう始末。平和過ぎる小さな
 街が、にわかにざわめき始めた・・。

 私評:アルトマン監督らしい、シニカルでクールな語り口が心地良い。昔ほどの切れ
 味はないにせよ、毒の効いた演出はまさに、アルトマン節。しかし、グレン・
 クローズほど、憎らしい女が似合う女優も珍しいかも? それゆえに、ラストの
 ジュリアン・ムーア扮する妹のコーラとの駆け引きが最高! ジュリアン・ムーアは
 意志の弱い、ちょっと頭の足りない女性役。彼女は最近色んな映画に出てるけど、
 まったく違う役柄で驚いてしまう。リヴ・タイラーはキャラとイメージがピッタリ
 で、グッドでしたよ。でもこの映画のキーマンは、チャールズ・S・ダットン!!クッキーの親友ウィリス
 役ですが、これがまた良い奴で・・。 この映画の主演は彼なんじゃないかな? なかなかの佳作です。


 親指タイタニック (ThumbTAIANIC)

 1999年 :  アメリカ映画 
 監督  : スティーブ・オーデカーク
 主演  : 親指たち・・

 豪華客船サムタイタニック号の中から女性の肖像画が発見される。テレビのニュースを
 見ていた老女から電話が入り、その絵のモデルは自分だという。そして彼女が語り始め
 た。1912年、親指史上最大にして豪華な客船サムタイタニックの処女航海。彼女は
 船に乗り合わせていたのだった。 親指たちの羨望を一身に集める上流階級。時を
 同じく画家志望のジェイクは指相撲で3等客船のチケットを手に入れる。 そして
 運命の女、ゼラニュームと出会うのだった・・。 同時上映「親指スター・ウォーズ」

 私評:一言で言い表せば、「こんなアホな映画を、よくぞ作ってくれた!!」
 親指にCGで目鼻口をつけ演技させているのですが、その労力たるや・・。
 しかも、パロディーなので全編ギャグのオンパレード。有名過ぎる2作のパロ
 ディーだけに、めっちゃ笑えること請け合い!! タイタニックのオチは
 イマイチだったかな?? 2つ合わせても1時間に満たないので。お気軽に
 見れます。料金1500円は高いか?安いか? 興味のある方だけご覧ください。
 「タイタニック」のテーマ曲「私の心は親指」は笑った〜。 こう言うアホな映画は
 大好き!

 アメリカン・ビューティー(American Beauty) 

 1999年 :  アメリカ映画 
 監督  : サム・メンデス
 主演  : ケビン・スペイシー、アネット・ベニング、ソーラ・バーチ

 アメリカ郊外の新興住宅地。そこに住むレスターは中年のサラリーマン。日々の暮らしに
 情熱が失せ、妻にも娘にも評判が悪い。しかし、ある日娘のチアガール姿を見に出かけた
 彼はまさに運命の女神と出会う。それは娘の友人。その日から、彼の中の何かが吹っ飛ん
 だ。今までくすぶっていた、心の中の何かが目を覚ましたのだ。今まで続けてきた我慢が
 嘘のように軽やかで楽しい毎日が続く。しかし、不動産ブローカーの妻はライバルである、
 他社の男と不倫の燃え、スパーク寸前。 娘は隣に越してきたストーカーまがいの男に、
 惹かれていく。それぞれの家族が、それぞれ新しい「何か」を見つけ、それぞれの道を
 めざし動き始めた。 しかし、残酷な運命が誰かに降り注ぐ・・。

 私評:すごく身近な話題なんです。誰にでも起きうる日常なんです。情熱が、違う方向に
 邁進することってありますよね。周りから見たら「なんだ?」と思えるようなことでも、
 信じられないくらいのパワーが出る。 この映画はそれぞれ、まったく違う方向にベクトル
 が向いてしまった家族の悲喜劇です。この映画のところどころに、散りばめられた美しい
 シーンも「ビューティー」だけど、本当のこの映画が伝えたい「ビューティー」を探して
 みてください。 人ぞれぞれ、捕らえ方が違うと思う。 私の感じた「ビューティー」は心の至福です。主人公の
 レスターのように日常に飽き飽きし、のんべんだらりと暮している人は多いと思う。そんな中で目標を持ち、それに
 向って行動する事によって得られた満足感。 これぞ、至福の幸せ。 この映画の後半のケビン・スペイシーの顔の
 輝きはどうだ! また、本当に好きになれる男を見つけ、心を解き放った娘ジェーンの顔はどうだった? 彼女の友達
 アンジェラが、心に溜めていた悩みを吐き出したあとの顔は? まさに、ビューティー!! 本当に美しい。
 人生を美しく生きよう!!! この映画のA・ベニングスは最高でした。 超お勧め作品です。


 


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