2001/9/3号

今回は4作品のうち,3つが日本映画という珍しい1週間でした。
しかし、最近の日本映画はとても面白いです。

ウォーター・ボーイズ  監督 :矢口史靖  出演 : 妻夫木聡、平山綾、竹中直人、杉本哲太
Water Boys  2001年 日本映画  
廃部寸前の水泳部になぜかしがみついている鈴木。高校生活最後の夏を目の前に控えていた彼に吉報が訪れた。新任の美人教師が、水泳部の顧問を買って出たのだ。あっという間に活気付く水泳部。しかし、彼女の専門はシンクロナイズド・スイミング・・。ふたたび水泳部は元の木阿弥に・・。しかも、残った5人はオチコボレばかり。 しかし、彼らは文化祭での発表会を目指し特訓を重ねる。そしてついに奇跡は起きた・・・。

私評:面白すぎる〜。なんてパワフルな映画なんだ〜!!かなり前から予告編で気になっていた映画でした。笑いはもちろんの事、爽やかな感動まで心に刻んでくれました。どんなにおバカでも、カッコ悪くても一生懸命の姿って美しい。それが男で合っても女であっても・・。そしてスポーツの素晴らしさも教えてくれる。主演の妻夫木君,他4名のシンクロ青年たちがそれぞれ個性的で好感が持てました。私の苦手,竹中直人もはまり役でした。熱血先生役の杉本哲太は,相変わらず演技は下手なんだけど、その不器用さが今回の役にはピッタリだった。超〜可愛い平山綾ちゃんは今後の注目度No.1! ラストシーンは青年たちのおバカさに大爆笑しながらも、一つの事をやり遂げた事の感動で涙が出てきた。まさに笑い泣き・・。 ちょっと公開時期がずれて,秋の公開になってしまったのがちょっと残念でした・・。
 贅沢な骨  監督:行定勲  主演:麻生久美子、つぐみ、永瀬正敏
Luxurious Bone  2001年 日本映画
ホテトル嬢をしているミヤコはサキコと一緒に暮らしている。過去の家族とのいざこざで心に傷を持つサキコのため、彼女が金を稼いでいた。彼女は客と一緒に食べたウナギの骨が喉に刺さり、それが気になって仕方がない。ミヤコは今まで自分が不感症だと思っていた。 しかし、客として関係を持った新谷に、初めて性的な快感を感じてしまう。 それはいつしか恋に発展し、ビジネス以外でも二人は関係を続けていく。 彼を家に連れ込んだミヤコはサキコと新谷の間に一瞬にして芽生えたシンパシーを敏感に感じ取ってしまう。 そしてミヤコは新谷にサキコを抱くように頼むのだが・・・。

私評:行定監督と言えば,昨年公開された『ひまわり』が印象的だった。去年見た映画の中でもけっこう印象的な作品でした。その監督の新作と言うことで楽しみにしていた作品。でも、新宿の単館のしかもレイトだけの公開とはさびしい限り。『ひまわり』の時に見せた、美しい映像は今回でも充分に活かされている。特に太陽の逆光の使い方が好きだ。主演はいまや飛ぶ鳥を落とす勢いの麻生久美子。先日見た,『RED SHADOW 赤影』の飛鳥役もセクシーだったけど,今回はホテトル嬢という、きわどい役柄。 ダルな雰囲気を醸し出しながらも,可憐さを失わない。 好きだな〜。そして今回初めてスクリーンで見たつぐみ。 すごく純真なイメージの彼女には,今回の役はまさにはまり役。 そして謎の男新谷を演じるのは永瀬正敏。 最近どうもワンパターン化していた彼だったけど、今回の役は良かった〜!! まさにそんな適役の3人が織り成す,見事なアンサンブルが快感だった。 とても静かなで、色々と見る側に問いかける作品なので,感じ方も多種多様のはず。 悲しく切なく、そして不思議なトライアングル・ラブが心に染みた・・。 
キス・オブ・ザ・ドラゴン  監督:クリス・ナオン  主演:ジェット・リー,チェッキー・カリョ、ブリジット・フォンダ
Kiss Of The Dragon  2001年 アメリカ映画
中国のエリート捜査官リュウがパリにやってきた目的はフランスと中国の間で交わされている麻薬取引の現場を押さえるためだ。 今回の捜査の指揮をとるのは地元警察のリチャード警部だった。 ホテルのロビーで様子をうかがうリュウ。その時、2人の売春婦が現れ、中国側のギャングのソングを部屋へと誘った。 そしてソングは彼女たちに殺され、現場に踏み込んだリュウは、事もあろうかリチャード警部の罠にはめられ、殺人の汚名を着せらてしまう。なんとか隠れ家へと逃げたリュウの前に、ホテルの娼婦の一人ジェシカが現れる。実は彼女は一人娘をリチャードに奪われ、無理やり協力させられていたのだった。ついにリュウの怒りは頂点に達した・・・・。

私評:相変わらずすごい技のキレをを見せるジェット・リー。 やっぱり彼にはワイヤーアクションもCGも不要だ。 今回は特に肉弾戦が多かったので、彼の妙技を堪能した。 でも、この映画のカメラマンが香港の人だったら、良い意味で違う映像を撮れたのでは? カメラがジェットのアクションに全然追いついていなかったような気がします。でも、小兵のジェットが大男をガンガンやっつけていく様は、気分爽快でした。悪役はチェッキー・カリョ。これがまた、超〜憎らしい男でグッドでした。悪が強くてイヤらしいほど、こういう映画は面白いですからね。 『レオン』のゲイリー・オールドマンを髣髴させる演技でした。娼婦役はブリジット・フォンダ。 しかし、彼女は本当に色んな映画に出ていますね。しかも、若い!本来ならジェットとブリジットのキスシーンでもありそうなんですが、そういう軟弱な(?)設定はことごとく排除して、がっちり硬派な映画にしているのもジェットの狙いなんでしょうね。 面白かったです! 
バックステージ 監督:香月秀之  主演:高田宏太郎、京島奈央、とよた真帆
Backstage  2001年 日本映画
俳優の養成所に通う悟は、苛立っていた。自分に巡ってこないチャンス。ライバルには先を越され、自分はエキストラ役でも、文句を言われ・・・。そんな時、悟は幼なじみのさやかと再会する。彼女は歌手になる夢を持っていて、ミュージカル I'm a Singerのオーディションのため、毎日頑張っていた。彼女に触発され少しずつ元気を取り戻す悟。そしてついに彼にチャンスが巡ってきた。新作映画「バックステージ」の主演に悟が抜擢されたのだ。しかし、喜びもつかの間、今度はさやかが体調を崩し入院してしまう。しかも、彼女は不治の病ですぐに歌も歌えなくなると言う・・・・。

私評:I'm a singer I'm a singer 心で歌う〜♪ 劇中何度も繰り返されるこの曲が耳に残った。作品自体はどうも未熟な感じがするけれど、オープニングのデ・パルマもビックリの超長廻し撮影や、夜の街のスモークの使い方、そしてシルエットなどどこかで見た事のあるような映像のオン・パレードが微笑ましい。でも、劇場の入りは寂しい限りでした。 ストーリーとかも決して悪くはないんですが・・。本来なら、私なんかはめちゃ泣けそうな題材なのに涙の欠片も出なかったのはなぜでしょう?主演の二人の初々しい演技は好感が持てました。また、さやかの父親役のミッキー・カーチスが良い味を出してました。友情出演なのに結構出演シーンが多い、とよた真帆、そして気障が似合わない峰岸徹など、脇役陣はすごく良かったですよ。


前回の記事も読んでね〜!



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