4/4/2005


忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。

羊たちの沈黙  監督:ジョナサン・デミ  出演:ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス
The Silence of the Lambs  1990年  アメリカ映画
女性を誘拐し、殺害した後に生皮を剥ぐという猟奇的な殺人事件が立て続けに起こる。犯人はバッファロー・ビルと呼ばれた。FBIの訓練生のクラリス・スターリングは天才的な頭脳を持ちながらも、9人の人間を殺害して喰ってしまったという"ハンニバル"・レクターにバッファロー・ビルの心理分析をしてもらうために、彼が収容されている病院を訪ねた。ガラス越しにふたりの会話は続く。そしてその都度レクターは、クラリスを試すかのように「謎の言葉を囁く。そしてついにはクラリス自身がレクターの巧みな言葉によって分析されていく。そんな折、バッファロー・ビルはマーティン上院議員の娘を誘拐し監禁した。ビルからの救出を条件にレクターは病院から開放される。その頃、クラリスはレクターの助言からバッファロー・ビルの隠れ家にひとりたどり着いていた・・・・。

私評:あいつの肝臓をワインのオードブルにして喰ってやった・・・20世紀の映画の中で、屈指の恐怖映画がこの「羊たちの沈黙」です。この映画のハンニバル・レクターという名前は、初めてこの映画を見たときに、永遠に私の頭の中にインプットされた。彼の恐ろしさはジェイソンやフレディと違い、天才的な頭脳を持って相手の深層心理にずかずかと踏み込んでくるところだ。その類まれな頭脳の使い道のベクトルが違うと、こんなに恐ろしい悪魔となってしまうのですね・・この役を演じたアンソニー・ホプキンスはサイコー。もう、レクター博士役は彼以外には考えられない。そしてこの映画で2度目のオスカーを射止めたジョディ・フォスター。彼女の演技なくして、この映画の恐怖は成立しない。(できれば、「ハンニバル」にも出て欲しかったな〜。ジュリアン・ムーアもすごく良かったけど・・)。このふたりがガラス越しに続ける会話は、本当に素晴らしい。最初はレクターの恐ろしさにたじたじだった彼女が、徐々に彼の心に近づいていく。しかし、それはレクターの計算だったのか??・・・そしてクラリスの上司役で、この頃出演作がすごく多かったスコット・グレンが出ています。その他に恐怖映画ファンにはうれしい、ジョージ・A・ロメロとロジャー・コーマンがこの映画には出演しています。見つけてくださいね〜!監督は本当に役者にオスカーを獲らせるのがうまい?ジョナサン・デミ。いつか「レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」と3つ続けて見てみたいです。とにかくこの映画は、何度観ても面白い。名作です!! 

ベン・ハー  監督 : ウィリアム・ワイラー  出演:チャールトン・へストン、ジャック・ホーキンス
Ben Hur  1959年 アメリカ映画
ローマ帝国の指揮下にあったエルサレムに住む、ユダヤ人貴族ジュダ・ベン・ハー。ある日エルサレムに、ローマに身を寄せ司令官となったメッサラがやってくる。かつてベン・ハーとメッサラは友情で結ばれていたが、思想の違いから今では対立するようになっていた。そしてメッサラが仕組んだ罠から、ベン・ハーは冤罪を着せられ奴隷船に送られてしまう。しかも、彼の母親と妹も牢獄へと送られる。常人は1年も持たないと言われる奴隷船の中でベン・ハーは3年もの間、生き続けた。そしてマケドニアでの海戦の時に、奴隷の鎖を外してくれた司令官アリウスに恩義を感じたベン・ハーは彼の命を救った。それが元でベン・ハーはアリウスの息子として第2の人生を歩み始める。しかし、ベン・ハーは、ローマ軍に囚われた母と妹を救出するためエルサレムに戻り、メッサラに2輪馬車戦車レースでの戦いを挑んだ。彼の人生に沿うようにイエス・キリストが布教を続けていく・・・・・
私評:1950年代、ハリウッド映画はその力を世界に見せつけるかのような大作を次々と世に送り出した。その頂点を極めるのがこのベン・ハーかもしれない。壮大なストーリー、そして贅沢な映画セット、数え切れないほどのエキストラ。今ではCGで片付けてしまうのでしょうが、当時はそんな技術もなく全てがホンモノ。この映画最大の見せ場である戦車レースのシーンは映画史に残る名場面でしょう!CGなしのアクションシーンには、本物だけが持つ迫力があります。とにかくこの映画のリメイクはCGなしでは不可能。それだけの物量を投じた、まさにハリウッドの力を世界に見せつける映画なのです。でもこの映画をテレビで見るのは本当にもったいない。これこそ大スクリーンで見るべき映画(もちろん、他の作品もそうですが、特に・・)でしょう。3時間30分の長尺ですが、決して長く感じません。主演はハリウッド大作の看板スターチャールトン・ヘストン。最近「ボーリング・フォー・コロンバイン」でめちゃめちゃ評判を落とした彼ですが(笑)、当時のハリウッドの大作には必ずと言って良いくらい彼の名前がクレジットされていた。その他にはスティーブン・ボイド、ジャック・ホーキンスなどが出演していますが、完全にヘストンの陰に隠れています。監督はウィリアム・ワイラー。アカデミー賞11部門獲得の超大作。GWに、ぜひ見ておきたい映画です。



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