2001/3/12号

今週は色んな種類の映画を見ましたが、私はやっぱりこの映画をイチ押しにしたい!
でも、どれも楽しめる映画でした。 新しい映画がドンドン始まるので追いかけるのに必死です・・・。

ハイ・フィデリティ  監督 : スティーブン・フリアーズ  主演:ジョン・キューザック、イーベン・ヤイレ
High Fidelity  2000年 アメリカ映画
今週のイチ押し作品!:中古レコード店のオーナーロブは同棲していた恋人ローラが出ていってしまい、ちょっと荒れ気味。過去の失恋のトップ5には入らないといきがって見せたが、イライラは募るばかり。しかも、彼の店のふたりの従業員が、彼の神経を逆撫でするし・・。そこで彼は過去の恋を振り返り、昔の恋人に会って自分と別れた理由を問い詰めてみた。しかし最終的に気付いたのは彼の頭の中はローラの事でいっぱいだと言うこと。 過去の恋人たちと会って、どれだけローラが素晴らしいかを再確認したのだが・・。 

私評:このパンフレットがまたおしゃれなんだ。レコ−ドのシングル版仕様になっていて、中に解説が入っています。 ジョン・キューザックって、こう言うダメ男をやらせたら天下一品ですね。 今回も惨めなダメ男を好演。 でも、私も彼の惨めさが手に取るように理解できて・・・(苦笑)。 出きる事なら、世の女性には見せたくない〜! そう、私ってこんな男かも?? 彼の過去の恋人たちのキャサリン・ゼタ・ジョーンズとリリ・テイラーが、なんだか役とピッタリって感じでした。(いかにも中身が空っぽって感じの女) この映画のもう一つの楽しみは70年代のヒット曲。かなりの数のヒット曲を映画の中で聴くことができます。これらの曲を知っていると、より一層この映画を楽しめるでしょう。映画の中では実に70曲以上が使われているのですが、サントラにはその半分も入っていませんでした・・。(涙) 友情出演の超・大物シンガーも要チェックですよ。また、この映画の中でジョン&ジョーン姉弟が共演しています。友達の設定なのですが、やっぱりこの姉弟は良く似てますね。店員の一人ジャック・ブラックがスゴイインパクトでしたよ〜。 彼のラストのステージシーンは、ビックリ! なんだか身につまされながらも、めっちゃ楽しめた映画です。 この映画を見た男性諸氏とじっくり語ってみたいものです。 しかし、主人公のレコードコレクションの量に、ただただ唖然・・・。 私ならではのイチ押し作品かも??

プルーフ・オブ・ライフ  監督:テイラー・ハックフォード  主演:メグ・ライアン、ラッセル・クロウ、デヴィッド・モース
Proof Of Life  2000年 アメリカ映画
私評:ハリウッドを騒がせた噂の二人の共演・・。南米の町テカラでダムの設計に携わるピーターが反政府軍によって誘拐された。この事件を担当する事になったのはプロの交渉人テリー。しかし、ピーターの会社は経営危機のため誘拐保険を解約していた。悲しみに暮れるピーターの妻アリス。しかし、テリーは単身、人質奪回の交渉を続けることに。そしていつしかアリスに想いを寄せてしまう・・。夫の命を救うために雇った男に惚れてしまうと言う、なんとも勝手な女!と思って見ていたいのですが、ラッセル・クロウなら惚れて当然かも? 今回もクールでしかも強い男を演じ、(ちょっとグラディエーターと被った)しかも、自分のなすべき仕事とアリスへの想いの間で揺れ動くというおまけまで付けて・・カッコイイぜ〜! それに引き替えこの映画のメグは全然冴えなかった。ラッセルと人質の夫デビッド・モースが良すぎたからかもしれない。映画の見所は最初の部分でデヴィッド・モースが誘拐されるシーンと後半の彼の救出シーン! 迫力満点でした。ラッセル演じるテリーが勤めるK&Rって本当にあるのでしょうか??この映画の監督テイラー・ハックフォードと言えば、「愛と青春の旅立ち」「ラ・バンバ」「ホワイト・ナイツ」と80年代前半にヒット作を連発した監督。 なんだか久しぶりに彼の名前を聞いたような気がした。ラッセル・クロウのファンはめちゃ楽しめる映画でしょう!
スナッチ  監督:ガイ・リッチー  主演:ブラッド・ピット、アラン・フォード、ジェイソン・ステイサム
Snatch  2000年 アメリカ映画
私評:ハリウッドのルールは忘れろ!ロンドンの暗黒街で生きる男たちターキッシュとトミーはボクシングのプロモーター。新しいトレーラーを買うためトミーに大金を渡したが、流浪民キャンプ地を訪ねたトミーは不良品のトレ―ラーを掴まされ、しかも試合を数日後に控えたボクサーはノックアウトされてしまう。 時を同じくしてラビに変装した強盗団が86カラットのダイヤを強奪した。そして次から次へとこのダイヤに群がってくるワルたち。果たして最後に笑うのは誰か・・・??ガイ・リッチーと言えば、一昨年の「ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」を大ヒットさせたイギリス映画界の風雲児。あのマドンナのハートも盗んだ(映画の中でもしっかり、マドンナの「Lucky Star」が使われていた)男。 映画の中ではダイヤに男が群がってきたが実際の世界ではガイの元に面白い男たちが続々と集まった。左の写真の誰もが主役と言ってもおかしくない映画です。でも、なんと言ってもインパクトがあるのはブラピ。汚ねー格好をしても様になるんだ〜。そしてケント・デリカットみたいなメガネを掛けたアラン・フォード、あまり登場しないのに扱いがデカイ!ベネシオ・デル・トロ、ロック・ストック・・でもインパクトが強かったビニー・ジョーンズ&ジェイソン・ステイサム・・・。 とにかく、この映画に女性はほとんど登場しない。 めっちゃ男臭い映画だ。 そして前作同様、めちゃくちゃな展開をスゴイスピードで最後まで引っ張って行ってしまう。 気を抜いたら話がどんどん先に行ってしまいわからなくなってしまうかも?? そのためにも、動体視力を鍛えておけ! 面白かったです〜! 
タイタンズを忘れない  監督:ポアズ・イェーキン  主演:デンゼル・ワシントン、ウィル・パットン、キップ・パルデュー
Remember the Titans  2000年 アメリカ映画
私評:クリントンもお薦め! バージニア州アレキサンドリア。公民権運動で人種の壁は取り払われたはずだったが、こんな田舎町ではまだまだ差別が残っていた。そして初めて白人と黒人の高校が統合され、アメリカンフットボール部「タイタンズ」も統合された。ヘッドコーチに就任したのは黒人のブーン、そして今までヘッドコーチだった白人のビルはアシスタントコーチに甘んじる事に。そしてついにチームは動き始めた。白人と黒人の諍いが絶えないチームを何とか一つにしようと、ブーンはある策を与えた・・・。そして奇跡は起こった・・。スポーツを通じて築かれる友情は肌の色を超えて固い絆となって行った。スポーツ映画はたくさん感動をくれるけど、この映画は”実話”だけに何倍もの感動をもらった。トレーニングのシーンからリアルで迫力満点。 それゆえ、試合のシーンで説得力があるんです。昨年の「リプレイスメント」は(私は大好きだけど)、やっぱり映画用に思いきり話を誇張しているし、嘘クサイけどこの映画はそんなことは微塵も感じさせない。 デンゼル・ワシントンはやっぱり良いですね〜。そして白人コーチ役のウィル・パットンがまた良いんだ〜。 彼とデンゼルのアンサンブルも、この映画の見所の一つです。 ビルの娘役の子が印象的だった。実在の彼女のこの映画には語られていないストーリーを、映画の後に聞いて胸が締めつけられた。 (これはネタバレかもしれないので、ここには書きません。)ただのハッピーなだけの映画ではなく、人生の皮肉、そして悲劇もたっぷり語られています。 ラストの試合、客席で起こる感動は忘れることが出来ません。もう一つ、この映画の音楽は私の大好きなプログレ・バンド”YES”のトレバー・ラビン! 音楽も要チェックですよ!!
小説家を見つけたら  監督:ガス・ヴァン・サント  主演:ショーン・コネリー、ロブ・ブラウン、アンナ・パキン
Finding Forrester  2000年 アメリカ映画
私評: 見終わったあとが本当に清々しい・・・・。バスケットボールが大好きな16歳の黒人少年ジャマール。彼にはもう一つの特技があった。それは文章を書くこと。 ある日、彼は謎の老人の家に侵入し創作ノートを部屋に置いてきてしまう。翌日、窓から彼に向けて投げ返されたノートには、赤字で数々のアドバイスが。実は老人は過去に一度、ピューリッツア賞を受賞した後、姿を消してしまった作家だった。 ふたりを交流を始めるが・・・。外界との交流を断ち、残り少ない人生を一人静かに過ごしていた老人作家と、これから真の人生を歩き始めようとする少年という、対極のふたりが次第に心を重ね合わせていく展開が素晴らしいです。老人が持つ経験、知識。 そして少年が持つ情熱と勇気。 まさにギブ・アンド・テイク。 この展開は同監督の「グッド・ウィル・ハンティング」のマット・デイモンとロビン・ウィリアムスの交流に似ている。物語自体には大きな起伏はなく、淡々としているですが、主人公のふたりの人柄に惹かれどんどん映画に引き込まれてしまった。 ショーン・コネリーと(これが映画初出演とは思えない!)ロブ・ブラウンのコンビは最高。 ロブはあの名優と互角に渡り合ってました。そして憎まれ役が、F・マーレイ・エイブラハム。 彼はどうしても「アマデウス」のサリエリのイメージが強くて・・(苦笑)。そして紅一点は最近、スクリーンで良く見るアンナ・パキン。 彼女はどの映画でも脇役に徹していて、それが私的には好感が持てます。エンド・クレジットで流れる「オーバーザ・レインボウ」は、知らない世界へポーンと投げ出され(エリート学校や白人の社会)手探りで歩いていた少年を、まさに「オズの魔法使い」のドロシーに例えたのでしょう。そして次に流れる「What a Wonderful World」はふたりが最終的に見出した答えなんでしょうね。 いや、良い映画でした。 
ハンニバル  監督:リドリー・スコット  主演:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア
Hannibal  2001年 アメリカ映画
私評: Hello Claris. Oh, goody goody goody・・・。イタリアはフィレンツェ。 地元の刑事パッツィは行方不明の司書の替わりを勤めるフェル博士と10年前に忽然と姿を消した、ハンニバル・レクターが同一人物ではないかという疑問を抱く。彼の情報料に惹かれ、独自に調査を開始するが・・。その頃、アメリカのクラリス・スターリングの元にレクターから手紙が届く。そして彼女もレクターを追い調査を開始する。しかし、彼らの後ろで大富豪メイスンがレクターへの復讐の機会を狙っていた。実は彼はレクターによって顔の皮を剥ぎ取られた過去を持っていた・・。 この映画への期待度と言ったら、普通の映画を100とすれば、この映画は200以上でした。また、それくらいの期待の応えてくれる作品だと信じてましたが・・、ちょっと物足りなかった。 もちろん、この映画を単体で考えればけっこうおもしろい映画だと思うのですが、前作「羊たちの沈黙」でハンニバル・レクターの世界を垣間見て、驚愕した私には「ハンニバル」は”ただの面白い映画レベルでは許されない作品”なのです。 それゆえに評価もかなりシビアです。 予告編も見せすぎって感が・・・・。 しかし、アンソニー・ホプキンスはやっぱりすごい。本当に人を食うのでは?と思うほど、無気味でしかも頭が切れて・・・。 クラリス役のジュリアン・ムーアもすごく良かったのですが、やっぱりこの役はジョディ・フォスターにやって欲しかったと言うのが本音です。 そしていつもながらめっちゃ憎らしい男をレイ・リオッタがいつもの如く怪演。 ラストはちょっとかわいそうだったけど・・。そしてオープニングのクレジットには名前が出ず、エンドクレジットでは3番目に名前が出る、知る人ぞ知る曲者役者にもご注目を。 きっと、エー!と驚くはず。 


前回の記事も読んでね〜!



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