4/24/2005


忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
今回は大好きな「タイタニック」。いつもより筆が走り活字の量も多くなってしまいました・・・

タイタニック  監督:ジェームズ・キャメロン  出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット
Titanic  1997年  アメリカ映画
1997年。深海に横たうタイタニック号の周りを潜水艇が行き来する。タイタニックは1912年4月10日にイギリスからニューヨーク港へ向けて出航し、処女航海の途中で冷たい海に没したのだ。タイタニックと一緒に深海に消えた宝石「ハート・オブ・オーシャン」の引き上げるため、ラベットは船の中をくまなく捜査し、ついにある箱を発見する。船上でふたを開けてみると、そこには一枚の絵が。しかも、絵のモデルの首には「ハート・オブ・オーシャン」が飾られていた。そのニュースをテレビで見ていた老女ローズは、ラベットに電話を掛け「あの絵の少女は私です」と告げる。さっそく、捜索船に向かったローズは84年前の事件について語り始めた。ローズは大富豪の婚約者キャルとタイタニックの1等船室に向かった。息が詰まるような厳格な社交界から抜け出したいと思っていたローズは、いつしかタイタニック号の舳先から、海に飛び込もうとしていた。そんなローズに声を掛けたのが3等船室の貧しい絵描きの青年ジャックだった。ローズを救った事がきっかけで、ふたりの仲は急速に近づく。しかし、キャルはそんなふたりを許さなかった。ところが船は大西洋を横断中に巨大な氷河に激突してしまう。浸水を止める術もなく、船は徐々に冷たい海へと引き釣り込まれていく・・・・・。

私評:約束してくれ。何があっても生き残ると・・・・映画史上、最高の売上げを誇るこの映画です。もはや見ていない人の方が少ないのではないでしょうか?普段は映画を見ない、私の父もこの映画は(ビデオでですが)固唾を呑んで見入っておりました。
そんな私はこの映画を東京国際映画祭のワールドプレミアで見ました。なんたって世界で初めてのお披露目。しかも、上映の前日までキャメロン監督自身が編集を施し、上映ギリギリで完成したという、まさに出来たてのほやほや映画を観る事ができたのです。それに加え、当日はキャメロン監督とレオの舞台挨拶もあり、気分はもう最高潮でした。その時はすごくお金の掛った映画だということは知っていましたが、正直ここまですごい映画だとは思いもしませんでした。というか、前評判では「キャメロンのキャリアもタイタニックと一緒に撃沈」みたいなことを言われていたのです。映画が始まって最初の1時間以上は、ジャックとローズの恋物語。しかし、この描かれ方もとても良いですよね。この前半で主人公のふたりに思い切り感情移入できる。そして後半は畳み込むようなパニック映像。刻々と修羅場と化していく船内の描き方も本当に素晴らしい。そして事実に基づいた船の沈没シーンのすごさと言ったら・・・。そしてクライマックスのジャックとローズの会話は本当に泣けました。最後のシーンで老いたローズが船の舳先で見せるあの満面の笑みの理由は、84年前に心から愛した男に、やっと光明を当てることができた満足感なのか?それとも蘇った大切な青春の思い出と再び出会えた喜びなのか?皆さんは、どう思いますか??エンド・クレジットで掛かるセリーヌ・ディオンヌの名曲中の名曲「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」も、大好き。エンドクレジットを眺めながら、呆然とこの曲を聞いたのを良く覚えています。
そして映画が終わったあとは、すごい拍手。会場全体が感動に包まれ、映画の素晴らしさを観客の全てが噛み締めた瞬間でした。もちろん、私もスタンディング・オベーション!!本当に素晴らしい経験でした。
主演のレオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレットが、初々しい・・。しかし、レオはこの映画の呪縛から逃れられず、苦労したでしょうね。いまだに「タイタニック」のレオナルド・ディカプリオと言われていますからね。しかし、先日観た「アビエイター」で、彼も「タイタニック」の亡霊を追い払えたような気がしました。ところが、ケイト・ウィンスレットはこの映画をばねして、続々と話題作で己を磨き、いまや超一流の映画女優。その辺りに彼女の強さを感じます。監督はジェームズ・キャメロン。彼の新作も早く観たいですね。
「タイタニック」は私にとってまさに名画中の名画。これからもずっとそばに置いておきたい映画です。

老人Z  監督:北久保弘之  声の出演:横山智佐、小川真司
Rojin Z  1991年 日本映画
近未来の日本は高齢化のため、老人の介護が大きな問題となっていた。ボランティアでヘルパーをしている晴子が担当しているおじいちゃんが、SOSを送ってきた。おねしょだ・・。そんな時、厚生省の所員が大挙しておじいちゃんを連れ去って行った。彼は新しい介護用の機械のモニターとして選ばれたのだ。その機械は第6世代のコンピューターが搭載され、コンピューター自身が考え、対処する最新式のものだった。翌日、晴子が通う大学のコンピューターにおじいちゃんからのメッセージが届く。「助けて・・・晴子さん・・・」居ても立ってもいられず厚生省の実験室を訪ねた晴子は、機械ごとおじいちゃんを救出しようとするが失敗に終わる。そんな時、晴子の大学の病院に入院しているコンピューターオタクのジイサン3人組がペンタゴンにハッキングをしているのを見て、晴子はおじいちゃんの機械にアクセスするように頼み込む。そして晴子はおじいちゃんが大事にしていたおばあちゃんの写真を元におばあちゃんの声を再現し、コンピューターに話しかけた。すると、第6世代コンピューターは独自の人格を形成し、暴走を始めてしまう・・・・
私評:海を見に行きましょう、おじいさん・・・・・コミック界の巨匠、「アキラ」の大友克洋が原作。そして「ストップ、ひばりくん」の江口寿がキャラクターデザインをしたこの作品。そんなミーハーな見所だけでなく、映画自体がすごく面白い。今の時代を先取りしたかのように、老人問題にスポットを当てその介護用のロボットが暴走するという「アイ、ロボット」のようなネタを日本のアニメーターたちは1991年に作り上げていたのです。(ちなみのこの年はターミネーター2の公開年)アニメならではの映像はもちろん、キャラの一人一人が生き生きとしている。特に入院中の3人のコンピューターおたくジジイたちはサイコー。笑えます!しかし、暴走を始めたコンピューターを阻止するため、軍が動き始める辺りから映画はすごい勢いで走り出します。初めてこの映画を観た時は、ポカーンと口を開けてしまいました。そして最後の最後に強烈なギャグとほのぼのした感動で映画を締めくくるのです。HDマスター版のDVDが発売になったのでこの機会にぜひ!!



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