2003/2/23号

今週も邦画がイチ押しですよ〜。あとの2作はホラー映画。
やっぱり。ホラーが好き! 

青の炎  監督 :蜷川幸雄  出演:二宮和也、松浦亜弥、鈴木杏、秋吉久美子
Ao no Honoo  2003年 日本映画
今週のイチ押し:高校生の櫛森秀一は優しい母親と妹の3人暮らし。その平和な家庭を乱す男の突然の出現に悩んでいた。男は曽根という母親の再婚相手。しかし、二人はとうに離婚をしていた。しかし、曽根は10日前に突如、この家に現れ、居座ってしまったのだ。傍若無人の曽根をなんとかしようと試行錯誤を重ねる秀一だったが、ついに彼の怒りは頂点に達した。そして彼は自らの手で曽根を葬ることを決意する。綿密に練られた殺人プランを実行する秀一。そしてついに彼は曽根の息の根を止めることに成功する。これで今までどおりの幸せな生活が戻ってくる。そう信じていた秀一だったが、事件は思わぬところから綻びはじめる・・・・。
私評:でも、世の中には笑ってやり過ごせないこともあるんだ・・・・映画のキャッチどおり、すごく切ない青春映画でした。これはミステリーというジャンルで括るにはあまりにも切ない。彼の望んだ小さな幸せのために手を汚してしまうくだりは、悪い事だと思いながらも痛いほど秀一の気持ちが理解できて悲しかった・・。原作では殺人までのプロセスがもっと綿密に書かれていて、逆に私はその辺りのリアルさが欠けたのですが、映画ではその辺りをサクッと描いていて違和感が少なかった。久々に原作を上回る映画に出会えた。主演の二宮くんがすごくイイです。映画の大半は彼の語りによって進んでいくのですが、彼の素晴らしい演技がこの映画の大きな見所でしょう!この辺りの演出は蜷川監督だからこそ作りえたところかもしれません。松浦亜弥はまだまだ未熟さがあるけれど、彼女は「目」が良いです。そして妹役の鈴木杏はもう、安心して見ていられますね。そして注目は刑事役の中村梅雀。今までの刑事の概念を破った、ちょっと変わった刑事なのですが、これがまたグッドでした。ほぼ、原作どおりの展開なので貴志祐介ファンも大満足でしょう!あの、ピアノの音楽が良いタイミングで掛かるんですよ・・・。オススメです。 
ダークネス  監督:ジャウマ・バラゲロ  出演:アンナ・パキン、レナ・オリン
Darkness  2002年 スペイン映画
40年前の皆既日食の日。7人の子供が行方不明になった。しかし、一人の男の子だけが発見される。しかし、彼は事件の記憶をなくしていて「丸い家」「暗闇」という謎の言葉を残した。現代。アメリカからある家族がスペインに越してくる。その夜から異変は始まった。息子が暗闇を恐れ始める。そこには何かがいると・・・。その日から息子の周りに6人の子供たちの影がつきまとい始める。そして発作の持病を持っていた父親が、日に日に凶暴になっていく。この異変に気付いた娘のレジーナは、この家と40年前に起きた7人の子供の失踪事件が絡んでいる事を知る。そして何者かが7番目のいけにえを欲している事を。そして明日はなんと皆既日食が起こる日なのだ・・・・
私評:この家は変だよ。誰かいる・・・・怖い映画でした。でも、シナリオの端々に??の部分があるので、もう一度この映画を見て確かめたいですね。この映画の監督は「アザーズ」のアメナーバル監督と比較されていますが、彼も独特の映像センスを持っています。細かいカットを巧みに紡いで恐怖を盛り上げていく。一つ一つの映像はとても美しいのですが、それがまた怖いんです・・。そして光と闇を巧みに操るのです。稲光の光に6人の子供たちの影が映るシーンが何度かあるのですが、めちゃ怖いです。次々と裏切られるストーリー展開もグッドです。主演は「ピアノレッスン」のアンナ・パキン。事件を追いかける気丈なヒロインです。そして彼女の母親が(映画の中では普通のお母さん役だけど)めっちゃ顔が怖いレナ・オリン。そして「シャイニング」のジャック・ニコルソンを髣髴させる父親役がイアン・グレン。そして祖父役はジャン・カルロ・ジャンニーニ。「アザーズ」「シャイニング」「悪魔の棲む家」「ポルターガイスト」など、歴代のホラー映画の名作を意識したような映像も多々あります。これは面白かった! 
ボイス  監督:アン・ビョンギ  出演:ハ・ジウォン、キム・ユミ
Phone  2002年 韓国映画
ジャーナリストのジウォンは自分の携帯に掛かってくる脅迫電話に困っていた。それは彼女が援助交際のスクープ記事を書いたために関係者から送られてきたものだった。ジウォンの身を案じた親友のホジュンは携帯の番号を変えるようにと勧める。そしてホジュンの夫からは、身を隠すために別宅を供与された。ジウォンの新しい携帯番号の下4桁は6644だった。ある日、ジウォン、ホジュンとホジュンの娘ヨンジュは美術館を訪ねた。その時ジウォンの携帯が鳴った。その電話をとったヨンジュは恐怖に体を震わせ泣きわめきだす。その日からヨンジュの様子がおかしくなる。突如、暴言を吐いたり、自分の顔を自らの手で傷つけたり。携帯の謎を探っていたジウォンは、以前にこの番号を使った人間が次々と怪死している事実を突き止める。そしてついにこの電話の呪いのルーツにたどり着く・・・・・。
私評:みんな呪われて死ぬの・・・・・韓国版の「リング」とか言われているこの作品ですが怖さはたいした事ないです(笑)。最近、韓国映画に押されぎみの日本映画ですが、ホラーは勝った!?この映画って「リング」+「エクソシスト」でした。お約束の「ガーン!!」とかの大音響でビックリさせるシーンが、何箇所もあるので気をつけましょう。私的に、この映画の見所は二人の女優です。ひとりは子役のウン・ソウちゃん。「エクソシスト」のリーガンも真っ青の演技。目は白目を剥いちゃうし、恐怖でひきつけは起しちゃうし、大人もビックリの演技。また、この子の顔がめっちゃ怖いんですよ・・。そしてもう一人は事件のカギを握る女子高生ジ二を演じたチェ・ジヨン。彼女の演技も怖い!また、こんな女っていそうで怖い!!主演のハ・ジウォン、キム・ユミは美人なんだけど・・・・。この映画も訳の分からない箇所がいくつかあるんです。映画を見終わったあと「なぜ??」と思えるシーンが・・・。この映画を見た方は、ぜひ一緒にお話をしましょう! 


前回の記事も読んでね〜!



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