今週までは快調に飛ばして見てきましたが、来週は失速しそうです。 とりあえず、仕事優先。
今週は6作品。トーンといってみよう!
1999年 : アメリカ映画
監督 : ゲーリー・マーシャル
主演 : ジュリエット・ルイス、ダイアン・キートン、トム・スケリット
カーラはもうすぐ24歳。 軽い知能障害を持つ彼女はこの歳まで全寮制の学校に
入っていた。 学校を卒業し、家に帰った彼女を家族は暖かく迎え入れた。 特に
母親のエリザベスは、離れて暮らした年月のギャップを埋めようとするが、空回り
ばかり。 果敢に色んな事にチャレンジしようとするカーラが心配で仕方ないのだ。
そんなある日、カーラは自分と同じように障害を持つ青年ダニーと出会い恋に落ちる。
娘の幸せを願い、必死にカーラを守ろうとする彼女の思いとは裏腹に、自分の力だけで
人生を歩んで行こうとするカーラの心は、次第に離れて行ってしまう・・。
私評:ジュリエット・ルイス、久々の映画復活? しかもこんなに純真な女の子を演じる
とは・・。 侮れないな〜。 この映画のメインのテーマは家族の絆。ダイアン・キートン
演じる母親が娘のために良かれと思ってすることが過保護になり、強いては娘たちを締め付け
てしまう。結局は親の子離れ、子供の自立が大きなテーマです。障害者同士で結婚を決意した
カーラとダニーの前途には、困難や苦労がたくさんあるとは思いますが、(またそんなに
イージーじゃないだろうと突っ込めるけど)単純に私は、彼らの家族や友達のように
「頑張れよ!」って拍手を贈りたくなった。 この映画で光っていたのは父親役のトム・スケリット。
家族を心から愛し、そして力強く支えている父親が、なんとも言えなく良かったです。
1999年 : アメリカ映画
監督 : ディヴィッド・リンチ
主演 : リチャード・ファーンズワース、シシー・スペイセク、ハリー・ディーン
アイオア州ローレンスに住む、アルヴィン・ストレイトは73歳。 娘のローズと
二人で暮らしている。 しかし、体はかなりガタがきていて2本の杖で歩くように
医者から言われた。そんな折、彼の兄のライルが心臓発作で倒れたと言う電話が入る。
喧嘩をして10年も音信不通だった兄だが、会わなくてはならない。 ライルが住む
ウィスコンシン州までは車なら1日だが、アルヴィンは目が悪くなり運転ができない。
でも、なんとしてでも自力で会いに行こうと彼が選んだのは、トラクターで旅に出ること。
時速8kmのトラクターで全長560kmの旅が始まった・・・。
私評:この映画の一番の良さは主演のリチャード・ファーンズワースの魅力。とても可愛い
おじいさんなんですよね。 その苗字のようにストレイトで、なんとなく人を惹き付ける、
不思議な魅力を持っている。そして、行く先々で出会う人たちの交流は、なんとなく忘れ
そうになっていた、人生の宝物を一つずつ掘り出してくれるようだった。ロードムービーで
私がいつも期待する美しい景色はなかった。 どこまでいってもとうもろこし畑。 でも、
あの満天の星空は素晴らしかったな。 アクション映画やラブストーリーばかりで食傷気味だった私には
こんなのんびりしたロードムービーは最高の”癒し”でした。 560kmのアルヴィンの旅は、いわば
彼の長い人生の縮図なんですね。
1998年 : アメリカ映画
監督 : トニー・ケイ
主演 : エドワード・ノートン、エドワード・ファーロング、
父親を黒人に殺されたデレクは、かつては優等生であったが、今や
白人至上主義の活動にのめり込んでいた。極限まで体を鍛えナチス崇拝の
象徴の刺青を入れた彼は、ある日黒人の若者を殺害し刑務所に入れられて
しまう。そんなデレクの遺志を継いだのが弟のダニー。 そして兄と同じように
活動に足を踏み入れてしまう。そして3年後、兄のデレクが出所する日が来た。
私評:エドワード・ノートンと言う役者は本当にすごいと思う。今回の彼は
今までと役柄だけでなく、外見から何からまったく別人のようだった。人種
問題と言うのは我々日本人には、ちょっと理解しがたいところもあるけど、
それ以上のインパクトとショックがあった。病めるアメリカの恥部でもあるけど
現実にある問題なんですね。そして”家族”の絆も一つの大きなテーマに
なっている。 本当に狂気に満ちた映画です。ラストも衝撃的だった・・・。
1998年 : フランス映画
監督 : グラハム・ギット
主演 : メルヴィル・プポー、エロディ・ブシュエーズ、
プロの金庫破りアルマンは刑務所にいた。 出所後は堅気になろうと決めていたが、
そううまくは行かなかった。元恋人、その弟、そして凄腕のドライバーとの4人で
リトアニア人の屋敷から2000万フランを強奪すると言うものだった。 計画は完璧
だったが予想外の事態が次々と発生。 しかも、金庫に金はなく替わりに奇妙な小像が
そこにはあった。この小像をいただき、しかも人質まで取る羽目に。 リトアニア人は
血眼になって彼らを追うが、彼らの目的は人質なのか、それとも小像?? ついに始
まった危険なゲーム。 勝つのはどっちだ?
私評:「ドーベルマン」チームが仕掛けた大胆誘拐作戦。 しかし、相変わらず
テンポが良いです。 また、金庫破り、ハッカー、ドライバー、そして危険で
すぐにキレる詐欺師のコンビがなんともユニークで、そしてカッコイイ。ラストの
どんでん返しまで駆けぬけます。 「ロック・ストック・・」にも通じる、クライム
映画であり、またアクション&スピード満載の娯楽映画でもあります。ユリス役の
イザーク・シャーリーがめっちゃカッコイイ。 とにかく短気ですぐにぶち切れる。
ネゴシエーターのはずなのに、短気がいつも仇になる。 彼のパワーには恐れ入った。
1999年 : 東宝映画
監督 : 鶴田法男
主演 : 仲間由紀恵、田辺誠一、麻生久美子、田中好子
昭和43年。 母の死後東京にやってきた山村貞子は劇団飛翔の練習生となって
いた。 彼女の怪しい美貌は劇団内に不穏な雰囲気を漂わせた。音響担当の遠山も
貞子の魅力に心を動かされていた。 そんなある日、主演女優の愛子が休憩中に
謎の死を遂げる。 彼女が死ぬ前に楽屋でみんなに話した言葉「変な夢を見たの。
縁の欠けた井戸がある。 そして近くの家に入ると2階に上がる階段が。 でも、
その上には恐ろしくて上れない・・」みんなははっと顔を見合わせた。「私も同じ夢
を見た・・」 その頃新聞記者の宮地彰子は独自に貞子を追っていた。彼女の真の
目的とは? 貞子の怨念の起源が明かされていく・・・
私評:あまり期待してなかったのですが、とても面白かった。前2作は「恐怖」を
前面に出していたが今回はドラマの部分でも、すごくしっかりしていた。原作には
ない、新しい貞子の秘密が書き足されている。 産まれながらにして邪悪な人間では
なかったんですね。 しかし、後半で例の髪の毛をだらりと垂らした貞子が登場した
時は、場内から「出た!」と声が掛かった。(笑) もしかしたらジェイソンやフレディーより
有名なホラーのキャラクターかもしれませんね。仲間由紀恵ちゃんは思ったより全然良かった。
しかし、本当にセリフが下手なんですよね・・。
1999年 : 東宝映画
監督 : 水谷俊之
主演 : 木村佳乃、黒澤優、石黒賢、手塚里美、渡辺真紀子
阪神淡路大震災の直後、由香里ははボランティアとして神戸を訪れていた。
彼女は人の心が読めるエスパーだが、そのことがコンプレックスとなり悩んでいた。
そんな折、彼女は千尋という少女に出会う。彼女の中にはたくさんの人格が住んでいた。
両親の交通事故死、養父の性的虐待、臨死体験などが彼女の傷を広げていったのだ。
そして震災の直後から彼女に宿った、もう一つの人格ISOLA。そして彼女の周りで
起こる奇怪な事件。 ISOLAの謎を追う由香里が見たものとは? 封印された恐怖の
扉が今、開かれる・・。
私評:貴志祐介の原作はめっちゃ面白かった。読み終わった後に心臓がドキドキした。
それゆえに、この作品に対する期待と不安はちょっと半端じゃなかった。映画自体は、
とても良くできていると思います。1時間30分で収めるには説明が少なすぎる感も
ありますが原作を読んでいた私はその辺は問題なし。しかし、やっぱりドキドキまでは
至らなかった。セットとかもどうしてもチープに見えてしまうんですね。しかし、
由香里役の木村佳乃、千尋役の黒澤優はとても良かったです。特に木村佳乃は暗い影を背負った
由香里のイメージと合うかな?っと不安だったのですが、しっかり演じてました。渡辺真紀子さん
のナイスバディーを見れただけでも幸せと思わなくちゃ。あれは吹替えじゃないよね・・。