1/19/2003


忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。

タワーリング・インフェルノ  監督:ジョン・ギラーミン  出演:ポール・ニューマン、スティーブ・マックィーン
The Towering Infeno  1974年 アメリカ映画
サンフランシスコに新たに建築された138階建の超高層ビル「グラスタワー」。落成式を前にこの地に戻ってきたのはこのビルを設計したダグ。恋人とのアバンチュールの最中、ビル内で小火があった事を知らされ調査をしてみると彼が指定した基準以下の電気コードが使用されていて愕然とする。オーナーに文句を言うが、建築基準には合っている跳ね除けられる。そしてついに落成式の夜。各界の要人が次々とグラスタワーに押し寄せた。そして全ビルに照明が灯された。ところがこのとき既にビルの81階で電線がショートし火災が起こっていた。ところが、スプリンクラーも警報装置も作動しなかった。これはオーナーが費用削減のためにさせたことだった。招待客は続々とエレベーターで124階のボールルームに。そしてパーティーも最高潮のとき、ビルの火災を知らされる。そしてついにはビルは業火に包まれ、階上の客は出口を失っていまう。消防士の必死の救出作業が行われるが・・・・・

私評:「だれがその爆薬を仕掛けるんだ?」「どこかのバカがやるんだろうよ・・・」この映画を見たのは中学2年生のとき。超満員で立ち見の今は無き丸の内ピカデリーで見た。そしてこのど迫力に圧倒された。2時間40分がこんなに短く感じた映画はかつて無いかもしれない?刻々と修羅場と化していくビル内のパニック。そんな中でも描き出される人間ドラマ。当時のパニック映画のお決まりのパターンだったけど、感動してしまった。そしてこのチョー強力なキャスティング。ポール・ニューマン、スティーブ・マックィーン、フェイ・ダナウエイ、ウィリアム・ホールデン、フレッド・アステア、ジェニファー・ジョーンズ、ロバート・ワーグナー、ロバート・ヴォーン・・・・・。(ニューマンとマックィーンはどちらの名前を前に出すとか上にするとかでかなり揉めたらしい・・・。スターのプライドですね)これが実現したのはアメリカの2大メジャースタジオワーナー・ブラザーズと20世紀フォックスが手を組んだからだ。当初、それぞれのスタジオがビル火災の映画を作ろうとしていたのですが、両社が手を組み半分ずつの出資で映画を作ったのです。これでスケールも2倍になったわけです。この映画はテレビで観るなんてもったいなさ過ぎる。映画館の大画面でもう一回観たいですね〜。 

レ二ー・ブルース  監督 : ボブ・フォシー  出演:ダスティン・ホフマン、バレリー・ペイン
Lenny  1974年 アメリカ映画
1950年代、売れない芸人レ二ー・ブルースは花形ストリッパーハニーの演技を食い入るように見ていた。二人は急速に近づき結婚。夫婦で組んで仕事をしようと決心する。しかし、レ二ーの芸は相変わらず。当時幅を利かせていた芸人シャーマン・ハートはレニーに質を落とせと忠告する。しだいに二人は麻薬に嵌っていく。ハニーは已む無くストリッパーに逆戻り。二人の愛情も醒めていった。数年後、レニーは二流クラブのステージに立っていた。Fから始まる4文字の単語を連発し、時の人だったルーズベルト夫人、ニクソン、ローマ法王を次々とこき下ろした。人種差別用語なんて日常茶飯事。しかし、彼のスタイルは社会風刺的芸、人間社会の偽善性をこき下ろす芸として一躍時の人となる。しかし、彼の芸は過激すぎたのだ。警察に目を付けられ、ついにはわいせつ罪で逮捕されてしまう。しかし、彼は負けなかった・・・・
私評:この会場にニガーは何人いるんだ??ジュールは??・・・・・レニー・ブルースという人をご存知だろうか?私もこの映画を見るまでは知りませんでした。今でこそ、映画でもなんでもファック!ファック!!言いまくりでも大丈夫な世の中になりましたが、彼が活躍していた当時はその一言が命取り。しかし、彼が求めていたものは栄誉や名声ではなく確固たる自分の世界の形成だったような気がします。だけど、彼は生まれるのが早すぎたんですよね。時代が彼に追いついていかなかった・・・。そしてこういう人にありがちな悲惨な最期・・・。特に印象的だったのがタバコの煙が揺らめく、暗いクラブのシーン。さまざまな人種の屯すこのクラブで、彼は「ここに何人ニガーがいる??」と言うんですね。まさに会場は一触即発。しかし・・・・この後は映画でご確認ください。この映画はダスティン・ホフマンが出演している映画の中でも、最高の映画だと思います。かなり過激な内容の映画ではあると思いますが・・。そしてストリッパー役のバレリー・ペインがキュートで可愛いんですよ・・・。人間ドラマがお好きな方には、オススメの映画です。



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