09/06/2002

忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。

裏窓  監督:アルフレッド・ヒッチコック  出演:ジェームズ・スチュワート、グレース・ケリー
Rear Window  1957年 アメリカ映画
カメラマンのジェフは足を骨折し、グリニッチ・ヴィレッジのアパートで療養中。身動きの取れない彼にとって退屈しのぎの楽しみは、窓から見える中庭と向いのアパートの住人たちを眺める事。ある日、ジェフはセールスマンの夫と激しい口論をしていた病床の妻の姿が見えなくなった事に気づいた。その夜に聞いた悲鳴、深夜に部屋を出入りしていたセールスマン。その内に、ジェフはその男が女房を殺したのではないかと疑い始める。最初は信用していなかった恋人のリザと看護人ステラだったが、2人はジェフに協力して証拠収集に動き始める。そしてついに決定的な証拠が・・・・・・・・・。
私評:そんな覗きばかりしていると、そのうち見なくて良いものまで見てしまうのよ。あ〜、トラブルの匂いがするわ・・・・数あるヒッチコックの作品の中でも、イチバン好きな映画がこの「裏窓」です。サスペンスはもちろん、笑いもいっぱい。とにかく飽きさせません。そしてカーテンも閉めずに、開けっぴろげな隣近所がみんな個性的。売れない作曲家が奏でるピアノ。男たちのお相手が仕事のグラマラスなブロンド。そしていつかステキな恋を夢みる初老の女性。事件には直接関係ないのですが、脇役の彼らがサスペンス映画の一服の清涼剤になっています。特に初老の女性(ジェフとリザは彼女を、ミス・ロンリーハートと呼んでいます)の話はすごく印象的でした。しかしながら、この映画のイチバンの見どころはグレース・ケリーの美しさでしょう! すごい美人だし、この映画でのファッションもすごく良いし、そしてスカートでハシゴを登ったり、柵を跨いだりしてちょっとお転婆なところもみせてくれます。いや〜、私なんかグレース・ケリーを見てるだけで幸せな気分・・(笑)彼女の出演作はそんなに多くはないですが、この映画のグレースが一番美しいと思いました。あの自分の名前を言いながら、一つ一つ照明を点けるシーンは映画史に残る名場面だと思っています。ジェームズ・スチュワートがもう、ちょっと若かったら最高だったんだけどなー。そして最後にこの映画のセットはすごいですね。実際に4方が住宅に囲まれたセットをスタジオの中に作ってしまったのです。元々、野外ロケが嫌いなヒッチコックらしい?なお、左のパンフレットは1982年のリバイバル公開の時のものです。
卒業  監督 :マイク・ニコルズ  出演:ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト
Graduatuon  1991年  アメリカ映画
大学を卒業したばかりの若者ベンジャミン。彼は自分の将来の明るさを確信し、自信満々だった。ある日、ベンは祝賀パーティの席でミセス・ロビンソンという中年女性と知り合う。二人はあっという間に関係を持ち(この時までベンは童貞だった!)、人の目を忍んでの逢瀬を重ねる。だが彼女の娘エレンが現れふたりの関係は崩れていく。親の勧めでエレンとつきあっていたベンは、エレンの素晴らしさを見出し、次第に彼女に惹かれていったのだ。しかし、そんな若い二人に嫉妬したロビンソン夫人は、ベンとの関係をエレンに全て話してしまう。落胆するエレンは、別の男と結婚する事に・・・・ ・・・
私評:(ドンドンドンドン)「エレーン!エレーン!!」・・・・「ベ〜ン!!!」・・・・・。この有名なラストシーンは、映画ファンならずともご存知の方が多いはず。サイモンとガーファンクルの音楽に乗せ、軽快なテンポで映画は進んでいきます。しかし、カラッとした作品ではあるけれど、取り上げている題材はかなりシュール。不倫ものだからね。いわゆる、アメリカンニューシネマ全盛の時に作られたこの映画は、青春映画という括りにはなっているけれど、爽やかではないし、妙に生々しいんですよ。この映画を語る上でアン・バンクロフトの存在を忘れてはなりません。歳下の青年を弄ぶ有関マダムを、ここまでリアルに、ここまでしっとりと演じられるのは彼女を置いて他にはいないでしょう?そして主演のベンを演じるのは若きダスティン・ホフマン。ミセス・ロビンソンに弄ばれ、ついには童貞喪失!しかし、これを境に男は一皮剥けて強く逞しくなるんですね。そんな若い力を持て余している男役を好演し、彼は一躍有名になったのです。そしてエレン役はこれまた若きキャサリン・ロス!当時のハリウッドスターの中でも一番の清純派女優でしたね。この映画のラストのバスのシーン。ベンは何を考えていたと思いますか?うっすらと笑っているようにも見えましたが・・・。


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