2004/3/14

やっぱりホラー映画が好きな私。イチ押しはこれしかないでしょう!!

テキサス・チェーンソー  監督:マーカス・ニスペル  出演:ジェシカ・ビール、エリカ・リーセン
The Texas Chainsaw Massacre  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1973年、8月18日。若い男女5人を乗せたバンがテキサスの田舎町を疾走していた。彼らはメキシコで行われるコンサートに行くのが目的だった。すると、突然砂煙の中に一人の女性が呆然と道を歩いていた。危うく彼女を轢きそうになった彼らは、あまりに異常な彼女を放っておけず、車に同乗させた。しかし、それが間違いの第一歩だった。その女性は血だらけに股間から銃を抜き出すと、銃口を口にくわえ引き金を引いたのだ。血だらけの車内は一時騒然とする。そして彼らは意を決して彼女を警察に引き渡す事にした。近くのBBQの店のアヤシイ女性が保安官に電話をしたが、その死体を近くの保安官の家まで届けることに。しかし、そこには保安官はおらず近くにいた少年の案内で近くの家に電話を借りに。しかし、その家に踏み込んだ途端、とてつもない大男が青年の背後から一撃を喰らわせた。一方、家で待っていた3人の元に、やっと保安官が到着する。しかし・・・
私評:頼む・・・殺してくれ・・・・この話は実話を元に作られている。しかし、こんな恐ろしい事件が実際にあったなんて・・。ご存知の方も多いでしょうが、この映画は1974年に作られたホラー映画の傑作中の傑作「悪魔のいけにえ」のリメイクです。(原題はどちらも同じ)中学生だった私は。この映画を見て何度もチビリそうになった。そしてその傑作がリメイクされるとあって、期待と不安が入り混じった気持ちで映画を見に行ったのですが、これが良い仕上がりになっています。前作のまるっきり真似では芸がないけど、オリジナルの良さを引き出して欲しいという、オリジナル映画のファンの私の気持ちを察してか、どちらの欲求も満たしてくれた。でも、この映画はとにかく映画館の大音響で見なければ、何の意味もない。そして前作よりはるかに上回るスプラッターシーンの数々・・。まさにこの映画は映像と音響でガンガン押しまくるホラー映画なのです。私はかなり好きな映画です。あ!そういえば、私の携帯の着メロをチェーンソーの音にしたのですが、分かりづらいので元に戻しました(笑)。
東京原発  監督:山川元  出演:役所広司、段田安則、吉田日出子
 2002年 日本映画
今週のイチ押し:ワンマンでカリスマ的な人気を誇る都知事天馬によって、都の職員の招集がかけられた。呼ばれたのは副都知事、産業労働局長、政策報道室長、都市計画局長、財務局長、そして環境局長の6人。会議の場での知事の提案に6人は耳を疑った。なんと原子力発電所を東京、しかも都庁のまん前に誘致するというのだ。天馬は国からの補助、買収費用や送電線の費用の削減などによる膨大な金額の経済効果と、廃熱を利用したエネルギーの有効利用等を掲げた。突拍子もないアイデアではあるものの、理路整然と語る都知事のアイデアに一同は返す言葉もない。しかし、納得のいかない副知事は物理学の権威を招集し、原子力発電所の危険性を提示させる。その頃フランスから極秘に運ばれてきたプルトニウム燃料が反対派の講義を避けるため、なんとお台場の港に到着する。しかも、その燃料はトラックで一般道を使い福井へと運ばれよとしていた。その情報を入手した一人の少年がいた。実は彼は爆弾マニアだったのだ・・・・。
私評:そんなヤツは電気を使うな!・・・・最高に面白い映画でした。原子力発電について徹底的にリサーチを入れた穴のないシナリオ。そして役所広司と日本が誇る名脇役たちが、笑いをふんだんに盛り込みながら実に楽しいドラマに仕立て上げています。映画の大半は都庁の会議室の中の話なのですが、この会話のやり取りが最高です。しかし、都知事が掲げる理想と実際に日本各地に52基も実在する原発が抱える問題は実際にわが国が抱える大きな問題でもあるのです。そういった題材を真っ向から掲げながらも、しっかり映画としてのエンターテイメントとして確立できているところがすごい。主演は日本映画の顔になりつつある役所広司。副知事役は段田安則、その他の都の職員に平田満、田山涼成、菅原大吉、岸部一徳、吉田日出子、都知事の秘書に徳井優、物理学者は綾田俊樹、原子力安全委員に益岡徹、そしてアルコール依存症のトラック運転手は塩見三省という名優が集った!これは面白いですよ!!
25時  監督 :スパイク・リー  出演:エドワード・ノートン、フィリップ・シーモア・ホフマン
25th Hour  2002年 アメリカ映画
ニューヨークで過ごすモンティにとっての、最後の24時間が始まろうとしている。彼は麻薬で大金を稼いでいた。しかし、恋人のナチュレルとの入浴中、麻薬捜査官がいきなり部屋に踏み込んできた。あっという間にブツは発見され、もうモンティには逃げ道はなかった。そして24時間後には刑務所に入れられるのだ。それはまさに彼にとって人生最後の日だった。早朝から愛犬のドイルと散歩に出たモンティ。家に帰るとそこではナチュレルが彼を待っていた。必死に彼を慰めるナチュレル。しかし、モンティの中でひとつの疑惑が芽を出していた。「密告したのはナチュレルではないか??」そして夜は親友のジェイコブとフランシスを呼び、最後のパーティを開始する。しかし、モンティにはまだやり遂げなければならないことがあった。愛犬の預け先、本当に密告者はナチュレルなのか?ロシア人マフィアとの関係の清算・・・。人生をどぶに捨てた自分自身の腹を立て、そして嘆きながらも刻々と時間は過ぎていく・・・・
私評:たとえ、ジェット機がもう1機、つっ込んできてもここはどかないぜ。高い金払ってるんだから・・・。スパイク・リーの映画はアブナイセリフのオンパレードだ。このセリフもバリー・ペッパー演じるフランシスが住む部屋から見える2001年9月11日のテロの跡地を見下ろしながら言うセリフ。まあ、よく公開できたな〜と逆に感心してしまう。元々、黒人の立場から人種差別を(皮肉たっぷりに)叫ぶ映画を撮っていたスパイク・リーが、エドワード・ノートン、フィリップ・シーモア・ホフマン、バリー・ペッパーという白人の演技派を使って、自らのバカさに呆れながらも過去を悔い、絶望に打ちひしがれる男とその周りのドラマを作り上げた。しかし、世間への不平不満が出てくる出てくる・・・。この監督は日頃からこんな事ばかり考えているんだろうね。中でもすごいのが父親の店のトイレで鏡の中の自分が、心に仕舞いこんだ不平不満をドバーっと喋りまくるところ。エドワード・ノートンの演技がすごいのか、それとも日頃からニューヨーカーに不平不満を抱いているスパイク・リーがおかしいのか??見ていて腹が立ってくる。これって映画という媒体を使った暴力だと思った。そしてドラマは後半に差し掛かり、盛り上がりを見せてくる。そして最後の夜が明けたとき、モンティが友人に課した最後の願いとは・・??主演の3人はとにかく良いです。エドワード・ノートンを向こうに廻してもいっこうに引けをとらないフィリップとバリーには感動しましたね。そしてなんだかすごくブスになったような気がするアンナ・パキンと美しさに磨きがかかったロザリオ・ドースンも対照的で良かったです。
ペイチェック 消された記憶  監督 :ジョン・ウー  出演:ベン・アフレック、アーロン・エッカート
Paycheck  2003年 アメリカ映画
近未来のアメリカ。高度にセキュリティーが発達した社会で、企業の秘密の仕事に携わったものは、その仕事をしている間の記憶を消す事が当たり前になっていた。マイケルはそんなリスクを負いながらも企業を渡り歩く優秀なエンジニアだった。しかし、次に巡ってきた仕事は今までとは規模が違う。報酬は100億ドル、そして雇用期間は3年。悩んだ挙句仕事を引き受けることにしたマイケル。そして3年後。彼は3年間の記憶を消去された状態で目を覚ます。勇んで褒賞を受け取りにいったマイケルの手元に来たものは、19個のガラクタ。そして報奨金となるその企業の株は、マイケル自身が放棄していたのだ。19個のガラクタは実はマイケル自身が自分に送ったものだった。しかし、彼は企業とFBIの両方から追われる身となる。一体自分が何をしたのか??一つ一つ記憶を手繰り寄せ、マイケルは事件の核心に迫っていく・・・・・
私評:僕の好きな野球チームは??・・・・ジョン・ウー監督、久々の作品ですよね。今回もジョン・ウー・テイストがぷんぷん漂う極上のアクション映画でした。もちろん、お約束の白い鳩も、飛びます!飛びます!!(笑)銃撃戦の迫力、そしてM:I2を髣髴させるバイクと車のチェイスとアクションの見所も多いのですが、今回は謎解きもなかなか面白かったです。それもそのはず、原作は「ブレードランナー」のフィリップ・K・ディック。最後にどんなどんでん返しが待っているかは、書きたくても書けません・・。主演は相変わらず顔がデカイ、ベン・アフレック。デア・デビルばりの格闘アクションはもちろん、バイクシーンも大半はスタントなしで演じているらしい。そしてヒロインは「キル・ビル」でアクションシーンはお墨付きのユマ・サーマン。この映画でもベンを助けるため大活躍します。悪のボスはアーロン・エッカート。今まで良い人ってイメージがあったのですが、今回はベンを虐めまくり〜!そしてマイケルの友人、ショーティ役はポール・ジアマッティ。彼も実に良い味を出してまいす。見終わった後はスッキリ爽快のアクション映画です!!
ヘブン・アンド・アース  監督:フー・ピン  出演:チアン・ウェン、中井貴一、ヴィッキー・チャオ
天地英雄  2003年 中国映画
紀元700年ごろの中国。唐王朝は領土拡大に燃えていた。しかし、西域のトルコ系遊牧民は彼らにとって脅威だった。西域警備の最前線の町にやってきた一人の男。彼の名は栗栖旅人。日本からの遣唐使の一人で、この国で25年に渡り文武を学び、今では皇帝直属の刺客となっていた。そんな彼に帰国の許可が出た。しかし、ある条件が・・。それは命令に背き逆賊となった元軍人、李の殺害だった。李と彼の部下たちはシルクロードの証人たちの護衛をしながら人目を避けて生きてきた。しかし、ついには発見されてしまう。李は家族を持った部下たちを残し、ひとりで砂漠へと去っていった。そんな時、天竺から唐の皇帝へと献上する大キャラバン隊がシルクロードを旅していた。しかし、彼らは砂嵐に襲われ、生き残ったのは若い僧侶と護衛兵がひとりだけ。同じ砂嵐に襲われ瀕死の李は彼らに救われ、シルクロードの旅の護衛を買って出た。しかし、李を追って栗栖がやってくる。激しい死闘を繰り広げるがキャラバンの荷物の内容を知り、栗栖はこの旅の終わりまで待つ事を快諾するが・・・・・・
私評:長剣は攻めるため、短剣は防御。しかし、・・・・・中国映画の凄さ。それは自然の姿をカメラに納めるだけで、凄まじい迫力の映像になること。水墨画のような山間の景色はもちろん、この映画のような広大な砂漠も絵になるんですね。しかも、まさにこの時代は東西貿易が盛んに行われ、東西の商人はまさにこの砂漠を旅していたのだから驚きです。それは「絹の道」であると同時に「死のロード」でもあったはず。この映画の撮影のほとんどは砂漠でのロケ。しかし、熱いというイメージがある砂漠でみんな白い息を吐きながらの熱演。スタジオのセットではありえないロケならではのシーンですね。そしてこの映画の見所はトルコ遊牧民とキャラバン隊の壮絶な戦いのシーンでしょう。このシーンも特撮はあまり多く用いず、迫力満点の演出!そして戦いの中で散っていく男たち。(私はこういう演出にはめっぽう弱いんです・・)良かったです。ところが、最後の最後で変な特撮シーンをはさんで、映画は突拍子もないエンディングを迎えます。せっかく盛り上がった気持ちに水を差すような展開に、いささかガッカリ・・。まあ、仕方ないか?主演は「鬼が来た」のチアン・ウェン、ヴィッキー・チャオ、そして日本から中井貴一。演技人もしっかりしているので見応えがありました!!
イノセンス  監督 :押井守  声の出演:大塚明夫、山寺宏一、田中敦子
Innocence  2004年 日本映画
近未来。人とサイボーグ、そしてロボットが共存する社会。そんな中で愛玩用に作られたロボットが暴走を開始する。所有者を殺害したあと、自からも壊れ電脳に何も残さない巧みな事件が連続して起きたのだ。テロの可能性を示唆した公安9課の荒巻は事件捜査の命令を下した。サイボーグのバトーは相棒のトグサと行動を開始。少女型アンドロイド、ガイノイドは暴力団の組長まで殺害し、暴力団はガイノイドの出荷検査官に報復。思わぬところから秩序が乱れ始める。ガイノイドを開発したロクス・ソルス社が事件の黒幕なのか?そんな時、バトーは何者かにハッキングされ、我を忘れ暴走してしまう。公安9課の存続問題にまで発展しそうな事態だったが荒巻はバトーに「組織的援助」なしの捜査を続行させる。そしてバトーとトグサはロクス・ソルス社へと侵入する・・・・
私評:「人間は何故こうまでして人間の似姿を作りたがるのか」・・・・今や世界的に有名になった日本のアニメ。そしてそのアニメ界を牽引する一人が、この押井守だ。前作の「ゴースト・イン・ザ・シェル 甲殻機動隊」で世界的に認められ、この「イノセンス」もドリームワークスによって世界配給が決まっている。彼の作品は「ディープ」だ。まずは、実写以上にどこまでも見える映像。もう、アニメと実写の境がほとんどなくなってきた。とにかくこの深い映像は実際に見て体験して欲しい。そして哲学的なドラマ。正直言って、私は苦手です。なぜ、こんなかったるい展開にしてしまうのだろう・・。アニメなんだからもっと、全編スピーディであって欲しい。実写とは一線を画して欲しい。それが私の希望。実は「甲殻機動隊」も苦手な私は、押井監督作品を2つ連続で外してしまったんです。で
も、これはあくまでも私の感性とこの映画が合わなかったからなんですよ。押井監督の作品は「パトレイバー」がいちばん面白かったな〜・・・。それにしてバトーの声を担当している大塚明夫は最高!!そして伊藤君子が歌う主題歌「Follow Me」も最高!!


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