10/5号
忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
1953年 アメリカ映画
監督 : ウィリアム・ワイラー
主演 : オードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ぺック、エディ・アルバート
ヨーロッパ旅行中の某小国の女王アンは、いつも待従付きの生活にウンザリ。
たまには、一人で自由気ままに歩いてみたい!と思っていた。 そして、ついに
ローマの街でそれを実行に移してしまった。 初めての自由に大はしゃぎのアン。
やがて、疲れてベンチで寝ている所を新聞記者のジョーに起こされる。 最初は
変な娘と思っていたベンも、彼女が女王だと気付きこれをスクープにしようと企む。
翌日は二人のデート。 心ゆくまで『ローマの休日』を楽しんだ二人。 そして、二人は
恋に落ちる。 そして、雨の中の別れ・・・。 翌日、開かれた記者会見。
各国を旅する彼女に、どこの国がお好きですか?と質問が。 杓子定規な言葉で
「どこの国も・・・」と言おうとするが「ローマが最高です。」に置きかえる。 会場には
ジョーの姿が・・・・・。
私評:この映画を嫌いな人なんていないでしょう? この映画のオードリーは最高ですね。
とてもチャーミング。 スペイン広場での花屋とのやり取り。 アイスクリームを食べるあどけない表情。
真実の口でのベンの悪ふざけ。船上パーティーのダンスシーン。 そして河に飛び込む痛快さ。
どこをとってもつい、笑顔になってしまいそうな映画です。 グレゴリー・ぺックもめちゃカッコイイですよね。
スペイン広場のシーンで後ろの時計を注目!! カット割りする度に時間が行ったり来たり。
それと真実の口のシーンは、グレゴリーとオードリーには内緒で隠し撮りしたシーンだとか。
二人が役を離れてふざけあっているシーンをそのまま使ったんですね。 後からアップのシーンを入れて
出来あがり。だから、あのシーンはリアリティがあるんですね。 蛇足ですが、私の母はオードリーファン。
ローマの休日を見て髪を切り、麗しのサブリナを見てサブリナパンツを着たという。 若かりし日の思いで・・。
1978年 アメリカ映画
監督 : マイケル・チミノ
出演 : ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・カザール
メリル・ストリープ、 ジョン・サベージ
主人公マイケルは製鉄所に勤め、休日には職場の同僚たちと鹿狩りを楽しんでいた。やがて、
彼らの元にも政府からのベトナムへの召集礼状が届く。
そんな彼らを待ち受けていたのは
まさに地獄だった。敵に捕まり、そこで命をかけたロシアンルーレットをやらされることになったのだ。
迫り来る死の恐怖と、精神崩壊の危機にさらされる彼ら。何とか脱出に成功するが、仲間の一人が
重傷を負ってしまう。川を下りながら救出を待つ彼らの前に、味方のヘリコプターが姿をあらわす。
重傷の仲間をヘリに乗せたマイケルとニックは、また川を下り街へと辿り着いた。
別々に国に帰ることになった二人は、ここで別れる。
やがて、帰還したマイケルは、かつての
友人たちを尋ねることにした。 そして彼が見たものは、両足と片手を失い車椅子での生活を余
儀なくされる仲間の変わり果てた姿だった。その彼から「毎月、誰かがベトナムから送金して
くれている。」という話を聞き、マイケルは一抹の不安を覚えた。ベトナムで別れたきり、ニックの行方がわからないのだ・・・・・
私評: まさにベトナム戦争が生んだ、狂気だった。 故郷ペンシルバニアで青春を謳歌する若者の友情から
この映画は始まる。 鹿狩りの緊張感、友人の結婚式、酒・・。 どこにでもある平和で長閑な幸せ。
しかし、それらを一瞬にして吹き飛ばしたのはベトナム戦争だった。 まさに、地獄へと引っ張り出され、
銃弾が飛び交う中を走り抜け、そしてあのロシアン・ルーレットへと行きつくわけです。 デ・ニーロの演技は
もちろん良いけど、この映画で一番インパクトがあるのはクリストファー・ウォーケン。 ロシアン・ルーレットの
恐怖をから完全に神経に異常をきたしてしまう・・・。 テーマはもちろん反戦。 戦争が何を生むのか?
失うものは星の数ほどあるが、何一つ生み出さないではないか? 時々映画に挿入される、あのギターの
曲は物悲しい・・・。