2001/1/22号

今週は本当にどれも良い映画で迷った挙句、一押し作品を2つにしました。 反則なんですが
お許しを。 でも両方とも素晴らしい作品です。 お見逃しなく!!

楽園をください  監督:アン・リー 主演 : トビー・マグワイア、スキート・ウーリッチ
Ride With The Devil  1999年 アメリカ映画
今週のイチ押し作品!南北戦争下のミズリー州。北軍派と南軍派の入り乱れたここでは、まさに隣人同士が殺し合いをしていた。また、そのどちらの軍にも属さぬゲリラ部隊もあった。 復讐心から入隊する者、友を追って入隊する者、目的は様々だが、自分を正義と思う心が彼らを突き動かしていた。 ひとときの恋、そして友情、そして友の死・・。 そして彼らはまた、戦いの場へと身を委ねて行く。 戦いの本当の意味を理解するには、あまりにも若すぎた彼ら。そして歴史的な大事件「ローレンスの大虐殺」が起こる・・・・。  

私評:こんな青春もあったのでしょう。「戦争の元でいつも犠牲になるのは青春」。 そんなキャッチの映画が以前にあった。この映画はまさにそんな映画だ。 主演のトビー・マグワイアが純朴で、そして自分の進むべき道を迷いつづける青年を好演。 こう言うピュアな青年を演じさせたら、今、右に出るものがいないでしょう? そしてがむしゃらな青年をスキート・ウーリッチ、奴隷の身からゲリラに入った黒人を演じるジェフリー・ライト、殺戮の中で徐々に狂気へと進んで行くジョナサン・リース・マイヤーズ。 この誰もがみんな素晴らしい。 ジム・ガヴィーゼルは「オーロラの彼方へ」や「ペイ・フォワード」とは全然別人のよう。 この人はまったく年齢不詳です。 そして忘れてはいけない、紅一点のジュエル。 彼女も素晴らしかった。 こんな彼らの素晴らしさを引き出したのも、監督アン・リーの手腕でしょう。 彼の的確な演出、美しい映像も、もちろんこの映画の見所です。 あと、私的には戸田奈津子さんの翻訳が素晴らしかった。 この映画の邦題「楽園をください」って良いタイトルだと思いませんか? 

 ギター弾きの恋  監督 : ウディ・アレン   主演 : ショーン・ペン、サマンサ・モートン、ユマ・サーマン
Sweet and Lowdown  1999年 アメリカ映画
 1930年代、ジャズギター界で自ら「世界で2番目の天才」というエメレット・レイは、ギターを持たせればまさに天才。しかし、私生活はだらしなく女グセが悪く、そして見栄っ張りの浪費家。 ある日彼は口のきけない女性ハッティと出会い、二人はその日のうちに愛し合うにようになる。 そして彼女の献身的な愛情はレイを支えた。しかし気まぐれなレイはある日突然、ハッティを捨ててしまう。そして次に出会ったのは上流階級の女ブランチ。 二人は衝動的に結婚するが長続きはしなかった・・・
私評:この映画の主人公は架空のギタリストだ。しかし、ウディ・アレンを始めとするへんな登場人物が彼を色々と評価するシーンから映画が始まる。メインのストーリーに沿って、そんな贋評論家がレイについて語りながら話は進んで行く。 ウディ作品にしてはストレートでとっつきやすい作品だと思います。主演のショーン・ペンがめっちゃ良いです〜。銃でネズミを殺す事と貨物列車を見るのがスキと言う変な主人公なのですが、彼が演じるとそれらしく見えてくる。しかし、ギターを持たせると・・。このギターの音楽がまた、良いんですよ。早速サントラ盤を買ってしまいました。そして素晴らしいのがサマンサ・モートン。口がきけない女性役なので、もちろんセリフは一つもない。愛らしいキョロキョロ動く大きな目と、パクパクといつも何かを食べているしぐさが、とても可愛い。表情だけで演技をしていました。初めての夜、彼のギターを聞いてうっとりする彼女の顔が好きだ。これは劇場公開が始まったら、必ずもう1回観に行きますよ。 
アヴァロン  監督 : 押井守 主演 : マウゴジャータ・フォレムニャック
Avalon  2000年 日本映画
私評:近未来、こんなゲームがあったら私もきっと嵌ってしまうだろう。 近未来、若者たちはバーチャルリアリティのゲームに夢中になっていた。その名は「アヴァロン」。 リアルな戦闘ゲームは時にはゲーマーの精神を崩壊し廃人となってしまう人間もいた。しかし、ステージをクリアしレベルをアップするたびにでる、賞金は皆が欲していた。 ソロで戦い続けるアシュと言う女性は、いまや最高レベルに達しようとしていた。 そして彼女が挑んだクラスAの最終フィールドを超えたSAのフィールドへと向かった。「機動警察パトレイバー」や「甲殻機動隊」で、今や世界のその名を馳せる押井守監督が挑んだ次のステージは実写とアニメが共存する、摩訶不思議な世界。彼が舞台に選んだのはポーランド。本物の戦車、戦闘ヘリとコンピューターグラフィックが見事に融合した、別の世界がそこにはあった。セピア色の世界が、また良いんです。 ゲーム好きな人は、この映像を見ているだけでも、十分楽しめる映画でしょう。 良く、ゲームにも最後まで終わったあとにもう一つの裏ステージがあったりする事がありますよね。 アシュが最後に選んだのは、まさにそのステージ。 しかし、その世界は・・・・。 また、この映画で素晴らしいのが音楽。 TVのCMでも今盛んに流れている”アヴァローン♪”と言う曲が頭から離れない。(笑) 今、映画人たちが必死に作っているのは、CGを実写に近づける映像だけど、この映画は逆行していて、実写をいかにアニメーションの世界にするか。この辺りもすごく面白かったです。 ジェームズ・キャメロンをも唸らせた、新しい映画の誕生を感じました。 
ベニスで恋して  監督 : シルヴィオ・ソルディーニ 主演 : リーチャ・マリェッタ、ブルーノ・ガンツ
Pane e Fulipani  2000年 イタリア・スイス映画
私評:ごく普通のオバちゃん主婦。 二人の子供と口うるさい夫のために自分を犠牲にしてきたけど・・・。 ロザルバは家族と一緒のバス旅行中、ドライブインで置いてきぼりを食ってしまう。 ヒッチハイクで家に帰る途中、彼女は行き先を変更して、憧れのベニスへと向かう。 1日だけの観光のつもりだったが、またまた予定を変更して一人でベニスで生活をする事を決める。家族には主婦業は休暇の旨の手紙を・・。 仕事を見つけ、オシャレをしたり、少女時代に弾いたアコーディオンを始めたりと、みるみる彼女は輝きを取り戻していく。 そして出会ったレストラン勤務の男。部屋を提供してもらい、何かと世話を焼いているうちに、彼が気になって・・。 一方、夫は彼女を探すためにわか探偵をベニスに送り込む・・・。 楽しい映画でした。 人生はやっぱり楽しく生きなくちゃ! 今まで家族のためにしてきた事は、決して苦ではなかったけど、知らず知らずのうちにロザルバは人生の楽しみを失っていたんですね。 それが解き放たれたとき、ただのオバちゃんだった彼女がどんどん輝き始める。また、この映画の中には良いセリフが多いんだ。 偏屈な花屋のおっさんも、よれよれのレストランの主人も、にわか探偵のデブ男も(私はイタリアのフィリップ・シーモア・ホフマンと呼びたい!)、カッコ悪いんだけど、理に叶った良いセリフを吐くんです。私はよく映画を観ながら、『なるほどね〜』と感心する事があるのですが、この映画にはそんなシーンがいっぱいあった。また、隣に住むエステシャンと●●●の出会いと恋は、おかしくもありましたが羨ましくもありましたね〜。 ラストの展開は私的にはどうも、納得がいかないのですが、まあ良いでしょう。 ベニス・・・、1回行ってみたいな〜。 


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