5/8号


今回は市川崑+石坂浩二の金田一耕介シリーズの特集です。
毎回お馴染みの大滝秀治、三木のり平、草笛光子らが違う役どころで出るのも面白いですよね。
 また、等々力警部役の加藤武の「よし、分かった! 犯人は○○だ!」っていうのも
 流行ったな〜。回を追うごとにもじゃもじゃになっていく金田一耕介の頭。
今回ビデオで全部見てみました〜!


 犬神家の一族

  1976 東宝映画

 監督 : 市川崑
 主演 : 石坂浩二、高峰三枝子、あおい輝彦、島田陽子、加藤武、三国連太郎

 日本の製薬王にして犬神財閥の創始者、犬神佐兵衛が死んだ。彼の遺言をめぐって 続々と集まってくる親族たち。 佐兵衛には腹違いの娘松子、竹子、梅子がおり、松子には佐清、竹子には佐武と小夜子、梅子には佐智という子供がいた。折りしも終戦を迎えたばかりの日本。遺言状の公開は佐清の復員を待って行われることになった。そして一族の 前に姿を現した佐清は戦争で顔を怪我をしたため仮面をかぶっていた。遺言の内容は、佐清佐武、佐智のいずれかとの結婚を条件に野々宮珠世に全財産を譲ると言う内容だった。珠世とは佐兵衛の恩人の娘で、今は犬神家に住んでいた。その翌日佐武が生首を菊人形に挿げ替えられ殺された。そして佐智は琴の糸を首に巻かれ・・。 犬神家の家宝「斧(よき)・琴・菊」(良きこと聞く)になぞった連続殺人が開始される。犬神家の弁護士古館から助力を依頼された名探偵金田一耕介によって事件は少しずつ解きほぐされていく・・・。

 
私評
: 角川映画の記念すべき第一弾にして、市川崑監督の金田一耕介シリーズの第一弾。超豪華なキャスティングも然ることながら、沼からにょっきり出た2本足の絵。佐清のかぶる不気味な仮面が当時は印象的だった。仮面の下のぐちゃぐちゃの顔は当時は刺激的だった〜。 私は金田一耕介はやっぱり石坂浩二が一番良いと思うのですが・・。ヒロインは当時はピチピチだった島田陽子。 めっちゃ可愛かったです〜。 ラストシーンはみんなに見送られるのがイヤだからと言って、一本前の汽車に飛び乗る金田一耕介。那須駅の雑踏・・・そして「完」のマークが出るんですね。このエンディングはすごく好きです。 
 


 悪魔の手毬唄   

 1977年 東宝映画

 監督 : 市川崑
 主演 : 石坂浩二、岸恵子、若山富三郎、仁科明子、北公次、高橋洋子、永島暎子

 古い因習を引きずった山奥の村「鬼首村」。20年前、この村に現れた詐欺師恩田幾三はさんざん甘い汁を吸った上亀の湯の主人源次郎を殺害し姿をくらました。金田一耕介に調査を依頼したのは当時、事件にかかわっていた磯川警部で、今も一人事件解決に執念を燃やしていた。その頃、村は大騒ぎになっていた。 と言うのも恩田の世話をしていた女、別所春江が恩田との間にできた娘を連れ帰省したのだ。娘の千恵は人気歌手となり有名人だったからだ。彼女の帰省した日から第一の殺人が・・。被害者は今や落ちぶれた由良家の娘泰子だった。泰子も恩田の娘だった。彼女は滝壷で口に漏斗を咥えさせられ・・。そして第2、第3の殺人が。この事件は村に古くから伝わる手毬唄に沿って行われていた・・。 そして20年前の迷宮入りした事件が絡み、意外な犯人像が浮かぶ。

 私評: 金田一シリーズの中でも特に好きな一本です。岸恵子が田舎の温泉旅館の女将というのも、ちょっとビックリだった。 ヒロインは当時人気沸騰だった仁科明子。高橋洋子、永島暎子という若手の有望株を良い感じで配役してましたね。また、磯川警部役の若山富三郎がめっちゃ良かったです。当時は原作も平行して読んだので手毬歌の歌詞までしっかり。覚えてしまった。「1羽の雀の言うことにゃ〜言うことにゃ〜♪」 元フォーリーブスの北公次はこの後、どこに行っちゃったんでしょうね??この映画もラストが好きです。 金田一耕介を見送る磯川警部に「あなた、リカさんを愛しておられたんですね」と言う金田一。警笛がなり聞こえない磯川。 お辞儀をする金田一。走り出す汽車・・・・・。 味わいがありますね。  


 獄門島   

 1977年 東宝映画

 監督 : 市川崑
 主演 : 石坂浩二、司葉子、大原麗子、草笛光子、東野英治郎、浅野ゆう子

 瀬戸内海に浮かぶ島「獄門島」。戦地から帰国の途中の船の中で死亡した鬼頭千万太の遺書を届けるため、金田一耕介はこの島にやってきた。彼の言い残した「3人の妹が殺される・・」が現実となる。寺の梅の古木に逆さ吊りにされた三女花子の死体が発見された。続いて、釣鐘の下で雪枝が、そして離れの祈祷所で月代が殺された。 彼女たちは寺の屏風に書かれていた芭蕉と其角の句に沿って行われていたのだった。 この残酷な犯人は島の中のどこかにいるはず。金田一耕介の鋭い推理と追及が始まる・・・・。

 私評: 原作とは犯人が違うと言うのが、一つの売りだったこの映画。 ヒロインに大原麗子を迎え初めてメロドラマっぽいシチュエーションを加えたけど、それは失敗だった。 この映画の見所はやはり殺人の後の俳句への見立てかた。 特に釣鐘の下で死ぬ雪枝の工作は最高。島の中と言う限られた(いわゆる密室のような)舞台設定も面白い。 この映画の俳句もしっかり暗記してた。 「むざんやな冑の下のきりぎりす」・・・。 この映画で金田一シリーズは打ち止めのはずだったんですよね。 だから、ラストで等々力警部の加藤武が、いつものように「よし、分かった!」と言った後、「俺がみんな間違ってた・・」というセリフを言うんですね。しかし、この後2作も作られる・・。


 女王蜂   

 1978年 東宝映画

 監督 : 市川崑
 主演 : 石坂浩二、岸恵子、仲代達矢、中井貴恵、沖雅也、司葉子、高峰美枝子

 伊豆は天城の月琴の里で大道寺智子の求婚者、遊佐三郎が時計台の歯車で体を引き裂かれ死んだ。事件の直後、金田一耕介は19年前の事件の調査のためこの地を訪れた。19年目の事件とはこの家の当主銀造が親友の日下部と、この伊豆を旅した時、大道寺の娘琴絵を愛した日下部が崖の上から転落死したのだ。植物採集の途中だったと言うが・・。琴絵は智子が5歳の時に死亡したが19歳を迎えた今日、銀造が京都に引き取ることになっていた。そのとき「智子の群がる男の命は脅かされるだろう。彼女は女王蜂・・」という脅迫状が届く。 そしてお茶会の席で、密室の中で連続殺人が起こる。金田一は19年前の事件との関連を調べる始める・・・。

 私評: 前3作の犯人を演じた女優が勢揃いするというのが売りだったような・・。高峰美枝子、岸恵子、司葉子の3人が同じ画面に並んで映ったときはちょっと壮観だった。というのも、このシリーズを全部見ていた人が感じられる特殊な違和感ですね。ヒロインはこの映画でデビューした中井貴恵。 佐田啓二の娘と言うことで当時はかなり騒がれた。 そして大御所、仲代達矢が重圧感のある演技で引き締めます。 しかし、回想シーンで仲代が詰襟を着てるシーンはちょっと笑えた。この映画もラストが良いですよ。 岸恵子演じる神尾女史からの暗号を解いた金田一。赤い毛糸の玉のアップ・・。19年前の殺害現場での密室の作り方が・・。 金田一に言われなくてもそれくらい分かるだろう!と軽いツッコミを入れてやって下さい。 
  


 病院坂の首縊りの家   

 1979年 東宝映画

 監督 : 市川崑
 主演 : 石坂浩二、佐久間良子、草刈正雄、桜田淳子、あおい輝彦、

 坂の途中の洋館の焼失した残骸の残る崩れかかった館があった。終戦直前まで繁栄した法眼病院跡で以前に女性が縊死したことから、首縊りの家と言われていた。 昭和26年。写真の撮影のためこの街を訪れた金田一耕介は、写真店に勤める徳兵衛から身辺調査の依頼を受ける。 その夜、徳兵衛の息子直吉が奇妙な結婚記念写真の出張撮影を頼まれ忌まわしい法眼家を訪れた。 その後、同じ場所で風鈴の撮影を依頼された出向いた徳兵衛、直吉、そして金田一は風鈴を見て驚愕する。その風鈴は花婿の生首だったのだ・・。容疑を受けた山内敏夫、小雪の兄妹は町外れのガレージに住んでいた。小雪の顔を見た一同は花嫁の顔と同じ彼女に愕然とする。そしてもう一人同じ顔を持つ女がいた。法眼家の由香里だ。その事件を発端に起こる連続殺人事件。そして事件は19年前の首縊り事件にまで遡る。

 私評:石坂金田一の最後の作品ですね。 最後が一番つまらなかった。 というか、原作の面白さをまったく引き出せなかった作品です。小説は上下巻に分かれる長編なのですが、それを端折りすぎてしまった。また、(これは本当に個人的な事ですが)私は桜田淳子が嫌いなんで彼女が演じた小雪、由香里(2役)にまったく魅力を感じられなかったのです。 また彼女が重要な役柄だったから余計に残念! 草刈正雄は飄々とした演技で金田一の助っ人的な役で良い味を出してましたね。 「これで最後だ〜!」という予告編が妙に印象的だった。 




前回のも見てね!



I Love Moviesに戻る