週末にまとめて鑑賞してきました。 しかし、今週はバラエティ豊かなラインナップ。
色んな国の映画を楽しみました!!
ゴッド・アンド・モンスター | 監督:ビル・コンドン | 主演 : イアン・マッケラン、ブレンダン・フレイザー | |
Gods And Monsters | 1998年 アメリカ映画 | ||
今週のイチ押し作品! 1930年代。『フランケンシュタイン』を始めとする恐怖映画で一世を風靡した映画監督、ジェームズ・ホエールも、今は引退しLAで静かに暮らしていた。発作を起こしては入退院を繰り返す生活。ある日、彼は新しく入った庭師ブーンに目を奪われる。そして彼に絵のモデルになって欲しいと懇願する。ブーンも彼が有名な映画監督だった事を知り、興味を抱く。 しかし、ブーンはメイドのハンナからホエールがホモセクシュアルであることを聞かされる・・・。 | |||
私評:1998年にアメリカで公開され、高い評価を受けながらも日本では劇場公開されずに、いきなりビデオ化された作品です。今回Gods and Mosnters日本公開推進委員会のみなささんの努力が報われ、レイトショーながら劇場で、しかもフィルムで公開される事になった。 私はこの映画の評判をアメリカの友人から聞いていて、一足早く昨年の初頭にアメリカ版ビデオを手に入れました。しかし、この作品の字幕なしは私には難しくて、理解できていない部分が多々ありました。今回、フィルムで公開されることになりその辺りの謎もいっぺんに解けて、より一層この映画の奥の深さ、そして完成度の高さを思い知らされました。低予算で作られた映画でも、シナリオの妙、そして役者の素晴らしさがこの映画を超一流の映画にしている。特にイアン・マッケランの演技は本当に素晴らしい。老いた男の過去の栄光と名声、そして醜聞と堕落。ブーンを口説く時のあのいやらしさ。そして愛する者の手によって殺されたいという切な願いをするときのあの瞳の輝き。アカデミー賞主演男優賞ノミネートは当然ですね。そして若き庭師を演じる、ブレンダン・フレイザー。どうしても彼のイメージはコミカルな感じがするのですが、この映画の彼はまったく違う。 そしてそしてメイドのハンナ役のリン・レッドクレーヴの怪しい演技(?)も見物です。 映画ファンならこの機会にぜひスクリーンでご覧あれ! |
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レンブラントへの贈り物 | 監督 : シャルル・マトン | 主演 : クラウス・ブランダウアー、ロマーヌ・ボーランジェ | |
Rembrandt | 1999年 フランス・ドイツ・オランダ合作映画 | ||
私評:レンブラント。 絵画に疎い私は昨年の「迷宮のレンブラント」という映画を見るまでは名前も知りませんでした。17世紀のオランダはアムステルダム。若き天才画家レンブラントはめきめきと頭角を現し、時の人となっていた。そして素晴らしい女性サスキアとの結婚。彼の人生は順風満帆に見えた。しかし、二人の間に生まれた子供は次々と死亡。4人目にしてやっと元気な男の子を得るが、引き換えにサスキアを亡くしてしまう。彼女の亡き後、息子を母親代わりに育てたヘルティアとの愛人関係、運命の女ヘンドリッキエとの出会い。彼女たちの支えがあってこそ、レンブラントのあの名画は生まれたのだ・・。 忠実に再現された17世紀のアムステルダムの町並み、そして衣装、建物。そして秀逸なのが脇のキャスティングだ。レンブラントのオリジナルの絵画に似た人を選んだため、彼らをモデルにした(実際にレンブラントが書いた)オリジナルの絵を見せられた時、まったく違和感がない。ジャン・ロシュホールは「トゥルブ博士の解剖学講義」の絵の人にそっくり。これは元から似ていたいのでラッキーなのか?? ロマーヌ・ボーランジェは「野生の夜に」と「太陽と月に背いて」のときが印象的でしたが、この映画の彼女は良かったです。そして私が好きなフランス人俳優リシャール・ボーランジェが、また癖のある説教師の役で出演していたのが嬉しかった〜。 やっぱり私はヨーロッパ映画が好きみたい。 | |||
春香伝 | 監督 : イム・グォンテク | 主演 : イ・ヒョジュン、チョ・スンウ | |
Chunhyang | 2000年 韓国映画 | ||
私評:韓国では知らない人はいないくらい有名なラブ・ストーリー。16歳の美しい娘春香は貴族の息子夢龍に見初められる。 身分の違う春香は夢龍にいずれ正妻に迎えると言う念書を書かせ結ばれた。二人はお互い愛し合い夢のような日々が過ぎて行った。しかし、夢龍の父親が都に行く事になり二人は離れ離れに。春香はいつまでも彼の帰りを待つと心に誓う。 新しい長官が春香をそば仕えを強要するが彼女は、夢龍と結んだ約束故に長官の命令に背き過酷な拷問を与えられるが彼女は断じて屈しなかった・・。パンソリと呼ばれる韓国の伝統芸能(日本で言う浪曲のようなものか??)と一緒に物語りは進む。このパンソリが最初は違和感があったのですが、段々と耳に心地よくなってきたから不思議。途中はけっこうコミカルだったりするんですよ。身分の違う若い男と女の恋物語は、さながら韓国版「ロミオ&ジュリエット」か?? 契りを結んだ夫に立てた貞節をひたすら守り通す春香。 そして都から立派になった夢龍がヒーローとなり彼女を救いにやってくる。 (この辺りはさながら、水戸黄門を連想させた) お互いのこのひたむきな愛は現代にも通用するのかな? 先日見た「初恋のきた道」といいこの映画といい、初恋の人に生涯添い遂げる女の映画に人気があるのは、それを願う人が多いからなのか?? 映画館はけっこう混んでました。 | |||
サイレンス | 監督 : モフサン・マフマルバフ | 主演 : タハミネー・ノルマトワ、ナデレー・アブデラーイェワ | |
Le Silence | 1998年 イラン映画 | ||
私評:イランでは上映禁止になっているらしい。でも、なぜ?? 盲目のコルシッドは伝統楽器の調律師の弟子として働き、母親を助けている。しかし、家は貧乏のどん底で大家から立ち退くように言われている。彼の聴覚は並外れて発達していて、ついつい美しい音に引かれて迷子になり、仕事に遅刻してしまう。楽器屋の親方はついに彼を首にしてしまう。コルシッドは迷子のわけを説明するため、美しい音色を奏でていた男を捜し、ひとり町をさ迷う・・。 日常のノイズに耳を傾けて見た。ネオンのチリチリと言う音、ラーメン屋の幟のはためく音・・・。日頃、視覚が邪魔をしてついつい聞こえているのに、聞き流している音が私の周りには溢れていた。先日見た「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でもそうだが、視力を失うと聴覚が研ぎ澄まされると言うのは当然のこと。ちょっと意識を集中すると、ほら聞こえなかった町のノイズが聞こえてきます。モフセン・マフマルバフの映像ってなんて美しいのでしょう。昨年見た「ギャベ」でも思ったのですが、イランならではの日常の風景を実に美しくカメラに収めていく。今回も少女たちが纏う衣装、森を映す湖(これもわざわざ上の部分を切って、湖に映る森を画面いっぱいに映している。)、少女と少年が歩く綿畑・・・。 本当に綺麗でため息が出そうだった。ウソか本当か知りたいのは、パンや果物を売る少女たち。 パンを売る子がズラーっと何十人も並んでいるシーンがあった。 これは本当なのだろうか? けっこう笑えるシーンだったので・・。主演のコルシッドを演じるタハミネ・ノルマトワは撮影が終了後に実は女だったと言う事が発覚したとか・・・。 | |||
追撃者 | 監督 : | 出演:シルベスタ・スタローン、レイチェル・リー・クック | |
Get Carter | 2000年 アメリカ映画 | ||
私評:スタローンの渾身の一作。果たして中身は?? ラス・ベガスで借金の取りたてを商売にするジャック・カーター。弟の葬儀のために久々に故郷のシアトルに戻ってきた。弟の死に疑問を持ち始めた彼は、一人捜査を開始しついに組織の陰謀により殺害された事実を突き止める・・・。 私は今回スタローンの映画だからと言うより、共演のレイチェル・リー・クック、ミッキー・ローク、マイケル・ケインという脇役陣を見たくて映画を見ました。スタローンは、外見は髭とスーツ、サングラスで隠しても、ランボーとロッキーにしか見えない。まあ、あまり彼に期待するのはかわいそうな気がする。レイチェルは良かった〜。どうもカワイコちゃんのイメージが強かった彼女が、鼻ピアス、タバコ、そして・・・と、ちょっとダーティーなイメージでグッドでした。ミッキー・ロークはずいぶんと変わってしまったね。(整形に失敗したと言う噂は本当なのかな?) スタローンとミッキーのファイトシーンが一つの売りになっているけど、これは期待はずれ。ミッキーが日本でのボクシングの試合で見せた、「猫なでパーンチ!」でも出してくれれば、日本人は喜んだだろうに・・。 マイケル・ケインは、やっぱりスゴイね。 彼の出ているシーンは映画が締まる。 1971年に作られた『狙撃者』(原題は同じくGet Caeter)では、主演を演じていたマイケル・ケイン。 この映画はオリジナルの方が全然面白いです。オリジナルはイギリス映画なので、ラスベガスがロンドン、故郷が(確か・・)ニューキャッスルなんですよ。 スタローン役が、マイケル・ケイン。 最近、リメイクの映画が多すぎるね。 | |||