6/5号
忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
1989年 アメリカ映画
監督 : ジェームズ・キャメロン
主演 : メアリー・エリザベス・マストランニオ、エド・ハリス、マイケル・ビーン
海底油田の採掘作業に携わっていた民間のダイバーチームが深海で座礁した
原子力潜水艦の調査と救助を依頼される。 思いもよらぬ危険な様相を
見せ始めたこのミッション。 併せて海上でもハリケーンが襲い、 海底の彼らとの
通信は途絶えてしまう。 SEALの隊長の謀反、深海のエイリアンとの遭遇、
そして彼らは想像を絶する冒険へと誘われて行く。
その旅の果てに彼らは究極の神秘とファンタジーの世界を発見し、
人類は愛のメッセージを受け取るのだった。
私評: タイタニックのジェームズ・キャメロンの映画です。 何と言ってもこの映画の凄さは海底撮影。
アメリカで建設途中だった原子力発電所の原子炉収容施設に750万ガロンの水を入れ撮影されたと言う。
特撮技術もさる事ながら、私が好きなのは主人公の離婚寸前の夫婦が絶体絶命の境遇で、再び愛を
育んでいく過程。 けっこう、グッときました。 そして、ラスト近く核の起爆装置の解除の為に、未知の海溝
へと沈んで行く主人公のバドのセリフが好きだ。 残された酸素は後わずか。 海底で作業をし終えた彼が
愛するリンジーのために、メッセージを送るんです。「片道切符は分かっていたさ。 でも、誰かがやらなければ・・。」
キャメロン監督の映画は、すごいSFXが売りみたいに思われがちですが、テーマの根底は人間愛です。
この映画は私の周りでは、どうも評判がイマイチなんですが私は大好きです。 できれば、完全版を見る事を
お奨めします。
1992年 アメリカ映画
監督 : フランシス・フォード・コッポラ
主演 : ゲイリー・オールドマン、ウィノナ・ライダー、アンソニー・ホプキンス
キアヌ・リーブス
15世紀、東欧ワラキアに実存したと言う謎の英雄ヴラド・ドラキュラ。 最愛の女を失い
神との関係を断絶した彼は以来400年間、永遠の恋人を捜し求めさまよっていた。
彼の元を訪れた青年弁理士のロケットの写真を見て、ドラキュラは言葉をなくす。
中の写真の女は400年前に死別したエリザベータに瓜二つだったのだ。 彼女(ミナ)
を手に入れるべく青年弁理士を隔離し、自らロンドンに赴くドラキュラ。 ミナの友人、
ルーシーを毒牙にかけたドラキュラに、宿敵ヘルシング教授が現れる。 そして、ついに
ミナにもドラキュラの毒牙が。 ラスト、ドラキュラは自らの城に追い詰められ最期を
迎えようとしていた。
私評 : なんて切ない映画なんでしょう。 まさに、愛情と狂気は紙一重なんです。 ドラキュラが神と絶縁し
自ら悪魔として君臨したのは、最愛の女を失ったため。 運命に裏切られ自ら悪の化身として永遠の
命を得たのは、最愛のエリザベータの再来を信じていたため。 悲恋です。
この映画のテーマも愛です。 こんなに悲しく切ない、ホラー映画はないです。
また、この上なく美しく大胆なカメラワーク。 そして、キャストの妙。 まずは、ゲイリー・オールドマン。
彼のオーバーな演技がまた良いんです。 そして、アンソニー・ホプキンス。 この映画の重臣です。
ウィノラ・ライダーの輝くばかりの美しさ。 全てが揃ってます。 ラストのミナに運命をゆだね、ついには
神に召されるドラキュラの笑顔は忘れられません。 また、この映画の主題歌「ラブ・ソング・フォア・バンパイア」
(ユーズリミックスのアン・レノックスの歌)がまた良いんです。