3/21/2011
忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
久々にこのコーナーを書いてみました!
ダラスの熱い日 | 監督:デヴィッド・ミラー | 出演:バート・ランカスター、ロバート・ライアン | |
Executive Action | 1973年 アメリカ映画 | ||
1963年6月。4人の男たちがライフル銃の狙撃実験を行っていた。彼らの依頼人は元CIA高官のジェームズ・ファーリトン。しかし、彼らに標的はまだ知らされていなかった。時を同じくして、元軍人のフォスターの邸宅にファーリントンを含む4人の男たちが招かれていた彼らは時の米国大統領ロバート・ケネディが行っている数々の政策がアメリカの未来に危機をもたらすという見解に至った。そしてケネディ政権にピリオドを打つべく、最も有効な手段が「大統領を暗殺する事」という意見で一致した。ファーリントンは暗殺グループのリーダーで最高のスナイパーであるテクニシャンという男に会い、ケネディ暗殺を正式に依頼した。一方、フォスターはこの計画が政治的な陰謀ではなく、ひとりの狂言者によって行われたものとするため”囮”を選択していた。そしてそこに浮かび上がった男がリー・ハーベイ・オズワルドだった。彼を”極左”であるとでっちあげ、数々の偽の証拠を作り上げたのだ。そして運命の日、11月22日がやってくる。3人のスナイパーはそれぞれの位置に付き、ライフルを構えた・・・ | |||
私評:この映画を見たのは中学生の時。たしか、新宿の名画座で見た。当時の学校の先生が絶賛をしていたので友達と観に行ったのですが、かなりショッキングでした。私はこの映画で初めてケネディ暗殺について詳しく知ったのですが、しばらくの間、映画の内容が真実だと信じ込んでいました。「ダラスの熱い日」はケネディ暗殺について発表された「ウォーレン報告」を根底から否定して「暗殺は国家的な陰謀であった」、そして「暗殺犯は3人いた」という”架空の設定”を実際の事件と結び付けるというなんとも挑戦的な作品だった。しかし、「ウォーレン報告」はあまりに不可解な事が多く、逆にこの映画のストーリーの方が遥かに信憑性に富んでいるのです。映画では実際のオズワルドの資料や当時のニュース映像を多用して、まさにドキュメンタリーを見ているようでした。100分にも満たない映画なのですが、その中にはぎっしりとスリルとサスペンスが盛り込まれています。私は瞬きする事も忘れて映画にのめり込んでしまいました。ファーリントン役はは「OK牧場の決闘」のバート・ランカスター。そしてフォスター役は「ワイルドバンチ」のロバート・ライアン。監督は「脱獄」のデビッド・ミラー |
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奇跡の詩 | 監督:グラッツェラ・ガルバーニ | 出演:スーザン・ベンハリゴン | |
Miracled Still Happen | 1974年 イタリア・アメリカ映画 | ||
1971年12月23日。ユリアナと母親は父が住むアマゾンの小さな村に向かっていた。折からの悪天候の中、飛行機は飛び立った。しかし、アンデス上空で飛行機は乱気流に巻き込まれ空中分解。ユリアナは座席ごと空中に放り出された。しかし、彼女は無事だった。目を覚ますと彼女はジャングルの中。母親を探し歩きはじめるとバラバラになった飛行機の残骸があった。途方に暮れるユリアナの脳裏に学者である父の言葉が蘇った。「ジャングルで道に迷ったら水の流れを追いなさい・・」彼女はひとり歩きはじめる。しかし、数日後には彼女の体力も限界。しかし、鳥の鳴き声に導かれたユリアナは大きな河を発見する。流木につかまり河を下ろうとするユリアナにワニや蛇が襲いかかる。しかも、彼女の足の傷口にはウジがわき彼女の肉を食べていた。しかし、ユリアナは前に進むしかないと決心し、再び流木につかまり河を下りはじめる・・ | |||
私評:事故の現場は200キロも離れているんだぞ。これは奇跡だ!!・・・これは実話です。実際に飛行機事故からジャングルを200キロも移動して奇跡的に助かった17歳の少女がいたのです。この映画はその実話をほとんど忠実に映像化したもの。しかも、撮影は実際に彼女が通った道をそのまま踏襲したというのだからすごい。また、この映画の主要キャスト以外は、実際にこの事件に携わった人を起用しています。これは監督のジュゼッペ・スコテーゼがドキュメンタリー出身の監督だったからなのでしょうね。しかし、ジャングルの中を武器も持たず歩き続けるシーンは本当に怖かった。ワニ、ヘビ、ヒルなども怖いのですが、私が一番怖かったのが「ウジ」のシーン。こいつが「肉バエ」という、その名の通り肉を喰らうんですよ・・・。映画を見終えたとき、これが真実だとは到底考えが及ばなかったのですが、こんな地獄を息抜いた少女の強さに感動しました。主演はこの映画の他にはB級作品とTVシリーズに出演していたスーザン・ベンハリゴン。彼女の母親役は「気狂いピエロ」のグラツィエラ・ガルヴァーニ。この作品ってビデオ化されていないんですよね・・ | |||