2003/2/2号

ハリウッドの超大作映画にすっかり魅了された私・・。
そしてミステリー映画の名作も私の心を揺さぶりました・・・・

ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔  監督 :ピーター・ジャクソン  出演:イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン
The Load Of The Ring : Two Towers  2002年 アメリカ映画
今週のイチ押し:別れ別れになってしまった旅の仲間たち。フロドとサムはゴラムという醜い姿をした生き物に襲われそうになる。実は彼は以前に指輪を所有したことがあったのだ。彼の中には何やら二つの人格が存在しているらしい・・。ホビットのピピンとメリーはオークに捕らわれたものの、何とか逃げ出しファンゴルンの森へと逃げ込んだ。そこで二人は木の妖精フランと出会う・・・。そしてアルゴラン、レゴラス、ギムリの3人はピピンとメリーを追って森へと入り込む。そこで3人の前に現れたのは死んだと思っていたガンダルフだった。彼は白い魔法使いとなり、魔力も数段パワーアップして戻ってきたのだ。4人はセオデンの軍に合流しサルマンが送り込んだ軍隊を迎え撃つ。しかし、圧倒的な人数で勝るサルマンの軍は渓谷に陣取ったセオデンの軍に迫る。そんな時森の妖精エルフの軍勢が彼らに加勢しにやってくる・・・・・
私評:ホビットの英雄フロド・バギンズ。子供たちにこの話をしてあげたい・・・。すごい!!とにかくすごい映画だった。それは映像が生み出すマジック。これ以上すごい映像はできないのでは?と思えるくらい次々と映し出される映像に感嘆のため息を漏らし続けた私。それは見たこともないSFではなくて、見たことのある物をリアルに映像化しているのだからごまかしが利かない。そして物語の後半はすごい戦闘シーン。1万人のオークの軍隊Vs人間&エルフの連合軍の戦いです。このシーンの凄いのなんのって、こんなシーンは見たことがない。しかも、1時間にもわたるのです。3時間の映画なのですが、息つく暇もない。そして終始映画の迫力に圧倒され続けました。映画を見終わったあとはグッタリ・・・(笑)。それゆえこの映画を見るときは体調を整え、万全を期して行くことをオススメします(これはこの映画に限りませんが・・)。面子は1作目とほとんど変わりません。旅の仲間は相変わらずイイ味出してます。そして予告編では後姿しか見えなかったゴラム。(ちょっとキャラ的にはハリポタのトビーと被るかも??)彼は今回からは実に重要なキャラクターとなります。そして一作目ではコミカルなキャラでしかなかったピピンとメリーも着実に成長をしています。しかし、一番の感動はラストでのサムの語り。そして物語は最高潮に達し、遥か彼方に滅びの山と遥かに広がる中つ国を見せて、最終章「王の帰還」へと繋がっていきます。もう、最高です!!敢えて文句があるとすれば、ケイト・ブランシェットの出演シーンが1分もなかったことですね・・(苦笑)
 
レッド・ドラゴン  監督:ブレット・ラトナー  出演:アンソニー・ホプキンス、エドワード・ノートン
Red Dragon  2002年 アメリカ映画
今週のイチ押し:FBI捜査官のグレアムは人食い殺人鬼のハンニバル・レクターを逮捕。しかし、レクターの逮捕を折に彼はFBIを去った。フロリダで家族とともにひっそりと暮らしていたグレアムの元に、FBIの元の上司クロフォードが訪ねてきた。クロフォードはある連続殺人事件の強力を求めてやってきたのだ。ふた家族を惨殺した犯人についてグレアムのプロファイリングが始まる。事件の核心に近づき、グレアムは「犯罪心理に長け、自らも殺人鬼である」レクターに意見を求める。厳重に隔離された病院の奥底で、彼は不敵な笑いを浮かべグレアムを迎えた。そしてレクターは犯人像について語り始める・・・・
私評:「それはあなたに負い目があったからです」「負い目とは何だね・・?」「それはあなたが狂人だという事です」・・・・面白い!しかも、怖い!!名作「羊たちの沈黙」があまりにも良すぎたので「ハンニバル」はイマイチな感がありましたが「レッド・ドラゴン」は期待以上のできだった。レクターとグレアムの頭脳と頭脳の対決がこの映画の見所。そして二人の戦いと同時進行で「噛み付き魔」の連続殺人犯とグレアムの対決もあり、息をもつかせぬ展開に大満足です。私は原作ももちろん読んでいるのですが、あの傑作を見事に映像化していました。それにしてもアンソニー・ホプキンスのレクター博士は、本当にはまり役ですね。今回は登場シーンこそ少ないものの、強烈なインパクトを残します。グレアムを演じるのは若き演技派エドワード・ノートン。「羊たち・・・」のクラリスとは違い、果敢にレクターに挑んでいく彼のキャラクターは最高です。そして脇を固めるのも曲者の名優ばかり。レイフ・ファインズ、エミリー・ワトソン、フィリップ・シーモア・ホフマン、そして私の好きなメアリー・ルイズ・パーカー。良くこれだけの面子が揃ったものです。監督は「ラッシュ・アワー」のブレット・ラトナー。2時間15分の長尺なのですが、すごくテンポが良くて飽きさせません!そしてラストの憎い演出には、思わずニヤリとしてしまいました。これを機会に「羊たちの沈黙」「ハンニバル」と続けて見てみたいですね。
ブルー・イグアナの夜  監督:マイケル・ラドフォード  出演:ダリル・ハンナ、ジェニファー・ティリー
Dancing At The Blue Iguana  2000年 アメリカ映画
LAの夜、男たちの夜を演出する一軒の店「ブルー・イグアナ」。この店はストリップがメインの店だ。ステージの上では夜毎、女たちが妖艶なダンスを見せ、ステージには1ドル札が雨のように彼女たちに降り注ぐ。ちょっと頭の回転が鈍いがお人好しエンジェル。彼女はなぜか養子を貰うことに執着している。そんな彼女を隣のモーテルに滞在中のロシア人の殺し屋が一目惚れしてしまう。ジャスミンは詩の朗読会に出席していた。実は彼女自身も詩を書き溜めていた。過激なステージが呼び物のジョー。SMボンデージの衣装で夜毎暴れまくる彼女だったが、妊娠してしまい自暴自棄に。寡黙なダンサーのストーミーは昔の恋人からの手紙を受け取り動揺する。新人のジェニーはエンジェルの恋人を寝取ってしまうが・・・・
私評:お前に自由なんかない!・・・・・不思議な映画です。なにやらこの映画はきちんとした脚本を持たず、スタッフとキャストが全編即興で作り上げたのだそうです。それゆえ話と話がぶつぶつと切れているように見えるのですが最後にはきっちりとした話になっていきます。それぞれの女たちのそれぞれの話がオムニバスのように語られます。それぞれの話は胸が張り裂けそうなほど悲しかったり、ユーモアに溢れていたり・・。しかし、ストリッパーに成り下がってしまった彼女たちは往々にして不幸なんですね。主演の5人の女たちと後半に登場するスターダンサーのニコの6人の女たちは最高でした。エンジェルを演じるのは「スプラッシュ」のダリル・ハンナ。彼女の脚線美は最高です。しかも、今までのキャラとはちょっと違う天真爛漫なお気楽女。そしてボンデージの衣装で暴れまくるのがジェニファー・ティリー!そしてぜんぜん美人じゃないのに、印象的なサンドラ・オー(ジャスミン役)、めちゃめちゃ美人のシャーロット・アヤーナ・・・。しかも、主演女優が全員が脱いで踊る(必見!!)、まさに体当たり演技。彼女たちの踊りは官能的で美しい・・。監督はあのイタリアの名作「イル・ポステティーノ」のマイケル・ラドフォード。全編に渡りリアルな本音が飛び交います。そして無防備にさらした体も脆いけれど、それ以上に心が脆いということを体現しているのです。めっちゃ面白かった・・。
ストーカー  監督:マーク・ロマネク  出演:ロビン・ウィリアムズ、コニー・ニールセン
One Hour Photo  2002年 アメリカ映画
フォト・ショップに勤めるサイは孤独な男。家族もなければ、友達もいない。しかし、それは元来まじめで几帳面な彼の性格がさせるものであり、決して悪い人間ではないのだ。彼はある家族の写真を長年にわたって現像してきた。最初は赤ん坊だったその家の息子も9歳の誕生日を迎えた。サイはこの家族に理想を見出していた。笑顔が絶えず、いつも仲良し。いつしか、彼はこの家族と一緒になる夢を見始める。ところが、この家族の絆にもひびが入り始める。それは夫の浮気が原因だった。この家族は完璧でなければならない。そしてサイがとった行動とは・・・・。
私評:友達もいなくていつも悲しい顔をしているんだ。写真屋のサイだよ・・・・まさに日本タイトルのとおりストーカー男の悲しみを描いた映画です。これはサイコな映画ではないし、ミステリーでもない。一人の男の心の闇を、じっと見据える映画なのです。長年の孤独を理性で補ってきた男。彼の心の遣り所は常連客の家族。サイは彼らの幸せを決して妬んだりしない。最初は妻に気があるのかな?って思ったのですが、そうではない。彼はただ単純に彼らの家族に一員になりたかったんですね・・。まあ、自分もいい年をして独身で一人暮らしをしているので、サイのようにならないように心掛けます(笑)。でも、サイのとった行動は確かに異常ではあるけど、ただ単純に「悪」と決め付ける事ができないと思ったのですがいかがでしょう?彼は長年、こっそりと夢見ていた「彼の心の中の幸せ」をぶち壊されたのですから・・。しかし、被害者は良い迷惑ですけどね・・・。主演はロビン・ウィリアムス。まさに彼の一人舞台の映画です。普段は表情豊かな彼が、テンションを落として冴えない中年男を見事に演じています。サイが心惹かれる美人妻を演じるのは「ミッション・トゥ・マーズ」「グラディエーター」で印象的だったコニー・ニールセン。監督はMusic Clipの作品を多数手掛けているらしいのですが、劇場版は見たことがありません。ラストシーンの「写真」をどう思いますか???
呪怨  監督:鈴木崇  出演:奥菜恵、伊藤美咲、上原美佐、市川由衣
Juon  2002年 日本映画
ボランティアで介護をしている理佳は、急な依頼を断れず一軒の家を訪ねた。家の前に立ったとき、彼女は原因不明の恐ろしさに震えた。家に入ると老女がひとり、真っ暗な中に佇んでいた。そして2階へあがった理佳は一人の少年を発見する。彼の名前は俊雄だった。実はこの家では以前に殺人事件が起こり、以来ここに越してくる人はみんな変死していたのだ。俊雄は最初の被害者、伽耶子の息子で行方不明になっていた。恐怖で階下に駆け下りた理佳は老女を襲おうとしている影をみてしまう・・・・・・・・・
私評:ニャー〜〜〜!・・・本来ならこの作品をイチ押しにしたいのですが・・・・。昨年、この映画の存在を知り、めちゃ見たいと思っていた作品です。この映画を見るにあたっては、まずビデオ版の「呪怨」そして「呪怨2」を見ておいた方がこの映画をよりいっそう楽しめると思います。そして少なくとも俊雄と伽耶子のことだけでも勉強(?)しておくと良いのでは??しかし、この映画は怖い!ホラー映画の王道を行く、じっくりと回り込んだり暗闇を覗き込むカメラが恐怖を煽ります。きっと、夜に独りになったとき、自分の後ろやテーブルの下、布団の中、押入れの奥がすごーく気になると思いますよ。そして猫の声には敏感になるはず・・・?主演は怖がる演技が最高な奥菜恵。そして今をときめく上原美佐、市川由井、そして伊藤美咲と美女ぞろい。やはり恐怖に慄くのは美人でなくちゃね!監督の清水崇はこれからが楽しみな監督です。すでに「呪怨2」の公開も決まり(主演は酒井法子)こちらもまた、楽しみです。しかも、海外での上映も決まり、第2の「リング」になるかもしれません。怖い映画が好きな方にはオススメですが、トラウマになりそうなほどの怖いシーンもあるので(?)、心して見てください。でも、ホラー映画はやっぱり怖くなくちゃね!
Lovers' Kiss  監督:及川中  出演:平山綾、宮崎あおい、西田尚美
Lovers' Kiss  2003年 日本映画
夜の海で偶然出会った里伽子と朋章。朋章には悪い噂が付きまとっていたし、里伽子も次々と男を替える女だった。しかし、お互いの心の奥に隠した「真実」に触れ二人は急速に近づいていく。ところが、朋章は学校を辞めて小笠原に行くという。里伽子とピアノ教室で一緒だった高尾は、二人の恋の行方が気になって仕方がない。高尾をそっと見守る友人の篤志。しかし、高尾は朋章を、そして篤志は高尾を好きだった。里伽子の友人美樹は里伽子を、そして妹の依里子は美樹を好き・・・・こんな複雑な人間関係が少しずつ解れていく。・・・・・・
私評:「こんな気持ちになるのなら好きになるんじゃなかった・・」「私は何度辛い思いをしても、恋をして良かったと思うよ」・・・・吉田秋生のマンガの完全映画化です。実は私はこのマンガが大好きで、何度も読んでいました。映画はどうかと言うと・・・、マンガのまんまです。(笑) それゆえオリジナルの作品を好きな人は、楽しめるんじゃないかな?オリジナル良さを損なうことなく良い感じに仕上がっていました。でも、あまりにもソックリすぎる・・・。(私はマンガの方が好きだけど・・)しかし、映画用に鎌倉の美しい風景、夜の海、波、そして雲、遠く富士を望む海岸などの映像を盛り込む事によって、映画的な良さが加えられています。主演は「ウォーターボーイズ」の時からチェックを入れていた平山綾。(でも、この映画の中でキスをしすぎだぞ!!<笑>)やっぱり、良いですね〜。そして彼女の妹を演じるのはこの若さにして演技派の宮崎あおい。この映画を見てると彼女の演技だけがずば抜けて良いのがよーく分かります。里伽子の友人美樹は市川実日子。(実は平山綾より6つも年上なのに同級生役・・)この3人がめちゃ良いです。3人のボーイズはあまり上手いとは言えませんが・・・。そして朋章の叔母役で登場の西田尚美がまた良いんですよ〜。映画館は若い女学生(死語でしょうか??)でいっぱいでした。この映画の中のそれぞれの恋は青すぎて、私はちょっと「こそばい」感じがしたことは否めません・・・・。


前回の記事も読んでね〜!



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