9/21号
忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
1971年 イギリス映画
監督 : スタンリー・キューブリック
主演 : マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー、ウォーレン・クラーク
麻薬とセックスを生き甲斐にして幅を利かせる近未来の不良少年グループ。
リーダーのアレックスは極悪非道、モラルも無ければ情けもない男だった。
しかし、ある日殺人事件で仲間に裏切られた彼は警察に捕まり投獄される。
その時政府は新しい実験台を求めていた。 攻撃性をまったく無くしてしまう
洗脳の実験台として選ばれたアレックスは、すっかり大人しくなってしまい、自ら
暴力を振るおうとしたり、セックスのことを考えると吐き気さえもよおす人間となって
しまった。 釈放された彼は今までの加害者から被害者に立場が逆転してしまう。
まるで、今まで自分が犯した罪を全て償うかのように・・・。
私評:スタンリー・キューブリック監督の名作の一つ。 強烈なバイオレンスをとてもクールな目で、しかも的確に
映画にできたのはまさにキューブリックの真骨頂。 スティックで殴りまくるシーン、「雨に歌えば」を口ずさみながら
女を犯すシーンなど、今や伝説的なバイオレンスシーン。 ん〜、それなのにカメラはまっすぐに捕らえるんですね。
音楽の使われ方も良いです。 ベートーベン好きな主人公のアレックスには常に、ベートーベンがつきまとう。
しかも、クラシカルな物でなくとてもポップなベートーベン。 母乳成分のウルトラミルクバーの妖しいインテリア、
広大なレコードショップ、原色を施した衣装など、まさに未来を予見したかのような映像の数々には驚かされるばかり。
さすがキューブリックと、唸りたくもなります。 最近発売されたニュープリント、無修正版の発売は彼の名作を見直す
良いチャンスだと思います。いかかでしょう?
1973年 アメリカ映画
監督 : ジョージ・ロイ・ヒル
出演 : ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショー
1936年のシカゴ。 下町にたむろすチンピラ3人組みは、バックに大組織が
控えているとも知らず、ある男をカモって大金を手にする。 怒った組織は
チンピラの一人を殺害。 そこで残ったチンピラの一人フッカーは賭博師
ゴンドーフの力を借りて復讐のため、ギャング団を相手に一世一台の大イカサマ
を企てた。 どんでん返しの連続、最後に笑うのは誰だ??
私評: 当時、ハリウッド映画でもっとも輝いていた男優のコンビポール・ニューマン&ロバート・レッドフォード。
明日に向かって撃て!で既に共演していただけあって、最高のコンビでした。 1973年。 忘れもしない渋谷の
映画館の看板は「エクソシスト」と並んでこのパンフと同じ絵が並んでいた。 「いっちょう、カモろうぜ!」という
セリフも当時のマイ・ブームでした。 アカデミー賞7部門受賞は伊達じゃない。 ニセ競馬のシーンの緊張感
は本当にドキドキだった。 悪役のロバート・ショーが怖いんだよね〜。 レッドフォードは少年のようでかわいい。
ラストのどんでん返しは誰もがニヤリとせずにはいられないでしょう。 超お奨めの娯楽作品。 肩の力を抜いて見れますよ。