08/21/2002


忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。

勝手にしやがれ  監督:ジャン・リュック・ゴダール  出演:ジャン・ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ
A bout de Souffle  1959年 フランス映画
警官を殺してパリに逃げて来た自転車泥棒のミシェルは、アメリカ人の恋人パトリシアとお互い自由で束縛のない関係を楽しんでいた。そんなある日、彼の元に警察の手が及んでくる。パトリシアはミシェルの愛を確かめる為、彼の居場所を警察に密告、そして彼にも同様に警察が追ってきた事を伝えるが・・・・・・。

私評:「最低だ」「最低ってなんのこと??」・・・・ゴダールの作品はすごーく好き嫌いがはっきりすると思うのですが、ゴダール未経験者にはこの『勝手にしやがれ』をお勧めしたい。ジャガイモみたいで全然二枚目じゃないジャン・ポール・ベルモンドが、めっちゃカッコ良く見えるんですよ。それは生き様、ファッション、セリフ、そして仕草にいたるまでカッコイイんです。トレンチコートをあんなにカッコ良く着こなせるヤツはいない!彼女に金を借りに行く前に、ゴミ箱から新聞紙を拾ってサッサと靴を拭いてから出かける気障さ!そして親指で唇を弄る仕草!!この映画を初めて見た時、私はもう20歳を過ぎていたけど少年のように彼を真似した。そしてショートカットの女を初めて良いと思ったのが、この映画のジーン・セバーグ。インテリで、コケティッシュで、そしてちょっと小悪魔。とにかくこの二人のカップルが最高にカッコ良かった。二人が白いシーツの中でうごめくシーンなんて映画史上でも屈指のラブシーンです。でも、決してカッコイイだけの映画ではないです。「人生なんて最低!」というのが、この映画のコンセプトなんで・・。以来、私はゴダール作品を幾つも見てきましたが、この監督の作品は当たりハズレが激しい。

奇跡の人  監督 :アーサー・ペン  出演:アン・バンクロフト、パティ・デューク
The Miracle Worker  1962年  アメリカ映画
生後19ケ月で、熱病により目、耳、そして言葉も失ってしまったヘレン。両親は必死になって彼女のための学校を探すが、ヘレンを受け容れてくれる学校はなかった。そんな時、ヘレンを救うためにこの家にやってきたのは自身も盲目を克服した女教師アニー・サリヴァンだった。サリヴァンは、文明から隔絶してしまったかのような7歳の少女ヘレンに、彼女を取り巻く世界を認識させようと必死に努力を重ねていくが、ヘレンにはその真心が伝わらない・・・・
私評:ご存知ヘレン・ケラーのお話です。元々は舞台劇だったのですが、それを当時は新人監督だったアーサー・ペンが映画化した。(アーサーは舞台の演出もしていました。そしてこの作品で彼はアカデミー監督賞を受賞)そして役者陣も舞台から引っ張り出した。このサリバンとヘレンの二人の演技は凄まじいほど素晴らしい。サリバンを演じるのはこの映画でアカデミー主演女優賞を受賞した、アン・バンクロフト。そしてヘレンを演じるのはやはりアカデミー助演女優賞を受賞したパティー・デューク。オスカーを獲って当然の演技です。構成はいかにも舞台作品!って感じですが、映画ならではのこだわりもふんだんに獲り入れられている。そしてこの映画のラストの感動と言ったら・・・。ところが、私がこの映画を初めて見た時、この映画のヘレンが『エクソシスト』のリーガンとダブってしまい、ちょっと怖かった(笑)。また、この映画でヘレンを演じたパティが1976年に作られたこの映画のリメイクで、今度はサリバンを演じているのもすごく興味深いと思いませんか??まさに、感動の名作です!! 


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