2009/4/29

レビューがどんどん溜まってます。早く追いつくように頑張ります。
イチ押しは、惜しくもオスカーを逃した感動作。

グラン・トリノ  監督・出演:クリント・イーストウッド  出演:ビー・バン、アーニー・ハー
Gran Trino  2008年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ウォルト・コワルスキーは偏屈で頑固な老人。今日は長年連れ添った妻の葬儀。そこでも彼は孫たちの悪態にキレて、葬儀をつかさどった神父にまで暴言を吐いた。彼の二人の息子も手を焼いている。ウォルトの隣の家にはアジアのモン族の家族が住んでいた。この家の息子のタオはおとなしい性格だが、彼の従弟のスパイダーがいるギャング団からの誘いには抵抗していた。しかし、スパイダーの命令で彼はウォルトの宝物のビンテージカー、グラン・トリノを盗みに入るが、ウォルトに銃を向けられその場を逃げ去った。そんなタオに焼を入れにやってきたスパイダーたちに、ウォルトは銃を向けた。彼らがウォルトの芝生に入った事に対して怒りをぶつけたウォルトだったが、結果的にはタオを救うことになった。これがきっかけになりウォルトは隣家の異国のファミリーと親交を深めていくが・・・
私評:あの子をデートに誘え。その時はあの車を使っていいぞ・・・クリント・イーストウッドの中に真の男を見た。アメリカ人だけど侍のようなスピリットを持ったウォルトは、最初はどうしようもないほどの偏屈なジジイだったのですが、徐々に彼の中に封じ込めていた『優しさ』が湧き出してくる。そして余命わずかなジジイがとんでもない賭けに出る・・。その衝撃たるや・・・、涙が止まりませんでした。とにかくカッコ良すぎます。また、この映画ではアメリカの家族の在り方も鋭い切り口で突いてきます。しかし、クリント・イーストウッドは「硫黄島」で日本人を取り上げ、今度はアジア系の移民を取り上げ、すっかり東洋づいているのかも??出演者はモン族のタオ、そしてその姉のアーニー・ハーは全くの新人。その他にもビッグネームの俳優はいません。今まで数々のクリント・イーストウッドの映画を観てきましたが、私の中ではこの映画がNo.1です。最高でした・・・。
ミルク  監督: ガス・ヴァン・サント  出演:ショーン・ペン、ジェームズ・フランコ
Milk  2008年 アメリカ映画 
ニューヨークからサンフランシスコの一角に越してきた男。彼の名はハーヴェイ・ミルク。その地は同性愛者たちの集うカストロ通りで、彼は恋人のスコットとふたりでそこにカメラ店を開いた。彼の人柄の良さに惹かれ、その店はゲイたちの『コミュニティーセンター』になっていく。そこでミルクは同性愛者たちが平等な権利を求め、運動を開始する。彼の起こしたムーブメントは賛否両論。もちろん、当時はゲイに対する社会の風当たりは冷たかったが、ミルクを臆することなく、自らカミングアウトをして州議会選挙に立候補し、4度目の選挙でついに当選した。就任後、すぐに同性愛者の教師を解雇できるという提案「プロポジション6」が浮上する。もしも、その提案が通ればゲイだけではなくあらゆるマイノリティにまで反動が及ぶと考えたミルクは、反対運動を展開する・・
私評:希望のない人生に価値はない・・・「タイム誌が選ぶ20世紀の100人」のひとりに選ばれた男。しかし、今の世はゲイもすっかり市民権を得ていて、私も何の偏見もなく彼らと接することもできるのですが、1970年代はホモもレズも社会の害虫のような扱いを受けていたのですね。私はこの映画の事を知るまでミルクの存在さえも知らなかったのですが、彼がこのようなムーブメントを起こさなかったら、同性愛者はいまだに辛い思いをしていたかもしれません。映画はコミカルであれよあれよという間に話が転がっていく。そして心臓を鷲掴みにされるような悲劇が訪れるのです・・。また、この映画は当時の実際の映像も随所に盛り込まれていて、本当にリアルな雰囲気を醸し出しています。主演はこの映画で本年度のアカデミー主演男優賞を獲得したショーン・ペン。(私はなんとなく「アイ・アム・サム」の時の彼と雰囲気が被ったのですが・・)そして助演男優賞にノミネートされたジョシュ・ブローリンがミルクと一緒に当選した議員役で登場。そしてミルクの恋人役で「スパイダーマン」のジェームズ・フランコが、そしてミルクによって一介のゲイの少年から活動家になった青年を「イントゥ・ザ・ワイルド」のエミール・ハーシュが演じています。監督は「グッド・ウィル・ハンティング」のガス・ヴァン・サント。
サスペリア・テルザ 最後の魔女  監督 : ダリオ・アルジェント  出演:アーシア・アルジェント
Mother Of Tears  2007年 アメリカ・イタリア映画
イタリアの田舎町、ヴィテルポの墓地脇から、古い棺が発見された。棺には「オスカー・デ・ラ・バレー」と書かれていた。棺は教会の神父からローマの博物館へと送られた。博物館に勤めるサラは恋人でもある館長のマイケルが不在の時に、同僚のジゼルに誘われヴィテルポから送られてきた棺と一緒に埋葬されていた道具箱を開けてしまう。サラが部屋を出た直後、ジゼルは何者かによって惨殺されてしまう。サラは現場に駆け付けた刑事に事情を説明するが、彼らは信じてくれなかった。道具箱に入っていた赤い法着は第3の魔女「涙の母」を完全復活させた。彼女はローマに呪いを放ち街には続々と「涙の母」を称える女たちが集まってくる。また、マイケルはひとり息子を魔女たちに誘拐され、ついには敵の手に落ちてしまう。サラは悪魔払いの専門家であるヨハネス神父を訪ね、魔女についての情報を得る。しかも、昔死んだサラの母親は悪の魔女に対抗する白魔術を使う魔女で、その力はサラも受け継いでいると告げる・・・・
私評:ついに魔女の時代がくるわ・・・「サスペリア」「インフェルノ」に続く、魔女3部作の完結編。第1作の「サスペリア」は1977年の作品。そして「インフェルノ」は1980年。30年の時を経てついに終わるのです。監督のダリオ・アルジェントはホラー映画の巨匠であり、私をホラー映画好きに導いた監督でもあるのです。それゆえ、この映画を見逃すことは絶対にできないのです。正直、彼のピークは「サスペリア」と「サスペリア2」であり、それ以降の作品はイマイチだったので、この作品もあまり期待はしていなかったのですが、私的にはまあまあのレベルの作品でした。すごい!って感じではないのですが、サスペリアっぽい雰囲気が出ていたからまあ、いいか・・って感じです。それにしても今回はタブーとされている『子供を殺す』シーンがあって(しかも、2回も)ちょっと不快になりました。主演は監督の愛娘アーシア・アルジェント。娘にあんなことをさせるなんてダリオは究極のサディストです!ヨハネ神父役は70年代以前のホラー映画には欠かせない「悪魔のはらわた」のウド・キアー。そしてサラの母親役で、アーシアの実の母親、「サスペリア2」のダリア・ニコロディが登場。昔はスリムで美しかったけど・・・??そしてローマに集う魔女役で日本人の市川純が出演。(彼女、セリフが日本語です!)
ノウイング  監督 : アレックス・プロヤス  出演:ニコラス・ケイジ、ローズ・バーン
Knowing  2008年 アメリカ映画
1959年。マサチューセッツ州の小学校では盛大なイベントが行われていた。学校の行事としてタイムカプセルが埋められることになったのだ。子供たちは各々50年後の小学生たちに向けて絵を描いた。しかし、生徒の一人ルシンダは一心に数字を紙に書き綴った。そしてその紙はタイムカプセルに・・。2009年、ついにタイムカプセルが開かれた。中に入っていた手紙は生徒たちの手に。そしてルシンダの手紙は大学教授のジョンの息子、ケイレブの手に渡った。家にその紙を持ち帰ったジョンはその数字の中に2996091101という数字に目を留めた。最後の6桁はアメリカ同時多発テロの日付、そして頭の4桁は死者の数だった。その他にもその紙きれには過去の惨事の日付と死者の数が正確に記されていた。そしてそこには未来の日付も記されていた・・・・
私評:選ばれた人しか行けないんだ・・・・この映画についてはまったく何の情報も入れずに見に行きました。まずは、発想が面白いですよね。そしてその事態に気付いた時から、息子の周りに変な人影が・・。そして彼にだけ聞こえるささやき声・・。最後はとんでもない展開で開いた口が塞がらなくなってしまったのですが、ある意味こういうパニック大作の定石を覆して私の考えも及ばない(?)オチになっていたのです。(これ以上は言いません・・)しかし、何度かジョンが遭遇する大惨事の映像はかなり強烈です。飛行機の墜落、地下鉄の事故・・・。これらの映像はやはり大画面で!!主演は髪の毛が増えていた「ナショナル・トレジャー」のニコラス・ケイジ。彼の息子役には「ベンジャミン・バトン数奇な人生」で若返ったブラピの役を演じたチャンドラー・カンタベリー。メッセージをの残したルシンダの娘役は「トロイ」のローズ・バーン。監督は「アイ、ロボット」のアレックス・プロヤス。


前回の記事も読んでね〜!



I Love Movieに戻る