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忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
1982年 アメリカ映画
監督 : リドリー・スコット
主演 : ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング
西暦2020年、人口過剰と環境汚染に満ちた地球。 多くの人間たちは
他の惑星へと移住して行った。 その頃の地球の花形産業は遺伝子工学。
世界中の動物が死滅したとき、この分野はペット用の人口動物を作りだしたのだ。
業界はすぐに人間をも生産し始める。 レプリカントと呼ばれる彼らは植民惑星で
奴隷のように扱われていたのだった。 しかし、最新のレプリカントはあまりに
人間に近かった。 感情をも持ち合わせた彼らの中の4人が謀反を犯し、地球に
逃げ込んだ。 彼らを討つべく解き放たれたのは腕利きのブレードランナー、
デッカード。 彼は一人また一人レプリカントを倒して行く。 しかし、レプリカントには
あらかじめ短い寿命しか与えられていなかった。 レプリカントたちのボス、バッテリは
単身、レプリカントの製造元のタイレル社に乗りこみその呪縛を解こうとする。 しかし、要求は拒絶される。
ラスト、デッカードとバッテリの壮絶な対決が繰り広げられる。
私評: 未来の地球はまさに、こんな風なんだろうと思わせる凝りに凝ったセット。
ネオンと雨と超高層ビル・・・、多くの文化がごった煮になった地上の風景も唖然とさせられた。
しかし、そんな風景が美しい。 そしてバンゲリスの音楽がまた良い。
ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアーのラストの戦いのシーンはアートだね。 めちゃめちゃに
いたぶられるハリソンが可愛そうに見えるが、最後のルトガーはもっと可愛そう。
そしてもう一つ書かずにはいられないのが、女レプリカントのダリル・ハンナ。 この映画の彼女は
好きだな〜。 監督のリドリー・スコットは「エイリアン」につづくSF作品。 しかし、彼の作り出す
絵はまさにアート。 キレイすぎる。
1974年 アメリカ映画
監督 : シドニー・ルメット
主演 : アルバート・フィニー、 イングリッド・バーグマン、 ローレン・バコール
1930年ニューヨークで大富豪の3歳になる娘が誘拐される。 多額の身代金が
支払われたにもかかわらず、幼児は死体で発見される。 ショックで夫人は死亡。
主人もピストル自殺を遂げた。 5年後、イラン・イスタンブール駅。 アジアと
欧州を結ぶオリエント急行が発車しようとしていた。 この列車には名探偵
エルキュール・ポワロも乗り合わせていた。 2日目の深夜、バルカン半島の
山間にさしかかった時、折からの雪のため列車は止まってしまう。 その翌朝
ポワロの隣のコンパートメントのアメリカ人が、刃物で体中を刺され殺される。
死体の傍のへこんだ時計、パイプ掃除器、ハンカチーフ。 しかし、昨夜からの
雪のため犯人が外に逃げる事はできず、この列車の中の誰かだと言うことは明らか。
ポワロは乗客の一人一人にアリバイと動機を調べるが、全員にアリバイが・・・。 ポワロの灰色の脳細胞がフル回転し始める。
5年前の事件との意外な繋がりが明らかになる。
私評 : もう、この映画には文句のつけようがない。 監督は「12人の怒れる男」のシドニー・ルメット。
登場するスターのすごい事! この映画でアカデミー助演女優賞を獲得したイングリッド・バーグマン
H・ボガードの名パートナーローレン・バコール、「サイコ」のアンソニー・パーキンス、 イギリスの名優
サー・ジョン・ギールガット、 輝くばかりの美しさのジャクリーン・ビセット、 今だにハリウッドで大活躍中の
ショーン・コネリー、三銃士のダルタニヤンを演じたマイケル・ヨーク、・・・とそうそうたる顔ぶれ。
原作は言わずと知れたアガサ・クリスティー。 これが面白くないわけがない。 ラストの謎解きのテンポが
速すぎるのが、ちょっと気になるけどとにかくオモシロイ。