1/12/2004


忘れることのできない名画の数々。世界中で作られた素晴らしい映画の数々を
ご紹介します。作品の選定は私の独断と偏見です。
少なくとも私の心に深く残っている映画は誰かの心にも響くはずです。
今回はちょっとおふざけも入っています・・・(笑)

ジョニーは戦場へ行った  監督:ダルトン・トランボ  出演:ティモシー・ボトムス、キャシー・フィールズ
Jonny Got His Gun  1971年  アメリカ映画
第一次世界大戦。青年のジョニーは戦場で重症を負って病院担ぎ込まれた。彼は意識を取り戻したが、自分の手も、足も、そして顔の大半もなくなっていることに気づき愕然とする。見る事も、聞く事も、そして話す事もできなくなったジョニーは外界とコミュニケーションをとる事もできず思い悩む。ある日、看護婦が自分の胸の上に「メリー・クリスマス」と書いてくれた事により、その日がクリスマスであることを知ったジョニーは、何とかその看護婦とコミュニケーションをとろうとする。そして考え付いたのはモールス信号だった・・・・・・・。

私評:S・O・S・・・S・O・S・・・・これは強烈な映画でした。一個の肉の塊になってしまった青年にもしも、意思があったら?しかも、彼は光と温もりは感じ取る事ができるのです。自分だったら狂い死にするかもしれません。しかも、彼は非常に珍しい症例として実験台になっているのです。また、この映画はジョニーが戦場に行く前の、青春を謳歌しているシーンと現在の病室の中の描写が交互に映し出されるのです。しかも戦場に行く前はカラーで、現在はモノクロなのがすごく印象に残ります。これは強烈な反戦映画です。生半可な映画ではありません。こんな時代だからこそ、見るべき映画かもしれません。監督はダルトン・トロンボ。彼はこの原作の作者でもあり、この作品が唯一の監督作品。しかも、この映画を撮ったとき、彼はすでに65歳だったのです。ジョニーを演じるのはティモシー・ボトムズ。この頃は良く名前を聞いたけど、最近は聞かないな〜・・。共演はキャシー・フィールズ、そしてドナルド・サザーランド。これはまさに名作です。そして見なければいけない映画でしょう!?でも、この映画を観終えた後の、あの絶望感・・。かなりブルーになりますので、覚悟して見て下さい。

片腕カンフー対空とぶギロチン  監督・主演:ジミー・ウォング  出演:ドリス・ロン、カム・カン
One-Armed Boxer vs the Flying Guillotine  1976年 香港映画
山奥の小屋で修行を続ける盲目の老人フンシェンは、二人の弟子が片腕の男に殺されたことを知る。(しかも伝書鳩で)フンシェンは己の最強の武器「空とぶギロチン」で、弟子の仇を討つべく町へと降りた。片腕の男ユーは、自ら道場を開き正しい剣術を世に広げようとしていた。そんな時、町の有力者で「鷹爪拳」の道場の館長が史上最強の男を決めるべく武術大会を開く。ユーも大会に招待されていたが、自分の武術は高名のためではないと辞退をしていた。次々と現れる達人たち。壮絶(?)な戦いが繰り広げられる。その時、フンシェンが大会に乱入する。もう一人の片腕の男をユーと間違えたのだ。空とぶギロチンにより、あっという間に首を切られ男は絶命した。そのニュースはユーにも伝わる。そしてユーはフンシェンとの戦いの準備を進めるが・・・
私評:ふ〜・・恐ろしい相手だった・・・・めちゃめちゃチープで、アクション映画なのに温くって、役者陣もやる気が感じられないし・・・。ところがこんな映画が実に面白いのです。というか、何度も観る映画ではないと思うのですが、この温さを笑いに変えてしまえばこんなに面白い映画はない。あの赤いギロチンに殺傷能力は見出せないし、垂直の壁を平然と登ったり、ヨガの達人が腕の関節を外して腕を伸ばしたりと、想像を絶する爆笑シーンを役者が真面目に演じているところが、また笑えます。タイのムエタイの達人との戦いは、敵のほうに同情してしまった。あれは酷いよ・・(笑)。そしてクライマックスでユーとフンシェンの戦いは涙なしては見られません!正義の見方であるはずのユーがまたしても汚い手を使って、盲目の老人をやっつけるのですから・・。この映画は1976年のものなのですが、今年のファンタスティック映画祭で監督・主演のジミー・ウォングは(きっと大爆笑の渦であったろう)会場でどういう感慨を抱いていたのでしょう。「俺は真面目なアクション映画を作ったんだ〜!!」と心の中では嘆いていたかも?でも、この映画は最高のコメディ映画です??めちゃめちゃ楽しめました!なお、この映画は「片腕ドラゴン」の続編です。「ドラゴン」ではフンシェンの弟子との戦い、そして片腕になる過程が描かれています。



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