9/25/2000号
忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
1974年 イギリス映画
監督 : リチャード・レスター
主演 : リチャード・ハリス、オマー・シャリフ、アンソニー・ホプキンス
豪華客船ブリタニック号に爆弾が仕掛けられた。 しかもメガトン級の爆弾が7つも。下手な小細工をすれば、船は木っ端微塵に吹っ飛び、大西洋の藻屑となってしまう。犯人の名は「ジャガーノート」。彼の要求は50万ポンド。 夜明けまでに用意すれば、時限爆弾を止める方法を教えるという。 処理に当たったのは爆弾処理のプロ、ファーロン中佐だ。7人の精鋭を揃え、7つの爆弾を同時に解体し始める。 揺れる船の上での作業は至難の技だ。 しかし、ファーロンは途中でこの爆弾の特性に気づく。 どこかで見たことが・・。 一方,ロンドン警察も独自のルートで犯人探しを開始する。 果たしてファーロンは時限爆弾を取り除くことができるのか???
私評: これは最高のサスペンス映画です。 精巧に作られた爆弾は,威力はもちろんだが、ちょっとでも触れるだけで、爆発してしまう。航行の途中嵐に遭い、揺れ動く船の上での爆弾処理は手に汗握るシーンだ。 大詰めで2本のワイヤーの色を選んで、勝負をかけると言う設定は、今でこそ良く見るシーンですが私はこの映画で初めて見た。 しかし、この映画はキャストがめっちゃ良いです。 主演は当時のイギリス映画のトップスター,リチャード・ハリス。先日、久々に「グラディエーター」でお姿を拝見しました。 そして船長があの、「アラビアのロレンス」のオマー・シャリフ。そしてロンドン警察の刑事に、若かりし日のアンソニー・ホプキンスという贅沢な顔ぶれだ。 また、この映画のおもしろいところは、実際に嵐の日にホンモノの客船を航行させ、そこで撮影を行ったと言うこと。 それだけにリアリティーはお墨付きです。 果たしてドライバーとカッターだけで、1200人の乗客の命を救うことができるのか??? 結末は見てのお楽しみです。
1975年 アメリカ映画
監督 : ミロス・フォアマン
主演 : ジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー、ダニー・デヴィート
オレゴン州立精神病院に一人の男がやってきた。彼の名はランドル。刑務所の強制労働を免れるために精神病を装い、ここにやってきたのだ。しかし、彼が病院の中で見たものは、絶対君主制の中で植物人間のようになっている患者たち。中でも、看護婦長のラチェットは絶対の権限を持っていた。その日からランドルの反抗が始まった。 野球放送をTVで見せろ!そしてランドルはインディアンの「チーフ」と脱走を計画する。 お別れの乱痴気騒ぎの中、ランドルは患者のビリーとランドルの女友達キャンディーを別室で二人きりにしてあげたが、その現場をラチェッドに見られたビリーはショックを受け・・。 それに逆上したランドルは病棟から連れ去られてしまう。数日後、戻ってきたランドルにかつての覇気はなかった・・・。
私評: 大好きです、この映画。 1975年度のアカデミー賞を総なめにした傑作です。 ジャック・ニコルソンがパワー全開! もちろん彼は主演男優賞をゲット。 そして憎き看護婦長がルイズ・フレッチャー。 彼女は主演女優賞。受賞のスピーチが傑作で「皆さんがこの映画を見て、私を憎んでくれたのでこの賞を取れました。 みなさん、私を憎んでくれてありがとう!」(爆) 監督は最近作「マン・オン・ザ・ムーン」のミロス・フォアマン。 彼も監督賞を受賞。 そして1984年に「アマデウス」で再びオスカーを手にするんですね。私はこの映画の中のビリーを演じたブラッド・ダリフが印象的でした。とても純粋だからゆえ、体制に流されてしまう。しかし、そのナイーブさが悲劇を・・。 ラストは泣きましたね。 チーフがとった行為は友情だったのでしょうね。 ラストの窓の向こうの世界の明るいこと・・。 感動の名作です。