5/25/2003
忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
コレクター | 監督:ウィリアム・ワイラー | 出演:テレンス・スタンプ、サマンサ・エッガー | |
The Collector | 1965年 アメリカ映画 | ||
内気で虐められキャラの青年フレディは、競馬に大勝し大金を得る。そして彼は人里はなれた屋敷を買い、ある計画を実行する。それは若く美しい美大生のミランダを誘拐し、ここに幽閉することだった。数々の駆け引きの末、彼女は4週間の期限付きで囚われの身となることを了承する。自由を束縛されて入るものの、フレディは紳士的で彼女に必死に尽くす。何度も逃亡を試みるミランダ。しかし、全てが失敗と終わった。ある日、彼女はフレディの唯一の趣味である蝶の標本を見る。虫ピンで刺された蝶は、まさに自分を見ているようだった。そして期限の4週間が過ぎた。最後の晩餐の席でフレディはミランダにプロポーズをするが・・・・・。 | |||
私評:この蝶たち、なんだかとても悲しい・・・・・この映画は今は新しい建物になってしまいましたが、旧文芸座で中学生のときに見ました。実はこのとき私は2本立てのもう一本「暗闇にベルが鳴る」を目当てで行ったのですが、この映画にもめちゃはまりました。この映画のフレディ役を演じるテレンス・スタンプのあの無機質で、そしてビクビクした様が本当に不気味。しかし、コレクションの蝶の事になると、瞳をキラキラ輝かせて・・・。本当に不気味でした。文芸座で映画を見てから実に二十数年を経て、今回再びDVDでこの映画を鑑賞したのですがやはりすごく面白かったです。中学生のときはフレディの気持ちは全然理解できず、ただのモンスターにしか見えなかったのですが、今回はフレディの気持ちにも触れることができ一段とこの映画を楽しめました。テレンス・スタンプは「サイコ」のアンソニー・パーキンスを意識していたようですが、彼独特の世界を演じていたと思います。(若い頃の彼ってジュード・ロウに似てると思ったのは私だけ??)そしてミランダ役のサマンサ・エッガーが良いですね〜。頭の良い彼女が、時には色仕掛けで彼を落とそうとする。この辺りなんか妙に色っぽくてね。ウィリアム・ワイラーはやはり天才だと、今回納得しました。 |
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ビッグ・ウエンズデー | 監督 :ジョン・ミリアス | 出演:ジャン・マイケル・ビンセント、ウィリアム・カット | |
Big Wednesday | 1977年 アメリカ映画 | ||
1960年初頭のカリフォルニア。サーファー仲間のマット、ジャック、リロイは浜のヒーローだった。彼らは必ずややってくる伝説の水曜日の波「ビッグ・ウェンズデー」に乗ることを夢見ている。若い彼らはやることなすことはちゃめちゃ。そんな中でマットは恋人から妊娠を聞かされる。70年代に入りアメリカはベトナム戦争に足を踏み入れる。身障者を装いマットとリロイは兵役を逃れたものの、生真面目なジャックは自ら志願しベトナムへと渡る決心をする。その夜ジャックの無事を願うため、パーティーが行われる。そしてジャックは恋人に必ず帰ると約束して国をあとにする。戦争が終結し、ジャックは無事に帰還する。しかし、戦争で彼らのサーフィン仲間が死んだ。3人は久々に集まり彼の墓の前で飲み明かすのだった。そしてついのビッグ・ウェンズデーがやってきた。ジャック、リロイはそれぞれの生活を持ちこの地を離れていたが、マットは妻と子供たちとともにこの地にいた。アル中から復活したマットは一人ビーチへと向かう。巨大な波に無謀にも挑んでいくサーファーの多くは、その力に屈し飲み込まれていく。しかし、マットは果敢に海へと向かう。そして浜辺でマットを待っていたのは・・・・・。 | |||
私評:このボードはお前にやる。いつかこれでビッグ・ウェンズデーに乗れ・・・・私がこの映画を見たのは高校生のとき。同じ頃に公開された「サタデーナイト・フィーバー」で私の周りはディスコブームだった。そんなとき私はこの映画と出会い、サーフィンの面白さを知りました。そして影響されやすい私はいち時期サーフィンに夢中になってました。しかし、私が通った千葉の海ではあんなに豪快な波は皆無で、私たちは50cmの波をビッグ・ウェンズデーと呼んでいました。(まあ、湘南よりは良い波が来るのですが・・)そんなわけもあり、この映画には思い切りはまりました。とにかく3人の男たちがカッコいいんです。中でもジャン・マイケル・ヴィンセントは最高!主演の3人はそれぞれ本物のサーファーで、実際に波に乗っているのでスタントマンとかは使っていないのです。その豪快なテクニックはうっとりするくらいカッコいいんですよ。そして物語は春夏秋冬の青春物語を経て、怒涛のラストシーンへとなだれ込んでいきます。監督はジョン・ミリアス。この後戦争映画の「地獄の7人」「若き勇者たち」などを監督し、しかも脚本家としても大活躍。一番油が乗っていた頃の彼の作品です。私は何年かおきにこの映画を見るようにしています。この作品はひとつの私の青春の思い出なんです。友情の大切さ、いつまでも夢を追うこと、そして誇れる何かを持ち付けることの大切さを教えてくれる映画です・・・ |