週末に一気にスパートをかけて映画を見まくり。 こういう見方は私にはキツイ〜。
でも、まだ見逃している作品があるんです〜。
2000年 : アメリカ映画
監督 : スパイク・ジョーンズ
主演 : ジョン・キューザック、キャメロン・ディアス、キャスリン・キーナー
ジョン・マルコヴィッチ
才能はあるのに運に恵まれない人形使いのクレイグは、ペットショップに勤める妻と冷めた結婚生活を送っていた。仕事を探していた彼の目に「手先の器用な方求む」の求人が・・。マンハッタンの古いビルの7・2/1階にあるその会社で働くことになった彼は書庫の後ろに小さなドアを発見する。恐る恐る入っていくと、彼は穴に吸い込まれ、行きついた先はなんと,ジョン・マルコヴィッチの頭の中だった。しかし,15分後にはニュージャージーのハイウェイの脇に吐き出されてしまった。そこで彼は同じビルに勤めるキャリアウーマンとチームを組み、商売を始めるが・・・。
私評:「15分だけマルコヴィッチになれる!」ってすごい発想だと思いませんか? しかもビルの穴から彼の脳へ一直線。それを聞いた私は色々と想像を巡らせていました。ジョンにはどんな影響があるのか? ただ彼の目を通して覗くだけなのか? ジョンがこの穴に入ったらどうなるのか? 答えはすべて映画の中に用意されていました。このぶっ飛んだ発想が最高ですね。ちょっと悪乗り気味のジョンは映画でも最高でした。もう一人のジョン、キューザックとキャメロンの夫婦もちょっと浮世離れしていて、そんな夫婦がこの「穴」の発見とそしてキャリアウーマンのキャスリン・キーナーとの関係から、殻を突き破っていく様が楽しくもあり,悲劇でもある。なんと言ってもアイデアの勝利。何度も見てみたくなる映画です。
1998年 : ドイツ映画
監督 : ドーリス・デリエ
主演 : フランカ・ポテンテ、シュテフェン・ビンク
スペインの荒野。ヒッチハイクをする若い女がいた。やっと捕まえた車から、持っていたバッグを大地の放り投げた。彼女が差し出した一枚の紙には「私は聾唖です・・」と書かれていた。運転手はさっそくホテルへ直行。しかし,彼は・・。数日後に結婚式を控えたフランツェシカに元カレのクラウスから,再三の電話がかかる。「いい加減にして!」。彼女の店に服を買いにきた女性は。デブになったコックの夫と倦怠期・・。店を閉めたフランツェシカは降りしきる雨の中を運転中,急にワイパーが壊れて前の車に追突。あ〜,もう最悪・・!浮気夫と渋滞中に大喧嘩の夫婦。浮気相手の女に自殺未遂をされる男。 人生って綺麗には生きられないけど・・・。
私評:ドイツ版群像劇はとてもシュールで、そして暖かい。誰もが悩みを抱え、嘘をつきながら人生を全うするために、必死に生きてる。場所がドイツに変わろうとも、やっぱり抱えている悩みは万国共通なんだと、今更のように思いました。オープニングの赤く乾いたスペインのハイウェイ。巨大な牛の看板がどんどん近づいてくるシーンが印象的です。登場人物もみんな個性的です。さながらドイツ版「マイ・ハート・マイ・ラブ」? 登場人物の意外な相関関係もおもしろいです。主演のフランカ・ポテンテは「ラン・ローラ・ラン」のロ−ラ役で日本でもおなじみですね。今回は孤独なうそつき少女の役ですが、これもまたグッド。クラウス役のシュテフェン・ビンクは、ルトガー・ハウアー似のイイ男。ちょっと注目です!そして,注目は音楽です。スペインが舞台と言うこともあり,ふんだんにフラメンコの音楽が取り入れられています。
1998年 : イギリス映画
監督 : ジェレミー・トーマス
主演 : クリスチャン・ベール、ジョン・ハート
幼少期の交通事故のせいで脳に障害を持つ少年ボビー。この世でただ一人の理解者の母を亡くしたボビー。義父は、母の経営していた店を乗っ取ろうと、彼に誓約書のサインを強要するが、ボビーはそれを断る。すると義父は彼のペットのねずみを殺し、そしてついには彼を病院に送ろうと企てる。何もかも投げ出して,体ひとつで家を飛び出したボビーは、コーンウォールを目指す。そこは彼が夢で訪れたことのある場所だった。そこで彼はサマーズと言う男と出会う。彼は森を歩き回りながらハイウエーで轢き殺される動物たちを埋葬していた。サマーズに親近感を覚えたボビーは,彼に頼み込み仕事を手伝うことにする。自然に触れながらの毎日は、ボビーに新しいなにかを注ぎ込んだ。そんなある日,彼は義父の弁護士に偶然出会ってしまう。そして彼に場所が知れてしまう・・・。
私評:コーンウォールの大自然がなんとも美しい。この映画はいわゆる癒し系の映画だと思います。ただ,それだけで終わらせないのは、義父とのやり取り。この辺りでちょっとサスペンスっぽいスパイスも加味されている。この物語の最終的なメッセージは生きる意味の追求です。そして自然と人間との共存。しかし、押し付けがましい映画ではなく、あまりに純粋なボビーの目を通して静かに訴えかけてくる映画です。美しい自然を知ることは、共存の第1歩なんでしょう。サマーズを演じるジョン・ハートがなんとも言えない良い味を出してます。頑固で偏屈、しかしとんでもない過去を持った男です。(ネタバレになるのでここには書きません)また,ボビー役のクリスチャン・ベールはあの「太陽の帝国」の少年だったんですね。脳の障害により幼さが抜けきれず、喜怒哀楽がすぐに表に出てしまう少年を好演してました。
1999年 : アメリカ映画
監督 :キーネン・アイボリー・ウェイアンズ
主演:アンア・フャリス、シャノン・エリザベス、ジョン・エイブラハムズ
私評:敢えて筋書きは書きません。「スクリーム」&「ラストサマー」を見た人ならそれなりに笑える映画ではあります。と言うか,ほとんどこの2つの映画をコケにしまくった映画。そんな中にも、これらの映画を好きで好きで仕方がない〜、という熱烈なラブコールが聞こえてきそうなほど,愛情がこもってます。しかし、私的にはどうせならもっとたくさんの映画のシーンをパクリまくって欲しかったな。「スクリーム」「ラストサマー」はかなりの細かいでティテールにまでこだわっていて、セリフの一つ一つにまでギャグがふんだんに盛り込まれていた。中でも、映画館でいたぶられ殺されるビッチな女のシーンは最高だった。あんな女がいたら私もナイフで刺してやりたい。(爆)トイレで殺された男は最悪・・(笑) こういうおバカな映画にモラルを求めても仕方がないので、一緒になって楽しんじゃうしかないですね。私はクスクス笑いながら、90分間楽しんじゃいました。シンディ役の女の子が間抜けで、可愛かったのでOK!
2000年 : 日本映画
監督 : 阪本順司
主演 : 藤山直美、豊川悦司、佐藤浩市、大楠道代、牧瀬里穂
吉村正子は少女時代から陰気で、人付き合いも下手。いつも部屋に閉じこもってばかりいた。しかし、そんな彼女の理解者でもある母親が急逝。身内は妹ひとりになってしまった。しかし妹の一言にキレタ正子は彼女を殺害し逃走した。折しも阪神大震災に遭遇し彼女は容易に逃走をしてしまった。ラブホテルの従業員、スナックの店員をしながら、大阪から九州へと逃走を続ける。また、逃走中に出会った池田という男に恋をする。しかし、警察の手は着実に彼女に迫っていた・・・。
私評:藤山直美の一人映画という感があったけど、(まさにその通りなんですが)脇役陣が良いと、映画をグレードアップさせると言うお手本のような映画ですね。藤山直美はすごい存在感と迫力。画面に映っているだけで何かをアピールしてくる。どんクサイ女をめっちゃどんクサく演じるのも、彼女ならでは。脇役陣では、まずは男性人。豊悦がカッコイイ〜。佐藤浩市もテロリストよりこんなだらしない男の方が良いですね。そして中村勘九郎の酔っ払いが最高!ゆれるトラックの中は見たくなかったので良かった。(笑)女性陣も大楠道代が若い!彼女って年齢不詳ですね。そして牧瀬里穂が良いです〜。彼女ってお嬢さんぽい役よりこういういやな女の方が合っているような・・・。早乙女愛がすごいオバさんになってた・・。昔の清楚で純粋なイメージは何処へ・・。見所の多い映画です。