2003/2/15号

おいおい、今回はパンフレットがサイズも形もバラバラ。
どうにかならない??

オー・ド・ヴィ  監督 :篠原哲雄  出演:岸谷五郎、小山田サユリ、鰐淵晴子、あがた森魚
Eau De Vie  2002年 日本映画
今週のイチ押し:函館のバー「FINNISTERRE」のバーテンダー順三郎。店では人妻のリツ子がカウンターで順三郎を口説いている。ソファーにはこの店のオーナーのあやこがいた。浜で見つかった女の全裸死体の話で盛り上がっている。彼女の体からは100%のアルコールが検出された。なのに、死体の女はこの上ない幸せな顔だった。次の犠牲者はリツ子だった。フランス料理のシェフ井ノ上に「特別な」指導を受けているのは見習いの火露見。彼の異常なまでの「調教」により傷を受けた火露見は「FINNISTERRE」にやってきた。順三郎の差し出す魔法のような美酒に酔いしれる火露見。二人は急速に惹かれあい、浜で朝を迎えた。海辺を歩く二人の前には、またしても女の死体が・・・・
私評:「これは何?」「特上のオー・ド・ヴィです」・・・・オー・ド・ヴィとはいわゆる蒸留酒の事。フランスでは『ブランデー』、北欧では『アクア・ヴィット』といわれていますね。バーのカウンターでウィスキー、ウォッカ、ラム、テキーラなどをストレートで飲む。まさに大人の世界です。私は充分大人なので(笑)、たまに一人でこんな店に飲みに行きます。そこは一味違う世界があります。そしてそこには幾つものドラマがあります。ひとりでカウンターで飲んでいると、周りの人たちの話がイヤでも聞こえくるでしょう。それはまた、こんな店の楽しみ方の一つかも?この映画はいわゆる男と女の話。ここに屯す男女の関係は、なんだか「まったり」としていてる。爽やかさなんて微塵もない。しかも、かなりエロチックです。これはまさに大人の男と女、そして酒が醸し出す独特の空間なんですね。また、この映画では食事のシーンがいくつかあるのですが、これがまたエロチック。ある意図を持ってカメラを通すと普通の食事もこんなに艶っぽく見えてしまうんですね。(篠原監督の前作「木曜組曲」の食事シーンはグロテスクだった・・)バーテンダーを演じる岸谷五郎はけだるい雰囲気がすごく良かったです。そして中国の番組で主演が決まった小山田サユリが、めちゃ良いですね〜。こんなエッチな映画に出てしまって中国での活動に支障はないの??そして鰐淵晴子の色っぽいこと・・この人いったい幾つなんだろう??今夜はちょっと気取ったバーで「オー・ド・ヴィ」を飲みにいきます・・・・
ラスト・プレゼント  監督:オ・ギファン  出演:イ・ヨンエ、イ・ジョンジェ
Last Present  2001年 韓国映画
ヨンギは売れないコメディアン。今日もTV番組の前座に甘んじている。彼の妻のジョンヨンは彼の成功を信じ、小さな店を経営しながら生活を支えている。稼ぎのないヨンギは妻に感謝しつつも、つい強がりを言ってしまう。売り言葉に買い言葉で二人の間には喧嘩が絶えなくなっていた。そんなある日、ヨンギはジョンヨンが重い病気に冒されていることを知る。そして彼女は余命幾ばくもないという事実を知る。その事を必死に隠す妻に、どういう態度をとれば良いのかが分からない。ところがヨンギにもついにチャンスが巡ってくる。テレビ番組の「お笑い王」の勝ち抜きトーナメントに出場したヨンギは、順調に勝ち進んでいく。逆に、ジョンヨンの病気は日に日に悪化していく・・・・
私評:あなたは世界が私にくれた、最高のプレゼント・・・・泣いた〜・・。もう、涙ボロボロでした。物語の設定はありがちなお涙頂戴なのです。ラストの公開録画のシーンなんて「ラストコンサート」ソックリ。でも、この映画にはそんな戯言を吹っ飛ばすくらいの力がありました。それはなんと言ってもイ・ヨンエとイ・ジョンジェの二人の演技なんですね。先日、このHpの掲示板にも書いたのですが人を笑わせるコメディアンという仕事に就いたがために、病身の妻のために泣いてあげる事ができず、決勝戦では涙を流しながら必死に人を笑わせていたヨンギの姿に一番泣けましたね。また、ベタなんですが喧嘩中だったヨンギの両親とジョンヨンの和解シーンや、その事を死んだ母の墓に報告に行くシーンでも大泣き。そんな悲しい物語の中で一服の清涼剤が詐欺師のふたり。どじな詐欺師が二人のために奔走するシーンは良かったです〜。しかし、ラストのジョンヨンからヨンギへの言葉は私の涙を搾り出しましたね。今年は泣ける映画が多いけど、私から搾り取った涙の量のNo.1はきっとこの映画でしょう。イ・ヨンエの清楚な美しさにもKOされた私でした・・・・・
Mr.ディーズ  監督:スティーブン・ブリル  出演:アダム・サンドラー、ウィノナ・ライダー
Mr. Deeds  2002年 アメリカ映画
NYを拠点とする大企業ブレイク社のオーナーが死亡した。彼の莫大な遺産400億ドルは、ニューハンプシャーの片田舎に住むディーズに贈られることになった。さっそく、町を訪ねてきたのはブレイク社の重役チャックとセシルだった。ディーズはこの町でピザ店を経する好青年。町のみんなから愛されていた。遺産相続のためにNYへとやってきたディーズに近づいてきた一人の女がいた。彼女は田舎出の学校の看護婦だという。ディーズのハートは彼女に奪われてしまう。しかし、彼女は人気テレビ番組「インサイド・アクセス」のレポーターのベイブだった。彼女はディーズに近づき特ダネをゲットするのが目的だった。その事を知ったディーズはショックから立ち直れず、落ち込んだまま自分の町へと帰ってしまう。しかし、ベイブも純真で優しいディーズを好きになっていた・・・・。
私評:彼を取り戻せるなら、なんでもするわ・・・今回も笑いとちょっぴり感動を届けてくれたアダム・サンドラー。彼の映画はあまり毒がなくて良いですね。今回もまさに「イイ人」役なのですが、これがまたピッタリ。彼のハートを盗む女性が、映画以外のニュースで有名になってしまったウィノナ・ライダー。やっぱり、彼女は美しいですね〜。こんなコミカルな彼女を見たのは初めてですね。そして左の写真の後ろの方に写っているのはジョン・タトゥーロ。いつもと全然雰囲気が違う!でも、彼がイイ役なんですよ・・・。ディーズの金と地位を狙うのはピーター・ギャラガー。いかにも悪役って感じ。そしてアダム映画の常連スティーブ・ブシェミが今回もとんでもない役(?)で登場。(あの目は怖すぎる〜!!)そしてそして私の昔のアイドルテイタム・オニールを奪っていた、元テニス会の暴れん坊ジョン・マッケンローも登場。これだけの面子が揃うのは、アダム・サンドラーの人望らしいです。彼って本当にナイスガイって感じですもんね。なんだかほのぼの見れるお気楽コメディー映画でした〜!
ケミカル51  監督:ロニー・ユー  出演:サミュエル・L・ジャクソン、ロバート・カーライル
Formula 51  2002年 アメリカ=イギリス=カナダ映画
1971年、やっとのことで薬剤師の免許を取ったエルモ・マケルロイは卒業式の日にマリファナを吸いながら車を運転して、警察に捕まってしまう。もちろん、薬剤師としてのキャリアも・・・・そして時は現代。エルモはとんでもない薬を作り出した。トリップするのもコカインの51倍、エクスタシーも51倍、幻覚作用も51倍の究極のパーティドラッグ「PO051」。しかし、悪の道から足を洗いたい彼は、このドラッグを使って最後の勝負を賭けた。アメリカの取引先の面子は爆薬でぶっ飛ばし、彼は新たな取引先を探してイギリスへと飛んだ。ところが、アメリカの取引相手リザードはしぶとく生きていた。そしてエルモに腕利きの女アサシンダコタを送った。リバプールに着いた彼を迎えたのはサッカー狂のフィーリクス。アメリカが大嫌いの彼は、何かとエルモに逆らう。そしてついにドラッグの取引が開始された。ところが取引相手はダコタによって殺されてしまう・・・・
私評:イギリスは左側を走るんだよ!!!・・・・B級映画のテイストをプンプン感じさせる内容。なんたってあの予告編のサミュエルのキレ方が凄かったですからね。そしてイギリスからは「フォッキン、フォッキン」を連呼する、こちらもキレ役者のロバート・カーライル。二人の共演がめっちゃ楽しみでした。しかし、このコンビは最高!この二人の共演を見ただけで、私はもう大満足。しかも、監督はあのホラーの迷作「チャイルド・プレイ チャッキーの花嫁」の監督ロニー・ユー。今回も笑わせてくれるし、カッコイイ映像もふんだんに盛り込まれていました。特にカーアクションはグッドでした!また、主演の二人に負けないくらいボルテージが高い、リース・エバンスとミート・ローフの二人もナイスなキャスティングでした!!そしてそして紅一点、女殺し屋のエモリー・モーティマが美しくて、カッコイイ!!まさにこの映画は見せる、そして魅せる映画!ノリノリの音楽と軽快な会話、そして笑いとアクションがぎゅーっと詰め込まれていてゴキゲンな映画です。上映時間も92分とお手ごろ。


前回の記事も読んでね〜!



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