2003/3/10号

今週もいっぱい見た〜。完成披露試写会に2回も行けて
得した気分・・。

抱擁  監督 :ニール・ラビュート  出演:グウィネス・パルトロウ、アーロン・エックハート
Possession  2002年  アメリカ映画
今週のイチ押し:新進米国人文学者ローランド・ミッチェルは偶然、ロンドン図書館で約150年前の英国ビクトリア朝時代に活躍した詩人R・H・アッシュの手紙を発見する。それは、愛妻家として知られるアッシュが、妻以外の女性に宛てた熱烈な恋文だった。彼が恋文を送った相手を同時代の女流詩人C・ラモットだと感じたローランドは、ラモット研究者である英国人文学者モード・ベイリーに協力を依頼する。150年前の情熱的でロマンティックな手紙に秘められた"想い"と"謎"を確かめるべく、2人はヨーロッパ各国を巡る。そして、著名な詩人同士の許されない愛が少しずつ明らかになる中、モードとローランドの間にも"ある感情"が芽生え始める・・・
私評:覚悟を決めて、明日の正午教会で待ちます・・・・「英国人女性最高の知性」と評されるA・S・バイアットがブッカー賞に輝くミステリー・タッチのラブ・ロマンスの映画化。19世紀のインテリジェンスな二人の激しい愛は本能よりも理性が勝り、やがては距離を開けていくのです。あれだけの愛情を抱えながらも、別れを選んだ二人。その姿はあまりに悲しく、そして美しかったです。過去の男女と、そんな2人の"想い"を追い続けることで愛を発見していく現代の男女。私はラブ・ロマンスはあまり得意ではないのですが、この映画が描き出す過去と現代の不思議な結びつき、そしてそこに生まれるそれぞれの愛の形には、なんとも胸が熱くなる思いでした。主演は映画だと本当に華があるグウィネス・パルトロウ。今回はラモットの研究をしているインテリな女性役。そしてローランドを演じるのは「エリン・ブロコヴィッチ」のアーロン・エックハート、そして19世紀を代表する詩人アッシュを演じるのがジェレミー・ノーザム、そしてラモットを演じるのは「太陽の雫」の演技が素晴らしかったジェニファー・エール。この主演の4人が4人とも素晴らしかったです。そしてラストは・・・悲しくてため息が出ました・・・。
ブラッディ・マロリー  監督:ジュリアン・マニア  出演:オリヴィア・ボナミー、ジェフ・リヴィエ
Bloody Mallory  2002年 フランス映画
幸せいっぱいの結婚式の晩に、自分の夫がバンパイアである事を知った花嫁マロリー。彼女は斧を振り上げ彼を葬り去った。その日から彼女は、一生あると戦い続ける決心をする。そして現在、彼女は世界で魔物・悪霊を狩る「超常現象特別部隊」のリーダーとなっていた。メンバーは爆発物専門家のヴェナと超能力少女トーキング・ティナ。そんなある日、ローマの教皇が誘拐される。マロリーたちは犯人を悪魔崇拝の教団アバドンと睨み、アジトへと向かう。以前に、村人が全員行方不明になったという曰くつきの村では数々の敵が彼らを待っていた。そしてついにマロリーの銃が火を噴く・・・・
私評:ルールは私が決める!・・・めちゃめちゃパンクで、シュールでサイケでハイテンションなフレンチ・ホラー・ムービーが登場。この映画の世界はまさにアニメの世界なのです。セクシーなヒロインが食人鬼をバンパイアをそしてとんでもない事を企む、謎の一味をバッタバッタとなぎ倒していきます。しかも、めちゃ笑える!!とにかくぶっちぎりの90分間でした。映像も遊び心がいっぱいで、思わず「おー!」と声を上げてしまった。これは新感覚のホラー映画ですね。監督は日本の「マンガ」が大好きだというジュリアン・マニア。そんな監督の趣味が私にはめちゃ気持ちよかったです。主演のマロリーを演じるオリヴィア嬢が、カッコよくてセクシーでポイントが高いです。そして悪の軍団も個性的な面々が続々と登場。しかも、音楽は日本の「リング」「仄暗い水の底から」の音楽を担当した川井憲次。彼のテクノっぽい音楽が、この映画のテンションに一層の迫力を加えています。ホラーファンでなくても必見の面白さ。しかし、この映画の「おバカさ」に引いちゃう人もいるかもね・・・??
星に願いを  監督:冨樫森  出演:竹内結子、吉沢悠、高橋和也、國村隼、
Night Of The Shooting Star  2002年 日本映画
函館の病院で看護婦をしている奏は元気いっぱいの女性。彼女の担当する患者の中に3年前の交通事故で失明し、しかも声も失った青年、笙吾がいた。生きる希望まで失っていた彼を立ち直らせたのは奏の優しい中にも厳しい介護があったからだ。そんな二人はいつしか特別な感情を抱き合っていた。しかし、笙吾はふたたび車に跳ねられ、今度は帰らぬ人になってしまう。奏はただ、泣き崩れるだけだった。市電の中で目を覚ました笙吾に誰かが声を掛けた。なんと、天に召されるまでの数日間、彼は別の人としてこの世に残れるという。しかも、まったく別の人間として。そしてその事は誰のも知られてはいけないと釘を刺される。思い残した彼の気持ちを奏に伝えようとするのだが・・・・・・・。
私評:会いたいよー!!・・・この映画は香港映画「星願」のリメイクです。オリジナルが良かっただけに一抹の不安もあったのですが、リメイク版もなかなか良かったです。と言うのも、主演の竹内結子と吉沢悠の二人の演技が素晴らしかったからですね。特に竹内結子は本当に素晴らしかった。先日見た「黄泉がえり」といい、この映画といい、今私の中で竹内結子のポイントは急上昇中です。監督は「非・バランス」の冨樫森。今回の物語の舞台となる函館の良さを十二分に引き出していました。監督の言葉を借りれば「函館山に登ると夜景が星のように見える。そして空にも星があるので、両方の星に挟まれた町。だからこんな奇跡が起きてもおかしくない雰囲気を持っている」。映像を見れば監督の言葉にきっと納得できますよ。そして脇役の高橋和也、國村隼、そして妊婦役の牧瀬里穂、DJ役の伊藤裕子らがこの映画をしっかりサポートします。面白かった!
デアデビル  監督:マーク・スティーブン・ジョンソン  出演:ベン・アフレック、ジェニファー・ガーナー
Deredevil  2003年 アメリカ映画
ニューヨークのマンハッタン。マットは元ボクサーの父親と二人暮し。父親想いのマットはある日、そんな父が恐喝をしているところを見てしまう。ショックでその場から逃げ出したマットは運悪く、運搬中の劇薬が目に掛かり失明してしまう。しかし、マットは視覚を失った代わりに残りの感覚が異常に鋭くなり、超感覚レーダーセンスも体得する。そんなマットを見て父親も改心し、ボクサーとして復帰を誓う。しかし、父は八百長試合を断ったため殺されてしまう。その死体には赤いバラが一輪。月日は流れ、マットは盲目の弁護士として名を馳せる。しかし、一時スーツを脱ぐと彼は正義の使者「デア・デビル」として悪党どもを片付けていたのだ。そんな時、マットは海運王の娘、エレクトラと出会い二人は恋に落ちる・・・。・・・・・。
私評:ブルズ・アイ!!(大当たり!!)・・・。 アメリカン・コミックの有名キャラの一人デア・デビルが満を持してスクリーンに登場した。盲目のヒーローがNYに暗躍する悪を叩きのめす、痛快なお話です。しかし、どうも捻りがひとつ足りないような気がするんですよね。アクション・シーンもあまり目新しいシーンはないし・・。主演のマット=デア・デビルを演じるのはハリウッドの超売れっ子ベン・アフレック。彼はどうも顔がバカっぽく見えるので(ベンのファンの皆様ごめんなさい)、弁護士とかは似合わない。彼はやんちゃ坊主的なキャラが似合うと思うのですが・・・。紅一点のエレクトラを演じるのは「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の予告でもレオに口説かれているジェニファー・ガーナー。彼女もセクシーで良いキャラなのですが、映画の中では良さが出てない・・。しかし、悪者二人が最高です!悪のボス、キング・ピンを演じるのがマイケル・クラーク・ダンカン。相変わらず、のそーっととしたキャラですが、この役はぴったりだった。そしてキング・ピンが雇う殺し屋、ブルズ・アイを演じるのはコリン・ファレル!!このキャスティングはちょっとビックリ。というか彼ってこんなぶっ飛んだ演技もできるんですね。とにかくコミカルで笑わせてくれますよ〜。アメコミでも、固定ファンが多いこの作品。アメリカのヒットも頷けるのですが・・
エニグマ  監督:マイケル・アプテッド  出演:ダグレイ・スコット、ケイト・ウィンスレット
Eniguma  2001年 イギリス映画
1943年、第二次世界大戦の最中、イギリスの暗号解読センターに衝撃が走った。ドイツ軍の誇る暗号装置「エニグマ」の暗号コードが突然変更されたのだ。当時のイギリスの頭脳の粋を集め、ようやく解読された暗号だというのに・・。また、折も悪くその時連合国側の船団141隻が、物資を輸送のために大西洋を横断していた。このまま暗号が解読できず、Uボートの位置を把握できなければ、この船はすべて撃沈されてしまう。そして解読チームに恋人との別れから神経衰弱になった数学の天才ジェリコが召集される。ジェリコは失恋の痛手を引きずりながら別れた恋人の家を訪ね、そこで彼はドイツ軍の暗号の傍受記録を発見する。・・・・・。
私評:「4日のうちに暗号を解かねば。前回はどれくらいの時間が掛かったのだ?」「10ヶ月です」・・・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーがこの原作に惚れこみ、映画の製作まで買って出たというのがこの作品です。しかも、彼はエキストラでこの映画に登場しているのです。しかも、監督は「イナフ」のアプテッド。主演は「MI:2」でトム・クルーズを最後まで痛めつけたダグレイ・スコット。そしてイギリスの若き名女優ケイト・ウィンスレット。そして事件の謎を追う警察官がジェレミー・ノーザムというなんとも贅沢な顔ぶれ。2001年に製作されたこの映画がやっと日本で公開されます。題材もすごく面白いのですが、映画にあまり起伏がないので、かなり眠くなってしまいました。しかも、ジョンバリーの音楽が余計に眠りを誘うのです・・(笑)。お話自体がすごく良いので、なんだかもったいない・・。ケイト・ウィンスレットがすごく太っていて、しかも黒ぶちの丸めがねを掛けているので、いかにもど田舎のお姉ちゃんって感じ。(この映画ではそういう役どころなのですが、これがまたピッタリ!)ちょっと見は、ドリュー・バリモアに似てるかも?また、ケイトのそんな努力(?)にも助けられてか、もうひとりのヒロインサフラン・バロウズの美しさが一段と引き立っていました。余談ですが、爆撃のシーンで飛行機が落とした爆弾が命中したとき「ブルズアイ!」って言ってました。デアデビルを見なかったら、こんなセリフは気にならなかったでしょうね・・。
ドラえもん のび太とふしぎ風使い  監督:芝山努  声の出演:大山のぶ代、小原乃梨子、野村道子
 2003年 日本映画
台風一過の青空の下。庭で遊んでいたスネ夫は不思議な卵を発見する。中から出てきたのはつむじ風。その場を逃げたつむじ風の子供は巡り巡ってのび太の元へ。ドラえもんが分析してみるとそれは意思を持った小さな台風だった。のび太はそれにフー子と名付けた。どこでもドアで広い草原に出た彼らはそこで風の村の住人風の民に出会う。すっかりこの場所が気に入ったフー子。しかし、その村に住む嵐一族によってフー子は狙われていた。しかも、嵐一族の先頭に立っているは、何者かにとり憑かれたスネ夫だった。しかも、彼らによってドラえもんのポケットは盗まれてしまう。果たして彼らの目論見とは??・・・・。
私評:フー子〜!!頑張れ〜!!・・・甥っ子がこの映画を見たがる限り、しばらくは劇場通いが続きそうなドラえもんシリーズ。前回のドラえもんはイマイチな感があったのですが、今回の作品は面白かったです〜。フー子というキャラクターがすごく可愛くて、映画の前半でめちゃめちゃ好きにさせておいて後半はフー子を巡っての壮絶な戦いが始まります。そしてついにフー子が持っていたすごい力が発揮されます。映画のキャラクターたちが「フー子〜!!頑張れ〜!!」というと会場からも「頑張れ〜!」の声が・・。子供は純真です。それに釣られるかのように私の緩くなった涙腺からは涙が・・・。いや〜、本当に面白かったです。そして同時上映は「パーマン」。小学校2年生の甥っ子はパーマンを知らなかったのですが、今回はパーマンがバードマンから使命を受けるところから物語が始まるので、知らない子でも全然OK!一度は挫折してしまったみつ夫だったけど・・・。この話もなかなか面白かったですよ。


前回の記事も読んでね〜!



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