12/26/2001号


忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。

戦場のメリークリスマス  監督 : 大島渚  出演:デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし
Merry Christmas Mr. Lawrence  1983年 日本・イギリス合作映画
ジャワ山中の日本軍俘虜収容所の所長、ヨノイ大尉は2・2・6事件の決起に参加できず、自分を”死に遅れた”と思っている。そして彼の部下のハラは農民出身の志願兵。天皇にすべてを捧げる単純で粗暴な軍曹だ。しかし、ハラが唯一、信頼する俘虜がいた。彼の名はロレンス。彼は日本語を理解できる英国軍の中佐だ。そんな時、瀕死の重傷を負い,収容序に担ぎ込まれてきた男がいた。彼の名はセリアズ少佐。ヨノイとはかつての戦友だった。歴史のいたずらが、こんな世相に彼らを引き合わせ、互いに衝突をさせる。そして二人の間には様々な葛藤が・・・。しかし、お互いが理解と寛容に達した時、国家の戦いは終焉を告げる・・・。
私評:メリー・クリスマス ミスター・ロレンス・・・・この映画は美しい男たちの映画です。坂本龍一,デヴィッド・ボウイという外見の美しさも然ることながら、国境・性別を超えた愛が語られる。それは狂おしいまでに美しい。男同士の同性愛についても,鋭く描かれている。映画の中でオランダ兵を犯した、日本兵(ジョニー大倉)が「ハラキリ」をするシーンは、この映画の中でも残酷なシーンであるにも拘らず非常に美しい。そして国の違い、文化の違いが思想の違い、モラルの違いを生み出す。つまり,日本映画が、世界に向けて国の恥部をさらけ出している映画でもある。しかし、大島渚の映像は本当にシンプルでいて,美しい。ラスト・シーンで翌日処刑されるハラを訪ねる、ローレンスのシーンが大好きです。あのたけしの菩薩のような顔・・・あのラストの彼の顔のアップは,生涯忘れる事ができないくらいのインパクトだった。ロレンス役のトム・コンティ、所長役の内田裕也らも,すごく良かった。まさに名作と呼ぶにふさわしい作品ですね。
ダイ・ハード  監督 :ジョン・マクティアナン  出演 : ブルース・ウィリス、アラン・リックマン
Die Hard  1988年  アメリカ映画
ニューヨークの刑事ジョン・マクレーンはクリスマス休暇を家族と過ごすために、ロサンゼルスにやって来た。妻のホーリーが勤務するナカトミ・ビルで彼女を待っていたその時、突如としてビルはテロリストによって占拠されてしまう。彼らの狙いはビルの金庫に眠る譲渡可能な無記名の証券だった。テロリストのリーダー・ハンスは、その道のプロを集め、まさに鉄壁の襲撃・・・・のはずだった。ただ一つ,彼の誤算は居るはずのなかったニューヨークのタフな刑事、ジョンの存在だった。今や,ビルはテロリストとジョンの戦場へと変貌を遂げた。ビルに閉じ込められた人質の運命は?そしてジョンは妻のホーリーを守る事ができるのか??・・・・・
私評:決してくたばらない男、ダイ・ハードマン!・・・・1988年の年末にこの映画が日本で公開された時は、ブルース・ウィリスなんて名前は知りませんでした。(今では知らない人がいないくらい有名だけどね・・) 実は私はこの日、亡き伊丹十三監督の「スイート・ホーム」を観に行ったのですが、劇場が満席で仕方なく,隣で上映されていたこの映画を観に行きました。ところが、これはめっちゃ嬉しい誤算でした。映画が始まって15分後には、身を乗り出して画面に釘付け、次から次へとピンチを迎え、そしてパワーと知力で突破して行くジョンの大ファンになってました。しかも、すごくディテールに拘った内容で、武器の一つをとっても、細かい所にまで演出が行き届いている。そしてビルを一個ぶっ壊してしまうほどの大爆発!もう,最高でしたね。この映画でブルース・ウィリスの名前は永遠に私の脳にインプットされました。ジョンのパワーの源は愛する妻のホーリー。彼女を演じるのはボニー・ベデリア。そしてトランシーバーを通じて、ジョンと奇妙な友情を育む黒人警官のアルを演じるのはレジナルド・ベルジョンソン。この二人は「ダイハード2」にも出演しています。悪のリーダーはアラン・リックマン。やっぱり彼は悪が似合うぜ!そして彼の部下の切れやすいカールを演じるのは「刑事ジョン・ブック」にも出演していたアレクサンダー・ゴドノフ(彼は若くしてこの世を去りました・・・)。最後のクリスマス・ソングも印象的でしたね! 


前回のも見てね!



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