2009/5/31

久々にレビューです。さぼってます・・。
今回のイチ押しは歴史ミステリー大作と脱力系コメディ。
この両極の映画を楽しめるのが私の特技。

天使と悪魔  監督:ロン・ハワード  出演:トム・ハンクス、ユアン・マクレガー
Angels And Demons  2009年 アメリカ映画
今週のイチ押し:教皇が逝去し、バチカン市国は喪に伏していた。時を同じくしてある研究所から小さなくになど吹き飛ばしてしまうほどの威力を持つ『反物質』が盗まれる。犯人は400年前にキリスト教によって弾圧された科学者の組織“イルミナーティ”。しかも、彼らは次期教皇の候補者を誘拐しバチカンに殺人予告をする。事件解決のため白羽の矢が立ったのは宗教象徴学者のラングドン。彼はさっそくバチカンに飛んだ。誘拐された教皇候補たちは1時間置きにバチカン内にある教会で処刑されると聞いたラングドンはガリレオの著書に隠された暗号を解きながら救出を試みるが・・・
私評:地球誕生を再現できるのか??・・・・原作ではこの作品は「ダヴィンチコード」の前のお話。上中下の3冊を一気に読ませてしまうくらい、原作は最高のアクション&ミステリー。その濃い内容の原作を映画では見事に描ききっていました。正直、ここまで良い出来になるとは思いませんでした。しかも、原作を読んでいる私はあのどんでん返しも知っているのに、それでも面白かったのは今作がエンターテインメントに徹していたからでしょう。とにかく映画が始まるや否や物語はどんどん転がっていき、しかも加速していく。あっという間の2時間20分でした。主演は「ダヴィンチコード」でもラングドン教授を演じたトム・ハンクス。最近ポッチャリの彼でしたが、今回はアクションシーンもいっぱいです。前教皇の待従パトリック役はまじめな感じがピッタリのユアン・マクレガー。反物質の科学者役は「ミュンヘン」のアイェレット・ゾラー。そしてスイス衛兵隊隊長役は「エクソシスト・ビギニング」のステラン・スカスガルド。監督は名匠ロン・ハワードです。
インスタント沼  監督 : 三木聡  出演 : 麻生久美子、風間杜夫、加瀬亮
 2009年 日本映画
今週のイチ押し:出版社に勤める沈丁花ハナメは能天気なOL。しかし、彼女の超現実的な脳みそは刺激を欲していた。そんなある日、彼女の担当していた雑誌が休刊になる事が決定。潔く会社を辞めたはいいが・・。ハナメは部屋の掃除をしていると、母親の送られなかったラブレターを発見。そこには会ったことのない父の名前が書かれていた。母親に確認しようとするが、当人はキュウリで河童を釣りに行き沼に落ちて意識不明。そこでハナメは自ら手紙を頼りに父親の沈丁花ノブロウを訪ねた。しかし、父親は電球のおっさんと呼ばれる怪しい男。彼との距離を置こうとしていたハナメだったが、彼のウソにどんどんはまっていく。そしてハナメは父親からアヤシイ蔵の鍵を100万円で購入するが・・
私評:人生で泣いている時間より笑っている時間の方がずっと多いのよ・・・三木聡監督の映画って大好きです。(「亀は意外と速く泳ぐ」「転々」「図鑑に載ってない虫」)なぜか見ると元気が出る。今回も思い切り元気をもらいました。どうしようもないくらい“くだらない”映画の題材もここまで押し通してしまうとそれは力を持った作品になり、そして観客を魅了してしまうのです。今回も「ありえね〜!!」と叫びたくなる展開を強引に、そして痛快に何度もやりとおしてしまう。すごいです。そんな作品のヒロインは(私の中ではめちゃめちゃお淑やかなイメージがある)麻生久美子。この映画の麻生久美子は壊れています。(笑)すごいハイテンションで画面狭しと走り回ります。そして電球役は「蒲田行進曲」の風間杜夫。そしてモヒカン&パンクの加瀬亮。能天気なハナメの母は松坂慶子。そして三木作品には不可欠なふせえりが良い味を出しています。ゆるいけどパワフルな三木ワールドを堪能しました・・。
名探偵コナン 漆黒の追跡者  監督 : 山本泰一郎  出演:高山みなみ、山崎和加奈
 2009年 日本映画 
東京、神奈川、静岡、長野で6件の殺人事件が発生した。すべての被害者の傍らには裏に文字の書かれた麻雀牌が置かれており、警察は連続殺人事件として捜査を開始した。会議には(なぜか)探偵の小五郎も呼ばれ、コナンも蘭と一緒にその場を訪れていた。その時コナンは一人の刑事が黒いポルシェに乗り込むのを目撃する。そのポルシェは工藤新一に毒薬を飲ませた“黒ずくめの組織”の1人、ジンの乗るものだった。つまり、黒ずくめの組織の何者かが警察に入り込み、捜査内容を聞いていたのだ。さっそくコナンも独自の捜査を開始するが、灰原哀は彼の行動は周りの人々にも脅威をもたらすと苦言を呈するが・・
私評:江戸川コナン、いや工藤真一君・・・・シリーズ最高傑作の呼び声も高い今回の映画ですが、やっぱり面白かったです。というのも、コナンが絶体絶命のピンチに陥るから。黒ずくめの組織からの強烈な刺客がコナンを絶体絶命のピンチに追いやります。それゆえか謎解きはいつもに比べるとかなりチープ。でも、その分アクションシーンがふんだんに盛り込まれていて見応えがありました。そして今回も、私は灰原哀ちゃんの魅力に・・・(小学生なのに〜!!??)声優陣はいつものメンバーと、人気のDAIGOが出演。そして今回の主題歌は倉木麻衣なのですが、これがまた良い曲なんです!!それにしてもこのシリーズは毎回大ヒットですね。果たして次はどんな戦いが待っているのか?来年の春が楽しみです。
鈍獣  監督:細野ひで晃  出演:浅野忠信、北村一輝、ユースケ・サンタマリア
 2009年 日本映画
人気作家の凸川隆二が行方不明になって数か月。凸川は新進気鋭の作家で彼の連載した「鈍獣」は人気を博していた。凸川の担当をしている編集者の静は凸川の故郷を訪ねた。静はそこで凸川の幼馴染で、この町でトップを目指すホストの江田、彼の腰巾着で優柔不断な警官の岡本、江田の愛人の順子、そしてホステスのノラ。凸川は確かにこの町に戻っていた。しかし、彼の書いた『鈍獣』のモデルは江田と岡本。彼らのとんでもない生態がそこには描かれていたのだ。ブチキレた江田は凸川を殺そうとあの手この手を仕掛けるが、鈍い凸川はまったく死ぬ気配がない。それどころかどんどんパワーアップしている。しかし、殺しても殺しても復活してくる凸川に、なぜかみんなが感化されて・・・・
私評:もう、おしまい?・・・・この作品は宮藤官九郎の脚本なのですが、あまりそれが表に出ていないのは色々と理由があるらしい・・。しかし、これは紛れもなくクドカンワールドです。正直、最近クドカン作品のテンションに着いていけない。しかもこの作品はいつにもましてハイテンション。とにかく登場人物がアヤシイ!静役の真木よう子以外は異常な人たちばかり。そんな彼らが寄ってたかって話をぐちゃぐちゃにこねくりあげて、ラストには小さな感動まで付いてくる。これぞまさにクドカンワールドです。主演の凸やん役は映画にしか出ない男、浅野忠信!そして危険なオンリーワンホスト役は血管が切れそうなほどハイテンションな北村一輝。テキトウな警察官・岡本役はユースケ・サンタマリア。順子ママ役はすっかりおばさんになってしまった南野陽子。そしてノラ役は「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の佐津川愛美!!(彼女の変わり様ったらビックリです)監督は新人の細野ひで晃。
バーン・アフター・リーディング  監督 : ジョエル&イーサン・コーエン兄弟  出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット
Burn After Reading  2008年 アメリカ映画
アメリカはワシントンDC。ある日、エリートたちが通うフィットネスセンターで1枚のCDロムが発見された。脳ミソまで筋肉でできているフィットネスクラブの従業員のチャドはCDロムの中を見て、勝手にCIAの機密情報だと決めつけてしまう。整形が趣味の同僚のリンダにその事を話したチャドは、この情報で一攫千金を狙う計画を思いついた。実はこのCDロムの中身はアルコール依存症でCIAを辞めたオズボーンの回想録だった。中身はほとんどが上司への文句ばかりだった。オズボーンの妻のケイティは財務省連邦保安官のハリーと不倫中。彼女はオズボーンがCIAを辞めたことを離婚の理由にしようと目論んでいて、オズボーンのPCから情報を盗み、離婚弁護士に渡していたのだ。リンダは出会い系サイトで知り合った男と待ち合わせ。そこに現れたのはハリーだった・・・・
私評:こちらは優しいサマリア人のです・・・レビューがとっても遅くなってしまいました・・・。昨年「ノーカントリー」でアカデミー賞を総なめにしたコーエン兄弟。しかし、彼らの真骨頂はやっぱりブラックなコメディ。しかも、この作品は主演の5人を念頭に置いて書かれた脚本なのです。つまり、筋肉バカのブラピは脚本の段階で出来上がっていたのだ!しかも、5人のキャラクターがそれぞれどうしようもないダメな奴らばかり。だけど、それがなんとも愛おしいのです。人生はままならない事ばかり。やりたい事を思うがままにすると、訳のわからないしっぺ返しがあるのです。しかし、彼らのしっぺ返しはあまりに・・??出演者はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ティルダ・スィントン、ジョン・マルコヴィッチ、そして監督のジョエル・コーエンの奥さま・フランシス・マクドーマン。(オスカー俳優が3人。他の二人もノミネート)すごいですね。だけど、彼らがみんなおバカなんです。そして迎える衝撃(笑撃?)のラスト。思わずうなってしまいました・・・。面白いですよ!!


前回の記事も読んでね〜!



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