2002/3/3号

今回はみんなイチ押しにしたかったです、特にI am Samはいつもだったら
イチ押しに入れる作品なのに・・。

ブラック・ホーク・ダウン  監督:リドリー・スコット  出演:ジョシュ・ハートネット、トム・サイズモア
Black Hawk Down  2001年 アメリカ映画
1993年、10月3日。東アフリカのソマリアはアイディ−ト将軍の独裁権のもとで、民衆は貧困に喘いでいた。実に30万人もの人々が餓死するとという非常事態に立ち上がったのはアメリカだった。そしてアメリカ軍が次にとった行動は、アイディートの副官を拉致する事。このミッションには100名の兵士が向かった。しかし、予想以上の反乱軍の攻撃に最新型戦闘ヘリ、ブラック・ホークが撃墜されてしまう。仲間の救出に向かう彼らの前には、一般民衆を含む数千もの敵が襲いかかる。そしてソマリアの首都モガディシオは、史上空前の殺戮の舞台となる・・・・
私評:戦争に勝者はいないのです(By リドリー・スコット)・・・・ベトナム戦争以来,最悪の銃撃戦と呼ばれる、このソマリアを舞台にした戦いは、ほぼ史実に基づき作られているという。この映画の迫力たるや,とにかく壮絶の一言。映像には定評のある,リドリー・スコットが観客を戦場のど真ん中に誘ってくれる。飛び交う銃弾、ロケット弾。めっちゃ恐かったです。しかし、ここまでの作品を作り上げたリドリー・スコットはもちろんスゴイと思いますが、「パールハーバー」の悪評にめげず、またしても空前の戦争映画を作らせた、ジェリー・ブラッカイマーもスゴイです。あるものは仲間のため,そしてあるものは自分自身が生き延びるため、あれだけの殺戮をしなければならなかった兵士たちの気持ちを考えると胸が痛い。しかも、敵の中には女も子供もいるんです。こんな事はあってはならない。だからこそ、この映画で戦争の無意味さ、そして恐怖を描きたかったのではないでしょうか?映画を観終わったあとは,喉はからからだし、手には汗がべったり。本当に度肝を抜かれました。主演は最近絶好調のジョシュ・ハートネット。この映画では初めてチームのリーダーを任された軍曹役。そしてデスクワーク専門で特技は旨いコーヒーを淹れる事,そして初めて戦場に立つ兵隊をユアン・マクレガー。こう言う映画には欠かす事ができない骨太で、図太い神経の持ち主がトム・サイズモア。基地で指揮を執る将軍役がサム・シェパードと,役者陣もとても良いです。
活きる  監督:チャン・イーモウ  主演:コン・リー、グォ・ヨウ
活着  1994年 中国映画
1940年代。除家は放蕩息子の福貴が賭博で借金を作り全財産を失ってしまう。身重の妻・家珍は我慢の限界を超え,彼の元を去ってしまう。しかし、半年後彼女はふたたび福貴の元へと戻ってくる。残った家財を売りながら細々と暮らしていた福貴も、家族のために唯一の技芸である影絵で家族を養うため必死に働きはじめる。巡業の最中、戦争に巻き込まれ九死に一生を得た福貴は、やっと家に戻る。そんな彼を家族は優しく迎えてくれた。そして50年代、60年代と中国の近代化の進む中、家族は必死に生き続ける。動乱の最中,数々の不幸を乗り越え、福貴と家珍は活き続ける・・・・。

私評:この子の名前は「不賭」(賭け事をしない)です・・・・冗談よ・・・1994年に製作されたチャン・イーモウの名作が,やっと日本にお目見えです。チャン監督といえば最近は「初恋のきた道」「あの子を探して」が日本でも大ヒットしましたね。この監督の映画って観ていてすご〜く心地良い。登場人物の笑顔、そして涙がけっこう身近な話題で、しかもとても自然だからでしょうね。映画の中の会話の一つ一つをとっても,台本を読んでいるような気がしない。主演はチャン・イーモウの初期作品のヒロイン、コン・リー。彼女の泣き笑いの数だけ、この家族に幸せと悲しみが訪れます。耐える女が似合う。そして福貴を演じるのがグォ・ヨウ。彼はこの作品でカンヌ映画祭主演男優賞を獲っていますが納得です。放蕩男が家族の大切さを知り,遅まきながら男としての責任に目覚め、少しずつ成長を遂げて行きます。後半は仙人のようでした(笑)。そしてチャン監督の作品に欠かす事のできない料理の数々も要チェック!今回も餃子が旨そうだった・・・。
I am Sam  監督:ジェシー・ネルソン  主演:ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー、ローラ・ダーン
I am Sam  2001年 アメリカ映画
知的障害を持つサムは、娘のルーシーが生まれるとすぐに母親が逃げてしまいシングルファーザーとして,娘を育てることになる。スターバックスでまじめに働くサムは愛する娘のために必死に働く。しかし、サムは7歳児の知能しか持っていないので、たびたび問題を起すがそんな彼を向かいの部屋に住む、外出恐怖症のアニーが優しく見守っていた。年月は流れ、ルーシーも7歳に。頭のよいルーシーは父親の知能に追いつき、ついには追い越してしまう。そしてソーシャルワーカーからは、彼にはルーシーを育てるだけの能力がないと判断されルーシーと引き離されてしまう。裁判に勝つためには有能な弁護士が必要だと思ったサムは,無我夢中で高級法律事務所のドアを叩いた・・・・。

私評:娘の名前は,ビートルズに歌から「ルーシー・ダイヤモンド」に決めたんだ・・・・。泣けた〜。こういう知能障害者の役というと「レインマン」でダスティン・ホフマンが、そして「ギルバート・グレイプ」でレオナルド・ディカプリオが演じて高い評価を得ていますが、この映画のショーン・ペンもすごく良かった。ちょっとリアル過ぎるような気もしましたが、彼の演技はスゴイの一言。そして彼の隣人役の,ダイアン・ウィーストがいつものような暖かい包み込むような優しいおばちゃん。ルーシーの里親になるのが、最近キレイになったんじゃない?ローラ・ダーン。事の成り行きからサムの弁護を引き受ける敏腕にして母親失格の弁護士がミシェル・ファイファー。頭が良いけど息子への愛が欠けているという,サムとは正反対の役柄で,彼女がまた良いンですよ。しか〜し、この映画で一番の俳優は、ルーシー役のダコタ・ファンニングちゃん。笑顔がとてもかわいい女の子です。演技の方も最高。役の上とはいえショーン・ペンを手玉に取り、大人たちを愕然とさせる。気の使い方までが,憎いくらいに完璧です。きっと,彼女は良い女優になるでしょう。全編に散りばめられたビートルズソングのカバーも、心地良いです。感動の涙を流して下さい・・・。
レプリカント  監督: リンゴ・ラム  主演:ジャン・クロード・ヴァン・ダム、マイケル・ルーカー
Replicant  2001年 アメリカ映画
刑事のジェイクは3年前から「トーチ」と呼ばれる放火殺人犯を追いかけていた。シングルマザーばかりを襲うトーチを、いつもあと1歩のところで逃がしていた。ついに,ジェイクも仕事への情熱が失せ辞職を決意した。しかし、トーチは「辞職をしてもお前につきまとう」という電話で彼を挑発する。そんなジェイクにNSA(国家安全保障局)が接触してきた。殺人現場残っていたトーチの遺留品から、彼のレプリカント(クローン)を作りあげたのだ。レプリカントが持つトーチの遺伝子から、事件解決の糸口を探るためだ。果たしてジェイクはトーチを逮捕できるのか・・・・・

私評:立つ,歩く、座る、立つ、歩く、座る・・・・レプリカントは体こそトーチと同じだが、知能は生まれたばかりの赤ん坊と同じ。そんなレプリカントをジェイクが教育するシーンはめっちゃ笑えた。ジャン・クロード・ヴァン・ダム、40歳を超えちょっと体のキレがなくなった。昔はスタントも全て自分でこなしていたけど,今回はスタントマンを使うシーンが多かった。でも、あの回し蹴りは相変わらずの迫力でした。今回トーチとレプリカントの二役を演じたヴァン・ダムが戦うシーンで、お互いが回し蹴りを繰り出すシーンは面白かった。まわし蹴りを制するためには、まわし蹴りが有効だと知りました(笑)。ジェイク役は私の好きな脇役、マイケル・ルーカー。今回は正直言って,ヴァン・ダムより、マイケル・ルーカーが見たくてこの映画を見に行きました。彼のアクションも凄かったですよ。どうしてもB級のイメージが強いのですが、けっこうしっかり作られています。アクションシーンは爆破、カーチェイス,肉弾戦と見所が満載です。


前回の記事も読んでね〜!



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